ヴェネチア・ビエンナーレ2019 2
なんか、例によってのろのろアップですみません。
サンタ・ルチア駅から会場目指して歩き出して、いきなりサテライト展示にどっぷりした後、また別のサテライト展示に迷い込みました。
ミキエル宮Palazzo Michielで、ここは、大運河沿いにあり、駅からの道沿いにはたいした様子じゃないのですが、運河側の眺めがあったり、そして、地上には素敵な井戸があったりして、雰囲気のある宮殿なんです。

割といつも会場として使われており、何度か入ったことがあるのですが(多分、過去のビエンナーレ記事で、写真をアップしていると思います)、これまではフリーでアクセスできた井戸のあるスペースが、アクセス禁止となっていました。
入り口は、透明のガラス扉で、鎖カギで閉ざされていたのですが、鎖がゆるゆるでした。「侵入禁止」と書いてあるし、カギがかけられているのですよ。それなのに、見学の帰り、若者が二人、緩んでいる鎖をさらに緩めるようにして、中に入って写真を撮っていました。インスタ映え的な写真をもくろんでいる様子が明らかで、なんだか悲しい眺めでした。侵入するなら、せめて誰もいないときにやれよ、と思いますが、そういう違法行為を隠そうともしない、つまり悪いことをしている認識すらない、というのが、現代の若者の情けない現実というんですかね。
ま、それはともかく。
ここは、どこかのパヴィリオンがあるというわけでもなく。

何がどうということもなく、アートがさりげなく展示されています。

これ、好きでした。メタルと強化ガラスかな。都市のスカイラインと文字がごちゃごちゃ並んでいるだけなんですが、メタルのこういうタイプの作品って、好きみたいなんですよ。でも、アートというより、ドリアデとか、ちょっとイケテル家具屋がインテリアオブジェとして作りそうな。つまり、ビエンナーレよりは、フオリサローネにありそうな作品だと感じました。

樹脂みたいな素材で作られた、バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井。
バカみたいだけど、そして、全然意味不明だけど、妙に面白い。

そういう意味不明作品が、ずらずらあって、フーン、と眺めていく。そういうのが面白いっていうのも、現代美術に興味がない人にとっては、まさに意味不明かも、笑。

パンチングボール、笑。革で作られたオブジェですが、すっごく柔らかくて気持ちの良い肌触りなんですよ。すっごく昔に、ロエベだったかの子牛の革で作られたポーチかなんかを触った時の衝撃がよみがえりました、触感というのも、意外と皮膚が覚えているもんなんですね。しっとりと吸い付くような皮です。子牛の、と思うと、可哀そうな気持ちにもなりますが、勿論これが、子牛革だったかどうかはわかりません。
これまた、なんだかインテリアっぽい作品。
この会場に展示されていた作品は、総じてインテリアっぽかったかも。
これ、食いついちゃいました。

Sarco by Alexander Bannink & Dr Philip Nitschke (NLD/AUS)
ヒトを冬眠させるやつかと思っちゃったんですよね。SFとか漫画によく出てくるじゃないですか。宇宙旅行中、ずっと眠って長い長い旅をするとか、治療法が解決される未来まで、難病の人を冬眠させるとか、そういうやつ。あ~、大好きな「夏への扉」!久しぶりに読みたくなります!
おっと。
しかし、これは、逆目的でした…。
なんと、安楽死用の棺。
ビデオも流していたのですが、まずは、3Dプリンターで作成されたことが画期的であると。そして、終末の人を入れて、どこでも運んでいけます、ということも画期的だと。
人が入ると、低酸素状態を作り出して、限りなく自然に近い安楽死をもたらすとかなんとか。素晴らしい自然の中や、本人が望む場所での死が可能とか。
なんだか、それってどうなの?というブツで、これまたアートというよりは、ある意味生活感のある家具に違いような気がしました。まぁ、ポイントはそこじゃないけどさ、笑。
そんなわけで、ここの展示はさらりと流して、そろそろ会場に急いで向かわないと、とアルセナーレを目指します。が、途中で、そうだそうだ、今年金獅子賞を取った国のパヴィリオンは、別の場所にあるんだった、と思い出して、アルセナーレに行く前に立ち寄ることにしました。

しかし、迷った迷った。リアルト橋の近くから、真東に進んで、アルセナーレに、違う角度からアクセスする道の途中に、その会場があるのがわかったのですが、そして、スマホの地図も見られたのですが、やはりベネチアは、方向音痴には鬼門。スマホは画面が小さいし、自分の位置と向かうべき方向がよくわからないし、かといって紙の地図だと、そもそもどっちに進むべきかもわからず、何人もに尋ねながら、小路を縫うようにして、やっと上の看板にたどり着いたんです。
目指すはリトアニアのパヴィリオンの、Sun&Seaという展示でした。翌日でもよかったのですが、パフォーマンスが、水曜から土曜しかないということで、この日に行くしかなかったんです。
しかし、この看板のすぐ先に、なんと行列のしっぽがあり、行列は、関係ない建物を回り込んで、100メートル以上!
なぜか写真を撮っていないんですが、すごかったです。入り口にいる係員に尋ねると、少なくとも2時間、下手すると3時間待ちと。一瞬迷いましたが、いくら何でもそれはばかばかしいので、あっさりと諦めました。
展示は、大きなオープンスペースに人口の砂浜が作られていて、人々が三々五々リゾートを楽しんでいる光景が展開され、音楽だったりのパフォーマンスが入るというものらしいです。おそらく、見学者の人数が決まっている上に、一回に入れる人数がさほど多くないらしく、特にパフォーンマンスが始まると、まったく動かなくなるようでした。
ジャルディーニとアルセナーレの会場に入るには入場料が必要ですが、会場外のこういった展示は、入場無料。お金を払ってまで見る気はないけど、というやじ馬が、金獅子賞も取った展示、ということで、集まってきたんでしょう。
無料というのは、大変良いことですが、でも、こういう事態になると、ちょっと納得できない気もします。
いつもと違うアクセスをしたおかげで、アルセナーレの違う部分を見ることができました。

この高い壁を見る位置にあるバールで、お昼をいただいたのですが、女子だけで切り盛りしているバールで、大変気持ちよいサービスに、お値段もナイスで、よかったです。ベネチアは、隠れた場所に、地元的なお店、ちゃんとあるんですよね。巡り合うのは難しいのですが。

立派な建物です。これでもか、のライオンの数でした。

かわいらしい木製の橋。奥の方が、そのバールです。お勧めです。
やっとアルセナーレ会場に到着。次回、一気に行きます。
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- 2019/09/29(日) 00:51:53|
- ヴェネチア・ビエンナーレ
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