2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その19
これだけ狭い範囲に固まっていると、無視するのが難しい感じです。で、前回のビシー・ラ・マコネーから15分足らずのドライブで、また次の目的地にたどり着いてしまいます。

シセ・レ・マコンChissey-les-Maconのサン・ピエール教会Eglise Saint-Pierre。
全体に、山のリゾートといった趣の村で、夏休みを過ごしている風の家族連れが、うろうろしていたりしたのを、よく覚えています。確か、この教会のはす向かいに、シャンブルドットがあったような。
実は、そろそろトイレを求めていたのですが、残念ながらそれらしきものはなし。シャンブルドットも、日盛りですから、人の気配もないような感じで、頼めるような雰囲気もなく…。
外観は、几帳面な石積みの外は、装飾的な要素はほとんどなしです。鐘楼は、三階建てで、クリュニー様式とのこと。

デコボコもなくて、実にきっちりとした石積みですよねぇ。加工しやすいタイプの石なのでしょうが、それにしても、こういう職人さんの仕事って、素晴らしいですね。自分には決してできない仕事なので、ただ感心感嘆いたします。
自分でできないというのは、根がいい加減なものですから、角や端っこまで、計算通りにぴっちり、というのがダメなんです。だから、洋裁はダメで、編み物の方が好きだったり(合わない場合は、引っ張って無理やり合わせる、笑)。建築関係って、計算通りに合わないとダメなわけですから、すごいですよねぇ。
この時期は、コンピューターどころか計算機すらないんですから、本当にどうやって、こんな建物を建てることができたのか。塔が傾いちゃうんだって、その方が当たり前じゃん!と思ってしまいます。
さて、内部は、白いですが、ありがたいことに、漆喰ぬりぬりの白さではなくて、白い石色の白さです。

注目すべきは、いくつかの柱頭ですが、外部の石積み同様に、端正にきっちりと彫られた正確さが命!というようなタイプです。

こちらは、現地にあった説明を参照すると、ダヴィデとゴリアテのようです。

三面に、ダヴィデのエピソードが並んでいるようですが、ダヴィデに全面使うって、ちょっと珍しいような気もします。ゴリアテのエピソードなんて、他で見たことあったかしら?
一方、こちらはマリアのストーリーのようです。

左が受胎告知なのかな。そしてご生誕だと思います。狭いスペースに、無理やり押し込めましたね。
さらに回り込んだ面には、羊飼いへのお告げ。

構図、すっごく考えたんでしょうねぇ。で、全体の形は整って、細部は流している感じです、笑。

印象派的な石工さんだと思います。ポイントはしっかりと押さえて、でも、詳細よりも全体の構図やスタイル先行、みたいな。またまた、勝手なことを言ってますな、笑。
一転して、こんなのもありました。

グリーンマン状態になっている悪魔的な顔は、そのものずばり悪を表し、おどおど小さいフィギュアの人は、善を表しているのでは、という説明です。
この悪魔の顔、意地悪なオバサンとかおじさんの顔…。こういう人、いますよね。中世にもこういう顔の人がいたのかな。そして、悪魔としてあらわされるということは、やっぱり意地悪な嫌な人だったんかな。世界共通の意地悪顔、笑。
それにしても、すっきり端正な植物モチーフ、印象派的な流れるストーリーもの、そしてこういうシンボリックなもの、とかなり異なるモチーフが並んでいるのが、面白いですね。この辺りは、教会集積地だから、いろんな志向や景観を持った石工さん達が、うろうろしていたのかもしれないとか考えると、また面白くなってきます。
出際に、扉口を確認。

お花モチーフで縁取りされたタンパンには、うっすらとフレスコ画が残っていますが、いつの時代のものなんでしょうか。ここの柱頭は、端正系です。
そして、装飾性が、ちょっとだけありました。

軒持ち送りに、かわいいやつらが。
左側は上半身のちょっとだけ、飛び出ている風の小動物、構図がいいですよねぇ。右は、なんだろう?ガチョウの足の抽象化?
もう一人いた!

これ、めっちゃ可愛いです。オリジナリティ高い!
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- 2019/07/18(木) 05:36:12|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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