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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ひっそりとごっつんこ千年(クレッセと(クレと)ペロンヌ)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その11

マイナー度満載の小さな教会が続きます。

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クレッセClesseの教会Eglise Notre Dama(住所Rue Sainte Marie)。事前のメモでは、一応サンタ・マリーという名前をゲットしておりましたが、現地では、教会としか表記がないんですよ。そもそも、なぜ、わざわざこんなに小さいところまで、丹念に回ったんか、今となっては謎みたいなひと時です。

本当に、通り過ぎそうになっちゃうような小さな村でしたが、看板を見ると、ほらね。

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教会は、「12世紀の教会」と出ているだけで、ワインのカーヴ中心でした。ワイン生産者さんがひしめく土地なのですね。

通り過ぎそうな位置に建っているのですが、その古いたたずまいは、見逃せません。

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ね、ね。
ファサードにある超素朴なブラインド・アーチの並び、うっとりします。1090年建立、とあり、その、11世紀の古さを見事に体現している教会。魅力的です。
残念なことに、修復中のようで、全体が柵で囲われていました。もう、工事の様子はなかったので、あとちょっとで完了、柵も取り払われるとか、そういうタイミングではなかったかと思われ、残念です。

小さな村の中心に当たると思うのですが、教会の前に、印象的なバス停がありました。「Eglise(教会)」という簡潔かつそのものずばりのバス停の名前も印象的なら、その運行時間も非常に印象的でしたよ。

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行きと帰りと、路線を一日一往復するだけのバスのようでした。

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突き当りが、そのバス停です。
こういう村は、おそらく二度と来ることもあるまい、と思ったように思いますが、なんだか、またいつか通りかかって、あらら、再訪しちゃった、ということになりそうな予感もあります。

この勢いで、お隣の村、Crayにあるサン・ピエール教会Eglise Saint Pierreも探しました。上に、中心部だけの地図をアップしましたが、北の方にちょっと進んだところに、村の名前が出ているくらいに近い場所のはずだったんです。
墓地だということもわかっていたし、ウロウロしようもないような場所なのに、それでも何度も行ったり来たりしたんですが、結局教会らしい姿は見当たらず、尋ねようにも通りすがりの人もおらず、すごすご敗退しました。
別に無理して訪ねる予定にもしていない場所だったので、それでも問題ないのですが、ちょっと意地になっていた気がします。

諦めて、ちょっとだけ西に入った村へと進みます。
美しく整備された道を、気持ちよくドライブして、村にたどり着きますが、村は、その幹線道路から、ちょっと入った方に広がるようだったので、まずは、幹線道路沿いに駐車して、徒歩でアクセスすることとしました。

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ペロンヌPeronneという村。ここは、駐車した、確か市庁舎とかがある新市街的な場所です。
緩やかな坂を上っていくと、どん詰まりに教会がありました。

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サンタ・マリー・マドレーヌ教会Eglise Sainte-Marie-Madeleine。

教会脇の家の人が、どうやら夏休みで一族が集まっていて、一斉に車に乗り込むところで、忙しない空気が流れていて、車を離れたところに置いてきた正解だった~、とほっとしたことをよく覚えています。そんな些細なことが、記憶の呼び水になって、このたたずまいなどを、くっきりと思い出せたりするので、どうでもいい記憶も重要ですよね。

全体のたたずまいは、比較的新しくなっていて、面白みがないのですが、ちょっとしたものがあります。

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一見、なんの面白みも感じられない南壁ですが、かつては扉があったであろう場所、右手の後陣に近い方になりますが、そこです。

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変な顔した二人がごっつんこしていました。
建物がどんどん変わっていく間、いつも二人で、千年ごっつんこしているって、なんだかうっとりしました。病気ですね。

後ろ足の間から尻尾をクルリンと出しているスタイルはよくありますが、それにしても、この子たち、そうは見えないながらライオンでしょうけれど、足が細くて長い、独特のスタイルです。

ファサード寄りに、今入り口となっている扉がありますが、そちらの方にも浮彫が。

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これは、全体の印象から、もしかして比較的新しい浮彫なのでは、と感じたのですが、そんなことなくて、現地にあった説明によれば、ケルトの影響を受けた雄鶏であろうということでした。雄鶏は、太陽の光を象徴するシンボルであると。
今、それが置かれている扉は、あとに開けられた扉っぽいので、この雄鶏君は、別の場所にあったのかもしれないですね。

ここは、扉全開でした。
入ると、一瞬にして萎えるタイプ…。

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こういう風にきれいにしちゃうの、本当に好きですよね、フランス人。
でも、幸いなことに、後陣部分は、一部、漆喰ぬりぬりを避けたか、近代になってはがしたか、という状態で、石色がむき出しになっているんです。

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ぼんやりしちゃっているけど、何となしにかわいらしいやつらが、ひっそりといました。

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この人のいる柱は角柱で、柱にも装飾彫りが施されていて、かなり古い時代の再利用感がありましたし、柱頭も、とっても稚拙でシンプルな感じが、古さを醸し出していますよね。猿なのかなぁ。Xメン的でもあります、笑。

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全体はつまらないけれど、それでも、入れてやっぱり嬉しい。

2018 france centre 170

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  1. 2019/06/19(水) 05:23:14|
  2. ブルゴーニュ・ロマネスク
  3. | コメント:3
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コメント

しっかりと拝見させていただいております。下手なフランスかぶれ以上の濃密さで、
探訪されておられることに、驚いています。
昔、ロマネスク教会の所在地を、地図にピンクのサインペンで塗り込んだことがあ
りましたが、このCLUNY周辺とSANTONGE、そしてスペインのCATALUNYAは
真っ赤っかになってしまった記憶があります。
TOURNUS の西一帯は、村ごとにロマネスクの小教会が点在しており、全部を
巡ることは至難と思われます。
私はCLESSEクレッセやペロンヌは訪ねる機会がありませんでしたが、塗りぬり
も含め、ロマネスク探訪は実に楽しいですね。
  1. 2019/06/22(土) 04:53:09 |
  2. URL |
  3. ほあぐら #-
  4. [ 編集 ]

MACONNAISE

前の投稿、”ほあぐら”でした。
投稿慣れしてないもので、タイトルや名前の記入を忘れました。
続きを楽しみにしています。
  1. 2019/06/22(土) 04:56:55 |
  2. URL |
  3. ほあぐら #-
  4. [ 編集 ]

そうなんです!

ほあぐらさん
まさにおっしゃる通り、この地域、印をつけると、地図が訳の分からないことになってしまう密集も密集ゾーンですよね。行けども行けども、ではありますが、結構取捨選択した結果で、こういうマイナーさですから、さらに、え、これ?という場所も多いのだとは思います。
とはいえ、美しい地域なので、え、これだけ、というところでも、何かしら楽しめてしまうのは、嬉しい限りですね。
わたしの場合、行こうと思えば、特にこの辺りは、車ででも行ける、という地の利がありますので、なるべく小さなところも回っていきたいとは思っているのです。
ふふふ、今年は、いよいよ新車で、行きますよ~!
  1. 2019/06/23(日) 17:21:42 |
  2. URL |
  3. corsa #swS.pImU
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