2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その21
秋のイベント準備が終わったら、なんかちょっとした燃え尽き症候群みたいな感じで、このところ毎日読書にいそしんでおりました。思えば、ずいぶん長い間、家で読書に没頭、という余裕がなかったのですね。読書という自分の生活にとっては至極当たり前のことが妙に新鮮に感じられました。
さて、ブルゴーニュの教会巡りです。
まずは、またまたちっこいところから。

シャゼルChazelleのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dame。
墓地にある教会です。
鐘楼が美しいため、パッと見はバランスの良いたたずまいと思いますが、やはり改築増築が多くて、時代もごったまぜ、全体はわけのわからない状態ですね。色々な時代に押しつぶされそうになりながら、何とか肝となる後陣が、絵本の「小さなお家」のように残った、という状態です。

この、結構時代をさかのぼりそうな後陣の地味な装飾ぶりは、心惹かれます。鐘楼のブラインドアーチの様子からも、11世紀後半から12世紀くらいという様子ですよね。
全体がその時代のまま残されていたら、さぞや好みのたたずまいであっただろうと想像します。

この、ギザギザ並べの装飾。そして、石の屋根瓦。ラブ♡、笑。
内部はすっごく地味で、ほぼ何もないので、万が一クローズだったとしても、心配することはありません。

内部で、一番好きだったのは、床面、という地味も極まれり、笑。修復もされているでしょうし、床面については、まったく新旧がわかりませんが、同じ修復するなら、こういうオリジナルに近い、つまり地元産の石を使うなどのやり方が最高です。砂岩のようなもろもろした様子の石が古びて、大変良い感じでした。
記憶のよすがとしての一枚。

結構普通の住宅地に墓地があるのですね。他人様の家の軒先に駐車したのは自分なのか、この家の車なのか、それすらすでに記憶なし、涙。
この辺りは大クリュニーの勢力圏で、この教会もクリュニー派という看板が出ておりました。実際、クリュニーはほんのすぐそこですが、あそこは、往時の教会の面白さはほとんどないため、今回はパス。その代わり、前回7年前のブルゴーニュ修行で、駆け足で訪ねた教会を再訪です。

シャペイズChapaizeのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。
このたたずまいは、当時と同じで、周辺の土地の道や雑草ぼうぼう的な眺めも記憶通りなのですが、町全体が整備されている感がありました。やはり7年という歳月は長いのです。
しかし、この教会はよいですねぇ。再訪して、改めて好きさを確認しました、というのも変な言い方ですが。

内陣側からファサードを見る一枚ですが、この柱の存在感!初めて遭遇したときは、ぶったまげましたが、やはりぶったまげレベルですよ、これは。
同じようなスタイルということで、トゥールニュにも行きたかったのですが、その時の旅では位置的に無理だったので断念したんです。今回、念願のトゥールニュも訪問した後だけに、感慨深かったです。

こんな無装飾で、石フューチャーのスタイルは、フランスでは他にあまりないだけに、大変興味深いものです。潔くて、清潔感にあふれ、なんというのか、シトー的な?シトー派が好きなわけではないんですが、でもこれは文句なしに好きです。
これまた装飾最小限のファサード。

上の方にあるブラインドアーチの不ぞろいさが、ぐっと来ます。古いですよね。
そして、扉の鋲うち装飾、これもぐっとくるアイテムです。

これはフランスならではのアイテム。この扉は再生品のようで、内部にオリジナルなのか、と思われる扉がありました。

長年の仕様で、木がダメになっちゃったんでしょうね。鉄部分は外されているので、台になる扉だけ再生で、装飾的な部分は、オリジナルを使っているんですね?すごいなぁ。
後陣側も美しいです。

小さな墓地があります。
かつては、この教会があるだけで、集落とはいっても、近所には数軒ある程度の村ともいえないような状態だったのだと思います。今でも、幹線からちょっと引っ込んだ道沿いにある村です。食べ物屋さんなどが増えて、田舎のちょっとした観光地風にはなっているとはいえ、ただの田舎に近いです。

それにしては、ずいぶんと立派な教会を作ったものです。やはりクリュニーの影響が大きいのでしょうかね。
次へ進みます。

地図が単純すぎるだろう!と思われる向きもいらっしゃるかもですが、この辺りは、正直こんな感じで、道も限られるので、ナビがなくとも行けてしまうくらい簡単です、笑。
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- 2019/08/04(日) 18:29:34|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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