2018年5月、トレンティーノ・アルト・アディジェのグラッパ合宿 その4
毎年律義に訪ねている蒸留所。

Distilleria Privata Unterthurner Srl
Via Ansem Pattis 14 Marlego
www.unterthurner.it
月曜/金曜9-13/14-18、土曜9-13(日曜休み)
昨年訪ねた時は、この販売所が、大規模改装中で、離れた場所にある倉庫脇の掘立小屋のような場所が販売所となっていましたが、その後、改装が終了して、新装の香プンプンの販売所となっていましたよ。

以前に比べると、販売所へのアクセスは楽になったし、展示スペースも大幅増、という様子なんですが、なんというのか、逆に、こじんまり感が懐かしいような気がしました。スペースありすぎて、使いきれていない様子っていうんでしょうか。
そもそも論として、この販売所の眼目は、試飲。その試飲スペースは、さほど大きさなど、変わっているわけでもないんで、改装そのものの、我々にとっての目新しさは、実はあまりなかったんですよね~。
でも、ちょっと目新しかったのは、この人。

これはねぇ、前は絶対なかった。実際、スペースも限られていたしね。
で、ボトルにも、この人の姿が使われている小さなタグが付けられていたんですが、それも、記憶にないんだよねぇ(昨年から、タグは使われているようでした、今、確認しました)。

誰かというと、サン・アマンドSan Amando、なんでも、蒸留の守護聖人ということなんですよ。わたしが購入したボトルにもついていた、そのタグによれば、出自がブドウ農家で修道士になった、という経歴の人で、中世初期の人。巡礼の道々で、蒸留の技術や、薬草種の生産法について、広めた人ということですよ。聖人ということは、何らかの奇跡を起こしたはずなんですが、いったいどういう奇跡を起こしたのだか、気になります。醸造酒なら、ほっとけばできたりするお酒でもあるので、おいしいワインができたというのはあまり奇跡でもないと思いますが、蒸留酒は、作業する必要がある以上、奇跡とは違うような気もするし。お酒で人助けしたとかですかねぇ。それって、どういう可能性があるでしょうかねぇ、奇跡観点から?
それにしても、なぜ、いきなり聖人をフューチャーしているのか、そこは謎でした。

我々グラッパ倶楽部では、西のキアラ、東のクラウディア、ということになっているんですが、この蒸留所の販売員クラウディアさん、とっても良いんです。この、緑のドレスを着ている人です。
この日は、結構ひっきりなしにお客さんが来ていて、なじみの我々は、比較的放置状態だったんですけれど、それでも、数種類試させてもらいながら、とぎれとぎれに旧交を温めるという感じでした。
改装について、彼女はとても満足そうだったので、よかったね、と。
実は、一年前に買ったものが、まだ飲まずにとってある状態なので、今回は、1本だけ。

ソーヴィニヨンです。ここのは、果物の蒸留酒もいいのですが、ビアンカもよし。果物系は、バリックしたものも、これまで購入していますが、グラッパは、やはりフレッシュなビアンカに、よりおいしさを感じるかもしれません。
ちなみに、右に並べた小さなボトルは、お土産です。たった1本購入しても、小瓶を付けてくれるのが、嬉しいところ。そのために、いろいろな種類を味わうことができるので、また次につながります。すっごく商売上手なんです。損して得取れ、と地でやっているのが、このクラウディアさん。
果物といえば、大手だけども、いいものを作っている生産者さんがあります。ここも、結構毎回行っているなぁ。

Roner SpA
Via J.V.Zallinger 44, Termeno
月曜/金曜9-12/14-18、土曜8-12(季節により、若干変動あり)
割と愛想がなさそうな人が対応してくれますが、実はこちらの求めに応じて、的確にお勧めを出してくれる、できる販売員さんで、淡々としたサービスが、結構気持ちいいんです。で、大手なので、販売所の内装とかも、観光客向けの感じに設えている割には、商品の取り揃えが、非常に幅広くて、あらゆる階層に対応してますっていう姿勢で、なかなかすごいんですよね。

果物の種類が豊富なので、なかなか辺りが出にくいリンゴを中心に、試飲をさせてもらいました。

最終的には、コスパも考慮して、2本購入しました。

Muller Thurgaw Euro 24.50
Gravensteiner Euro17.30
いくつかのリンゴをミックスした蒸留酒もいただきましたが、最終的には、この種類だけのリンゴ種が、一番おいしかったので、これをいただきました。Mullerは、白ワインでも好きなブドウ種ですが、ここのは、そのさわやかさを生かした、素敵な蒸留酒に仕上がっている上に、コスパ的にはよかったと思います。
Ronerに来たら、やはりお隣も、立ち寄らないわけにはいきません。

Psenner Srl
Via Stazione 1, Termeno sulla Strada del Vino
www.psenner.com
ここの製品も、ミラノのスーパーでも見つかるくらいに、蒸留酒メーカーとしては、かなりの大手ですが、ミラノのスーパーで売っているのは、アルコール度の低い甘めのリキュール系がほとんど。本格的な蒸留酒は、やはりこの辺に来ないとゲットできないようです。

すごい大手なのに、販売所では、大きな試飲コーナーを設けており、少人数の客にも、かなり丁寧な対応をしてくれるメーカーさんです。私は、少なくとも一本はあれを買う、と決めて訪ねているのですが、このように、次々と試飲させてもらうと、気持ちが揺れます~、笑。
挙句には、今、こんなものも作っている、という貴重な逸品まで、試飲させていただきました。

ウィスキーです。蒸留酒ですからね、カテゴリーは同じ。というわけで、結構トライしているメーカーさんは、多いように感じます。でも、こればかりは、時間と技術と勘とセンスと…。おそらく一朝一夕でできるお酒ではないですよね。そして、経験の浅いメーカーさんにしても、やはりコストがかかるお酒のため、結構な値付けなんですよ。とても買えません。本場のスコッチなどが高いわけです。
最終的には、こちらをゲット。

Chardonnay Euro 17.10
Gravenstein Euro 16.90
左のバリックしたリンゴのは、数年前に購入して、一回開栓したら、あんまりおいしくて、クイクイ飲んでしまったもの。で、買いたくてうずうずしていたんです。シャルドネは、試飲した中で、最も気に入ったもの。さわやかなおいしさのあるビアンカ。
一度開けたら、あっという間に終わるので、これはしばらくとっとこうとおもいます。
それにしても、リンゴは、このGravensteinに限る、ということが、今回どうやらわかったみたいです。ここはリンゴの産地で、本当に多種のリンゴを作っていて、蒸留酒メーカーさんも、色々試しているとは思うのですが、リンゴは、難しいんですよ。意外にもね。
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- 2019/05/14(火) 05:47:19|
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