実は結構落語好きです。といっても、たまたまもらった落語のテープにはまった口なので、名人の噺をテープで聞く専門。いまだに古いカセットテープに入った古典を、日々ちくちく手芸などしながら聴くのが好きなパターン。噺は、志ん生さん、志ん朝さん、円生さんなど、合わせて100話くらいあるでしょうか。まだまだ聞いたことのない話もたくさんあります。
で、今回、ミラノで落語会があるというので、大喜びで行ってまいりました。イタリア語でもやります、ということだったので、正直ちょっと危惧もあったのですが。
三遊亭竜楽さん独演会、ということだったのですが、前座に若手の三遊亭楽生さん(楽太郎さんの一番弟子ということでした)も出てきました。
楽生さん:寿限無
竜楽さん:長短(イタリア語)、親子酒
合間に、イタリア人向けに、道具の使い方とか、高座の作法とか、日本の文化をちょいと紹介するようなお話も入って、2時間強の会でした。
なるほど、やはり落語はナマに限るって言うことがよく分かりました。しぐさ、表情、口跡、すべて録音の音源だけでは分からないことだらけ。落語がいかにすごい舞台芸術か、ということが、実感されました。竜楽さんなど、あまりの表情の豊かさに、本当はどういう顔をしているのか、よく分からないのです。そんなのはわたしだけかな。
それに切れ味のいい日本語は気持ちがよいですねぇ。佇まいと凛として。そしてなんといってもおかしい。やっぱりすごいですね、噺家というのは。今日の会場はとても狭いところで、お客さんとの距離は、1メートルもなくて、だからもう手に取るように反応が分かるわけですが、堂々と切れ味よくて。とにかく笑えました。
有名な寿限無も、噺を聞くのは初めてでしたので、素直に楽しめました。また、イタリア語でやるってどうよ、と思っていましたが、噺を選んで、うまく訳してあれば、かなり雰囲気も通じるように思えました。って言うか、イタリア語で十分笑えました。たいしたものですね~。
一時帰国で帰ったときにでも、一度寄席に行ってみたいものです。
次回は、新春歌舞伎も行こうかと思っていたりして、なんだかオペラにはまっていた昔が嘘のように、日本の伝統芸能好きになっています。ああ、よく笑った。笑う角には福来る。と楽しみにしてましょうか。
スポンサーサイト
- 2009/10/26(月) 06:18:12|
- ミラノ徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:10
私もちょっと気になっていたんですよ、この落語。
でも、あいにく急な仕事が入って、行けませんでした。
そんなにおもしろかったんなら・・・う~ん、残念!
水曜から一時帰国するので、寄席に行ってみるのもいいですね。
- 2009/10/26(月) 00:40:00 |
- URL |
- さくらこ #79D/WHSg
- [ 編集 ]
いかれましたか!
竜楽師匠の(どの落語さんでも)イタリア語での落語、
日本ではまず聞けないですね
とても貴重な体験だと思います
やはり落語は、なまがいいでしょう(笑)
歌舞伎も是非行ってみてください!
>新春歌舞伎も行こうかと思っていたりして
ミラノ公演ですか?
落語ほどではないですが、歌舞伎にもはまっております(笑)
衣装の豪華さや
セット、小道具、大道具の伝統的な(?)斬新さ
そして、ストーリーの美しさなど
上手くは言えませんが
歌舞伎はいいですよ~
もし、帰国の時期をお知らせくだされば
その時期のおすすめの寄席の番組を
お知らせいたします
- 2009/10/26(月) 16:00:00 |
- URL |
- こう生 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
さくらこさん
そっか~、水曜から一時帰国なんですね。ご連絡しようと思いながら、仕事も私生活も妙に忙しい上に風邪など引いて、ずるずると。
戻られたら、また遊んでくださいね。
では、楽しい休暇を!
