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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ほんの一年前のことなのに、ほとんど記憶飛んでいるマイナー三連発(リス、ブレ、ドンジー・ル・ペルテゥイ)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その20

家の中の気温が30度とか超えていると、かなりお年を召したパソコンの不機嫌具合が半端ないもんで、変なことになってもいや、という気持ちもありまして、長いお休みになってしまいました。幸い、暑さがひと段落して、秋に参加する手作り品関係のイベントの準備も完了し、やっと、落ち着いてパソコンを立ち上げることができたというところです。
毎度のことながら、更新もないのに、お運びいただいた皆様には、申し訳ないことです。見捨てられそうなスケジュール感ですよね。
といって、これからは頑張ります!とも言い難い今日この頃のさぼり癖…。

さてさて、ブルゴーニュの、かなりマイナーな教会巡り、続けますよ。
次に訪ねた教会については、ほぼほぼ記憶なし、という状況ですが、写真を見ていたら、どうやら、町はずれの墓地にあったあれではないか、とかすかな風景が…。

2018 france centre 270

リスLysのノートルダム教会Eglise Notre Dameです。
たたずまいからロケーションから、すべてが限りなく地味な教会ですので、見学もさらりと。

地味ながら、ちゃんと開いているのが驚きです。

2018 france centre 271

ここでも、天井がオリジナルに忠実な様子の、木と瓦のシンプル構造。印象的ですが、これで、雨漏りしないんですかね?
村の小さな教会のまま、特段大きな改築もされないまま、現代まで生き延びてきたということなのでしょうね。よくぞよくぞ、と思います。このこじんまり感が、実に村の教会ってイメージですよね。

奥まった後陣に、うっすらとフレスコ画が残っています。

2018 france centre 272

中央に、アーモンドの中のキリストで、周囲に四つ並んでいるのは、構図的には、やはり四福音書家、ということかな。剥落がひどくて、ほとんどわからないのは、残念なことです。

トップの写真で、気付かれるかもしれませんが、後陣に軒持ち送りがあります。

2018 france centre 273

地味な上に、スペースの真ん中に小さいフィギュアっていうのが、なんでしょう?遠慮深げな石工さんですよね?ミニマルを意識したのかしらん、笑。

2018 france centre 274

怪しい顔を作ろうとしたのに、変顔にしかならなかった悪魔くん、みたいな楽しいフィギュアなのに、小さすぎです。

次に移動します。
この辺り、実に小さい村が続きます。わざわざ行くべきだったのかどうかもわかりませんが、取りつかれたように回っていました。ここも本当に小さい村で、そして、小さな教会です。

2018 france centre 275

ブレBrayのサン・クアンタン教会Eglise Saint Quentin。
見た目の面白さは、ほぼありません。
でも、こんな素敵な緑の風景を見下ろす、ちょっとした高台に建っていて、気持ちの良いロケーションではあります。暑くて、それどころじゃなかったような記憶もありますが、笑。

2018 france centre 276

外はともかく、中はちょっと雰囲気があるんですよ。全体に、こぎれいにはなっているのですが、それでも古色蒼然とした古びが、味わい深いというか。

2018 france centre 277

内陣がくっきりと分割されているんですが、この構造は、後付けのものかもしれません。
実は、こんな田舎の何もなさそうな村だというのに、そして、この教会が観光地であるはずもないのに、お父さんと娘二人という、観光客っぽくもないけど、地元の人とも思えない訪問客がいて、椅子に腰かけて、静かに祈っている様子だったのです。

独り占めであれば、迷わず、鉄柵を通り抜けて、内陣部分にずかずかと踏み込んだことでしょうが、どうも、祈っている人がいる中で、そういう行為はしづらく…。別に入ってはいけないということはないのでしょうか、自分が信者ではないせいか、信者の方には、逆に気を使ってしまうところがあるんですよ。

仕方ないので、目的だった、内陣入り口、要は勝利のアーチの付け根部分にあるという柱頭を、かなり離れた場所から、望遠で撮影しました。

2018 france centre 278

植物モチーフの、とても素朴な柱頭です。柱も、傷んでいるのか、他からの使い回しっぽいので、もともと傷んでいたのか、そういう状態です。

2018 france centre 279

よくぞこのようなところまで、丹念に回ったものよ、と我ながら感心しつつ、次へ。

2018 france centre 280

ドンジー・ル・ペルテゥイDonzy-le-Pertuisのサン・ジュリアン教会Eglise Saint Julien。
たたずまいが、こう見るとすっきりと美しいですが、11世紀創建当時の姿をとどめているのは、一つ後陣と、でっかい塔の一部だけかな。

気になるのは、鐘楼に上るための階段ですね。明らかに後付けだけど、こういう構造を見ると、どうしても登りたくなってしまいます。高いところに登りたくなるっていうのは、やはり、バカなんでしょうねぇ。

鍵は、村で誰かが管理しているという情報は持っていたのですが、同時に、中はどうでもいいかも、と自分で記していたので、慌てず騒がず、外観だけを楽しむこととしました。

2018 france centre 281

この素朴なロンバルディアスタイルは、大好物のやつ。それも、11世紀という時代をひしひしと醸し出す、アーチのゆがみ。

後ろ側から見て、右側の方、つまり、後陣が東向きだとすると北側に、頑丈に守られた聖人が。

2018 france centre 282

私の好みとして、つい、アーチ部分の面白い構造に目が行ってしまうんですが、この像の守り方、相当激しいですよね。守っているんだか、像を隔離しているんだか、という状態で、おそらくサン・ジュリアンさんでは、と想像するのですが、ちょっと狭いんだよ、ここ、と嘆いていらっしゃるのでは?とも思います。

2018 france centre 283

場所も高くて、あまりよく見えませんし、もうちょっと何とか居心地よい感じにしてあげられなかったですかね?

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  1. 2019/07/31(水) 05:53:03|
  2. ブルゴーニュ・ロマネスク
  3. | コメント:0
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