fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

うれしい石攻め(トゥールニュ)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その13

日本でも、一部ニュースになったようですが、先々週半ばより、欧州の南部は激しい熱波に見舞われて、もう大変な日々でした。連日40度近くまで気温が上がりましたので、いまだに自宅に冷房のない私は、もうへとへと。こうなると、仕事嫌いの私でも、クーラーの効いた会社に行くのが楽しみになります、笑。
そういう時期に、遠方より古い友人が遊びに来たことなどもあり、そんなこんなで、ずいぶんと長いお休みになってしまいました。
更新もないのに、足を運んでいただいた皆様には、大変申し訳ないことでした。

このままだと、再開できなくなりそうなので、本日現在も、室温32度と過酷な状況ではありますが、頑張ってパソコンを開けてみました。やっぱり暑い…。東京などに比べれば、湿度はずいぶんと低いですが、でもこれだけの高温だと、やはりじわじわ来ます。でも、頑張ってみたいと思います!

さて、番外編で一休みしましたが、ダニに苦しみながらの三日目は、宿の人に教えてもらった薬局に行くため、予定を若干変更して、トゥールニュTournusから始めることとしました。宿泊地であるシャルドネからは、車でたったの12分の道のり。地図で見ても、そこまで近いイメージはなかったので、びっくりしました。

2018 france centre 189

トゥールニュTournusのサン・フィリベール修道院Abbaye Saint-Philibert。
(毎日夏は8/19時、冬は18時まで。教会建物の裏の方に、清潔な公衆トイレあり。町の周囲に駐車可)

この辺りでは、比較的大きな町ではありますが、わたしは、上の写真の手前の方の、路肩に駐車することができました。Impasse Jean Bourt やChamps de Mars辺りを目指して行くと、適当な駐車場所が見つかると思います。

実は、ここは博物館化しているのではないか、と勝手に思っていたのですが、今でもちゃんと現役の教会でした。

まずは、ナルテックスにアクセスします。

2018 france centre 190

いきなり出会う太い円柱に、うっとりです。こういうタイプは、近場のシャペイズとか、イタリアのバルドリーノの、素朴な教会を髣髴をさせますけれど、ここは、サイズ感が違って、迫力が半端ないです。
ナルテックスは、天上が低いのに、それでも迫力がありますが、本堂には、そのぶっとい円柱が、すごい高さで並んでいるんです。

2018 france centre 191

ああ、もう全然迫力が伝わらない写真で、恐縮です。

2018 france centre 192

こういう構造で勝負!っていうか、誰も何も勝負してないと思うんですが、ぱっと見で面白い彫り物とかフレスコとか、そういうのも好きなんですけれど、構造物で、どうだ!みたいな教会も、私は結構好きなんですよね。また、円柱というのは、私にとっては、おそらくつけ柱とも何かしら共通するツボがあるようで、かなり好きみたいです。

2018 france centre 193

現場は、もうちょっと薄暗い様子もあり、全体に荘厳静謐な雰囲気に満ち溢れていました。
見どころは沢山あるのですが、まずは、上にのぼり、さらに壮大な建築を堪能します。

日本でいうところの二階に、サン・ミシェル礼拝堂Chapelle Saint-Michelというスペースがあり、そこから、本堂を眺めることができるのです。

2018 france centre 194

天井部分は、漆喰ぬりぬりで、若干風情がなくなっていますけれど、でも、円柱の迫力に、そんなことはどうでもよくなる長めでした。
この礼拝堂にもまた、見どころがありますよ。
まずは、このようならせん階段で登るので、すでにワクワクします。

2018 france centre 195

狭いところ、高いところ、なんかそういうのって、ワクワクのポイントですよね。
この場所から、さらに上に階段が続いていて、おそらく、鐘楼の上の方にアクセスするものだと思います。ここは、ファサード側となるので、ファサードに建っている鐘楼ですね。ここは、勿論閉ざされていますが、何とも魅力的ですね。木の階段は、新しくなっているようですが、オリジナルも、きっとこのような階段があったのだろうと思います。

2018 france centre 196

本堂を見下ろすことのできる部分は、素敵な円柱の並んだ窓のような構造になっていますが、その小さな円柱は、本堂を支える円柱と違って、しっかりとオシャレな装飾がほどこされています。

2018 france centre 197

多くの人の目に触れるわけもない、このようなところの円柱の足元にまで、こんな繊細な彫り物を施すなんて、すごく粋ですよね。表は地味だけど、裏地に凝った江戸の人的な繊細な美意識を感じてしまいました、笑。本物の美意識的な何か。

この礼拝堂のどこかに、彫り物があったはず、とちょっとうろうろしてしまいました。この扉口のところ、修復なんでしょうか、囲われていたので、わかりにくかったんですよね。

2018 france centre 198

ここに、かなり浅めの浮彫が並んでいます。お見逃しなく。
この礼拝堂は11世紀のものらしいのですが、これらの浮彫に、その古さを感じます。

2018 france centre 199

技術的なことはわかりませんが、石への浮彫は、道具が非常に重要ですよね。やはり浮彫の彫りの深さというのは、好みもありますでしょうが、道具によるところも大ですよね、おそらく?ふと思いましたが。
そういう意味で、8世紀のロンゴバルドなどは、石に彫るのは難しいから、漆喰装飾をしたというのもあるのでしょうかね?逆に言えば、古い時代に、石に彫っている職人さんたちは、すごい技術力があったということになりますねぇ。

2018 france centre 200

いずれにしても、この教会は、装飾より、構造です。

2018 france centre 201

うっとりな石の存在感。光と影のコントラストの美しさ、石積みの繊細さ。感服です。

続きます。

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログ 建築鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

インスタグラムに、これまでのロマネスク写真を徐々にアップしています。
Instagram, Notaromanica
スポンサーサイト



  1. 2019/07/07(日) 23:51:30|
  2. ブルゴーニュ・ロマネスク
  3. | コメント:0
<<見えないお宝が作り出す何か(トゥールニュ 2) | ホーム | 雨が降って嬉しい、まさかのダニ被害(ホテル情報)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する