- 2009/10/26(月) 21:32:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
こう生さん
そうなんですよ、予想外に楽しくて。でも実は、前座さんの元気のよさの方が、竜楽さんの渋さよりよかったかも。とは言え、あのイタリア語は、ある意味絶品だったかも。下手さが逆に新鮮っていうか。この変なギャップ感覚は、確かになかなか味わえないですね。イタリア語を聞きつつ、日本語だったらこうだろうなって予想がつく、みたいな。
歌舞伎は、あまり見たことはないんですが、好きなんですよ。1月早々に2週間東京なので、もしチケットが取れれば、行ってみたいと思っているんです、今のところ。淀五郎(円生さんと志ん生さん持っていますが、この噺は完全に円生さん好みですね)、好きなんです。だから忠臣蔵、一度見たいのです。
ところで、1月最初の2週間、よい寄席の番組はあるでしょうか。
- 2009/10/26(月) 21:39:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
歌舞伎の噺では「淀五郎に」も登場する、「中村仲蔵」もありますよ
円生師匠の「淀五郎」いいですよね
円生師匠の芝居噺は実に素晴らしいです
1月の上席(1~10日)は新春顔見世興行といって
大勢の落語家さんが少しづつ高座に上がるので、華やかでは
ありますが、じっくり落語を聴くとい雰囲気ではないかもしれません。人気者が大勢出ますので、混雑は必至です。
ですので、時間の余裕があれば中席(10~20日)の方が
お薦めです。まだ顔見世興行なのですが、上席ほど
目まぐるしく出演者は変わりませんので....
番組はまだ決まっていませんので、分かり次第お知らせしますね
歌舞伎座も12月の演目が先日発表されたばかりで
1月の歌舞伎座公演Nの演目はまだ先です....
- 2009/10/27(火) 16:30:00 |
- URL |
- こう生 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
こう生さん
歌舞伎、通っていらっしゃるようですね。わたしも日本にいたとしたら、きっと一度ははまったと思います。あの派手さ、華やかさ、面白さは、すごいもんがありますよね。
1月の寄席はちょいと難しそうですね。でも是非、情報が分かったら教えてくださいませ。よろしくお願いします。
- 2009/10/27(火) 22:25:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
corsaさんのブログでは、はじめまして…ですね。
こう生さんのところからきましたミルです。
あらためましてどうぞよろしく…
また記事を見せていただきたいので、
「お気に入り」登録させていただいていいですか?
イタリア語落語…わからなくても聞いてみたいです。
英語落語、手話落語はけっこう聴いたり見たりしていますが…
竜楽さん、切れ味いいでしょ?
佇まいが凛としてるでしょ?
面白いでしょ?
表情豊かでしょ?
わがことのようにうれしゅうございます。
私のブログに竜楽さんの記事を読みに来られる東京のファンがいるのですが、こちらをお教えしていいでしょうか?
- 2009/10/28(水) 13:15:00 |
- URL |
- ミル #79D/WHSg
- [ 編集 ]
ミルさん
わざわざのお越し、ありがとうございます。こう生さんのとこで、いきなり知り合い状態の書き込みでスミマセンでした。
竜楽さんの記事は、きっと来年またお越しいただくまで続きはないかと思うのですが、勿論、教えてくださって結構でございます。
ミルさんは、落語をやってらっしゃるのですよね。わたしはテープで聞く専門なんですが、頭の体操のために、噺を覚えてみようかなぁ、とときどき思ったりします。でも記憶力ないんで、全然だめなんですけどね。
イタリア語は、落語に合うような気がします。母音がはっきりしていて、そもそも発音的に日本人には楽な言葉ですし、切れ味がよいので。
ミルさんのブログは、落語的にすごく高度なので、思わずたじたじしてしまうのですが、とても勉強になりますので、今後もチョコチョコお邪魔させていただきますね。よろしくお願いします。
- 2009/10/28(水) 21:52:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
こんにちは!ミルさんにご紹介いただきました「東京の竜楽ファン」でございます。
出発前の独演会では、「長短」の最後の所だけ、イタリア語バージョンを聞かせてもらいました。
貴重な情報をありがとうございました。
「本当はどういう顔をしているのかわからない」っていうご感想、
わたしも、よーくわかりますよ!
- 2009/10/29(木) 09:52:00 |
- URL |
- 小虎燕 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
小虎燕さん
訪問ありがとうございます。イタリア語バージョン、聞かれているのですね。わたし的には、冒頭のChi e?!で、完全につかまれましたね。たいしたもんですよね~。
わたしはいまどきの落語はほとんど知らないんですが、竜楽さんの間って、かなり古典的に長いんじゃないでしょうか。本格派って感じなのかな。
- 2009/10/29(木) 22:09:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]