2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その35
次は、ちょっと山っぽいから避けようかなぁ、と思いながら、ついつい行ってしまった町です。結構な山でしたが、美しい景色に、頑張った甲斐を感じます。

確か、村の入り口に駐車場があったので、迷いなく駐車して、村の奥の方にある教会は徒歩でアクセスしました。ちょっとした山のリゾートみたいな村なのかどうか、村への訪問は結構多くて、びっくりしました。

モンサンヴァンサンMont Saint-Vincentのサン・ヴァンサン教会Eglise Saint-Vincent。
駐車場から歩いてきて、最初にアクセスする教会の様子は、がっかり感が先に立ちますが、ロケーションは、大変良いですよ。ここも、墓地教会で、後陣側に墓地スペースがあります。そして、そこが、美しい谷の風景を堪能できるビュー・ポイントになっていますから、ここで眠るのは気持ちの良いものだろうなぁ、というタイプの墓地です。

建物は、かなり後代の手が入ってしまっていて、ロマネスクの魅力は半減してしまってると感じますが、ここは、ディテールを楽しみたいところです(地味なのでアップはしませんが、ちょっと愛らしい軒持ち送りもあります)。

まずは、扉廻りです。

石に行くかと思われたでしょ?まずは、この重厚な歴史を感じさせる扉です。どっしりした木に、補強と装飾を兼ねた鉄装飾は、まさにフランス。ごてごてと所せましの鉄細工も結構好きなのですが、ここのようなシンプルな鉄装飾もなかなか味わい深いです。
そして、石、です。

全体にすすけ感が、よい味を出しています。本来はそういうもののないピカピカな様子だったのでしょうが、現代のロマネスク好きは、どうしてもわびさび的なすすけ感を好みますよね。
石色がついているのは、多くは苔のようでした。建物にもよくないものだと思うのですが、なかなか掃除もしきれないのだと思われます。
タンパンの浮彫が、ちょっと面白いです。
アーモンドの中のキリストと、両脇は、例によってでパオロさんとピエトロさんですかね。石が白くて、輪郭もわかりにくい状態なんですけど、この中央のキリストがね、なんかブッダっぽいと感じました。

わかります?
頭がツルツルっぽいですよね。そして、お顔もやけにふっくらして、顔部分だけ見たら、お地蔵さまにも近い様子。
耳たぶが西洋人だけど、笑。
扉口には、左右に柱頭と、扉手前の彫刻があるのですが、左はほぼ溶けちゃっている状態、右は、とても保存状態の良い状態。モチーフは同じっぽいんです。

これは、右側のアトラス君。

これが、左側。相当ひどいですよね。手前の柱頭の角っこライオンペアも、右側のは、ほぼ完ぺきで、あまりに違うので、右は再建なのか疑惑がありますが、どうなんでしょうね。
あまりなんでもかんでもアップすると、時間ばかりかかってしまうので、心を入れ替えて、簡潔に、肝だけ厳選して記事する、とつい先ほど決めたばかりなのに、写真を見ていると面白くて、色々書きたくなってしまいます。ダメですねぇ。
さて、入場します。

中も、すすけ感と苔で、石の質感が前面に出ていて、好みのタイプ。ただ、後陣は、完全にぬられちゃっていて、おなじみのフランス・テイスト満載のようです。
ちなみに、このとき、おそらく結婚式待ちだったようで、祭壇前に、その準備がされていました。お花待ちとかそういう時だったのかな。かち合わなくてよかった~!
柱頭は、動物や植物モチーフなんですが、なかなか楽しいものがたくさんあります。

グリーン・アニマル系、目立ちましたかね。

これは、やはり猫ですよね。猫っポイ彫りって、常にライオンだと思っていましたけれど、最近、どうやら猫はありらしい、ということを知りました。というか、今年訪ねたベリー地方のいくつかの教会では、説明に「猫」と合ったんですよ。猫はありえないと思い込んでいたけれど、どうやらありなんだとすると、これはどう見ても猫。なんだか嬉しい。

シンプルな植物も、かなり好みでした。
村のたたずまいは、とってもチャーミングで、駐車場と教会の短距離の往復にすぎなくとも、と言っても、それが村の全貌でもあるわけですが、歩けて満足でした。
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- 2019/10/25(金) 23:37:04|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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