2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その1
やっとの思いで、2016年夏の旅のアップを終わったところですが、引き続き、フランスの旅を特集します。それも、つい昨年の旅。
実は、2017年に回ったトスカーナやラツィオ、またフランスでも2017年の旅を先にアップした方が、順番としては正しいですし、自分の記憶の持続力を考えてもその方がよいのですが、諸事情から、昨年の旅を振り返っておきたく、他をスキップして、こちらを進めることに決めました。
旅の直後に、ざっくりと行程を記しておきましたが、今回は、州など特定のくくりにこだわらず、割と大きな地域をうろうろ回るような旅でした。
ミラノ、リヨン間は、昔はEasyjetが飛んでいて、大変リーズナブルだったのですが、いつからか撤退して(エールフランスの陰謀と思いますが、笑)、安くないのですが、つい最近まで掲載した2016年の旅で、列車の旅はもうこりごりと思い、飛行機としました。到着は15時と、遅めだったのですが、比較的手早くレンタカーの手配ができて、16時前には、空港を出発することができました。
情報として記しておきますが、リヨンの空港のレンタカーは、わかっていればわかりやすいのですが、知らないと戸惑うシステムとなっています。空港の前に、空港内の循環バスがあり、それに乗って、レンタカーエリアに移動するシステムとなっています。レンタカー会社ごとに、いくつかの停留所があるので、乗っていけば自分のレンタカー会社の事務所近くに行けます。初めて利用したときは、ドキドキしたのを覚えています。
さて、開始が遅いため、一日目は、ホテルに移動しながら、一つ二つ見られればいいな、という控えめな気持ちではありましたが。やはりスタートとともに修行モードになり、この日は、以下、三カ所を回りました。

まず向かったのは、フランスのロマネスク仲間に推奨された教会です。

イリアIlliatのサン・シンフォリオン教会Eglise Saint-Symphorien。
小さな村の小さな教会です。
正直、外側は、ほとんど新しく、到着したとき、え?まさかこれじゃないよね?と、上の姿を見て、愕然としました。
でも、近所に、同名の村もないようなので、やはりこれだろう、と半信半疑で入場。
そしていきなり後陣に向かって、突進しました。

小さな教会なので、入り口から後陣がすぐ。この、小さなアーチの並ぶ様子は、すぐにも、「ただものではない!」と感じさせてくれましたよ。

彩色が程よく褪せている様子が、今が一番好みの状態ではないか、というような段階のあせ方で、全体に柔らかい色合いが、何ともいい感じなんです。

説明も何も置かれていなかったと思いますので、正確な時代とかわからないのですが、ポーズ的にはビザンチンテイストも感じます。でもご衣裳はシンプルだから、そんな影響はないのかしら。表示は、淡々とした中性的な、ひどく世俗を超えた聖人的な様子で、私は好きでした。

三白眼で一筆書き的なフレスコ画。ちょっと今どきのイラストみたいな、現代テイストもありますね。
アーチの支えとなっている小円柱の、柱頭も、シンプルでよい味です。

しかし、開口部からの光が強いこと、そして、最初の訪問地だから興奮していたのか、柱頭の写真はほとんどぶれていて、ひどい有様です。ちょっと面白い彫り物があるんですけれど。

写実的な怖い感じの、狼?
やっと落ち着いて、一歩下がって、全体。

例によって、漆喰ぬりぬり系ではありますが、小ささや、全体のトーンが落ち着いていて、これはありですね。
そして、振り向いて、あらま、これまたいいじゃんか。

ほとんど再建構造と思いますが、雰囲気がありました。開口部が多くて、明るいですね。光を求めた現代建築からは、逆に、当時の建物の暗さが、浮き上がる気持ちがします。
後陣があるってことは、と思い、一応裏側に回ってみると。

構造だけは、昔の儘に、後陣ありました。もともとは、一身廊一後陣の小さな教会だったのが、ちょっとだけ、増築されたというようなことなのかな。土地も狭いので、これ以上は広げようもなかったと思われます。
教会の周囲に張り付いたように、数軒の家がある、それだけの集落だったと思います。
教会を出たところで、乳母車を押して、孫の散歩をしているおじいさんと、ちょっと挨拶をしたことなどが、懐かしく思い出されます。
うん、やはり昨年の旅だと、どうやらいろいろな点が、まだ鮮明みたい、笑。
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- 2019/05/10(金) 06:01:18|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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