2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その10
Maconの後は、地味な教会が続きます。まずは、マコンから緩やかに続いているような村と思っていたこちら。
サンセSance'のサン・ポール教会Eglise Saint-Paul(住所131Impasse de l'EgliseまたはPlace de l'Eglise)
確かに隣村というか、地図で見るとつながってる感じなんですが、結構、一旦町が途切れた他の村でした。
お隣の建物との接近はともかくとして、ちょっとした高台、というか、盛り土的な状況になっているたたずまいで、ちょっといい感じです。
かなり整備された住宅街の中にあって、教会そのものも整備が行き届いている様子で、風情はあまり感じられませんが、ありがたいことに、開いておりました。
中もずいぶんと整備されておりますが、大きい切石の床のすべすべ具合は、結構好きでした。光を反射して、つやつやする感じって、結構ぞくっとします。結構床フェチな傾向がありますんで、笑。
内部に、装飾的なものは、あまりなかったのですが、かすかに。
彩色の名残なんかも、それもいやらしくない色合いで残っているのが、好感度高いやつ。
どうやら、福音書家が勢ぞろいしていたようです。ルカちん。ということは、鳩にしか見えない上のやつも、福音書家か?
マルコらしきお姿もあるし、実は、マッテオ君もいたんですよ。
どういう彩色だったのかなぁ。なんか、ちょっと想像つきにくい残り方。
一応史跡的に、看板もありましたが、この辺りの細かい解説は一切なし。
開いていただけで、ありがたい、というような教会かな。
現代風の素敵なステンドグラスは、かわいかったです。
そして、次に向かったのが、こちら。
レゼLaizeのサンタントワーヌ教会Eglise Saint Antoine(住所Rue de l'Eglise)。
ここは、教会の場所はわかったものの、いったいどこに駐車したらよいのやら、とびくびくするくらい、周囲が急坂で、昔暮らしたトスカーナのシエナの、古いシトロエンだと登れないくらいの急坂地域を思い出しました。
塔の上に変なもんが乗っかっちゃっているのは、ご愛敬というところですが、たたずまいは、実に、好みのタイプです。というのも、オリジナルは11世紀と古いもので、そういう片鱗が、ちょっと残っているのですね。
この、ちょっと押しつぶされたような、シンプルなスタイルの後陣。ブラインドアーチに、素朴極まりないつけ柱。そして、石をそいだ瓦。佐多氏が好きすぎるアイテム満載です。なんでこんなものが、そんなに好きなのかわかりませんが、ラヴ!具体的な理由が説明できないラブです。
後陣と鐘楼が一体化しているのですが、そこに、なんと。
階段付き!
勿論登れるところまで、興奮して登りました。だから何ってわけでもないですが、なんか興奮してしまうんですよね、こういう構造そのものに。
しかし、鐘楼などは、かなり修復激しいことが、よくわかりました。
そして、石をそいだ瓦は、こういう感じ。まさに石なんですよね。
なにこれ?っていう写真ですが、後塵の円錐屋根部分を覆っている瓦を、階段に上って、見下ろした画像です。これにワクワクした人、危ないですよ(いないと思いますが、笑)。
ここね、外だけで満足した方がいいのかもね。でも開いてたんで、勿論入ります。
こういうのって、別の意味で衝撃ですよね。見事なピカピカぶり。こういう風にしたかったんですよね、ある時期のフランスは特に。
幸いなことに、外で見た後陣部分は、一応、一部、古い状態で残されてはいるのでした。
一番上の、半円部分ですね。他は全部ピカピカにしちゃいましたが、そこだけはロマネスク時代のスタイルと残してはくれたっていうか、おそらく後陣壊すの面倒だし、倉庫みたいな場所として、使ってきたんだと考えられますね。
でも、16世紀以降のフレスコ画があって、それ以外は漆喰ぬりぬりパターンなんです。それでも、構造は、古いままではあります。
しかし、石がむき出しというだけでも、かなり雰囲気があるでしょうけれど、ここは、16世紀以降のフレスコは削れない、という結論の修復だったんですね。そのあたり、イタリアなどは、もっと思い切って、ロマネスク回帰した修復が多いような気もしますけれど、なんとなくこういう漆喰系が、フランスの好みのような気がします。
ピカピカの本堂で、何かあるんじゃないか、と目を皿のようにして探しましたが、唯一認められたのは、この聖水盤。
何かを転用したものでしょうけれど、浮彫にロマネスク的なテイスト、満載です。
情報として載せておきますが、ファサード側はこんな感じで、すっかり新しいです。こっちからアクセスしたら、見逃しますね。
心残りないように、開いていればラッキーと思うわけですが、かえって心を残した方が、気持ちが残る教会、というのは、実は結構あるかもしれないです。
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2019/06/18(火) 05:30:16 |
ブルゴーニュ・ロマネスク
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