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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

素朴なファサードと木製の天井にうっとり(シャーヌ)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その3

初日、ホテルに行くまで、まだちょっとは大丈夫かな、と思って、もう一つ。

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シャーヌChanesのサン・ピエール・エ・サン・パウル教会Eglise Saint-Pierre-et-Saint-Paulです。ここは、今、写真を見ても、思わずうっとりするくらい、ロケーションが素晴らしかったです。

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教会のある場所は、村の入り口のような位置なんですが、ちょっとした高台となっていて、教会からの眺めが、一面のブドウ畑で、その緑が、実に目に鮮やかで、眼福でした。

教会のたたずまいも、大変気に入りました。

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特に気に入ったのが、この超地味なファサード、といったら、おそらく、病気確定って感じなんですけども、このデッサンずれてるみたいな開口部が、琴線に触れまくりでした。

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これは、プレロマネスク大好き系の方向性を持っているロマネスク好きには、絶対にたまたない様子の開口部跡、ですよね?もともと、ちゃんと開いていて、一連として小円柱などもあったのかどうか、不明ですが、この、プリミティブな様子、やめれ!と叫びたくなるくらい、琴線に触れます。
下部にある、稚拙な帯モチーフも、これまたたまらん系、笑。

それらに比べると、後陣側からの眺めは、ちょっと直しすぎだろう、という様子の方が強すぎて、記憶への残り方も薄いです。

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ここでも装飾的な塔は美しいですが、あまりにも素朴なファサードを前にしては、かすみます。

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中はどうかというと。

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全体に修復が激しくて、構造以外は、ほとんど修復されちゃっています。
装飾関連は、内陣部分に、正確な時代はわからないまでも、それなりに最盛期のものなのか、という様子が見られる品々があります。

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どうも再建臭いものが多い中、やはり、目が行くのは、こちらではないかと。

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天井の木。往時は、多くのケースで、天井は木でふかれていて、このように、むき出しであったと思うのですが、後代に漆喰ぬりにされたり、石で吹きなおされたり、結構手が入りますから、往時の様子がしっかりと想像できる建造物は、意外と少ないのですよね。
ここも、勿論、木は、新しくなっていると思いますが、どうなんでしょうか。法隆寺の例からも、木も、ケアすればきっちりと持つわけですから、もしかすると、建造当時の梁などが残っている可能性はあるのでしょうか?見た目は、多分ないって思いますけれど。

というわけで、わたし的には、この木製の天井、素朴極まりないファサード、そして、周辺の緑が、印象に残る教会でした。

2018 centro france 043

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  1. 2019/05/28(火) 06:11:41|
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  3. | コメント:0
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