2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その38
次に訪ねた教会も、目指したというよりも、通っちゃったから、という感が強いロケーションでした。道脇に建っていて、駐車場所もあって、そしたら、停まらずに過ぎ去るのは、ちょっと難しいです。二度目であれば、泣く泣く通り過ぎる、ということはありますけれど、でも好きな場所であれば、二度目でも三度目でも立ち寄りたくなりますよね。
道からかなり持ち上がった場所で、石垣に一部遮られますけれど、かなりの部分が見えます。そして、道の反対側は、駐車場になっています。

ヴォー・アン・プレVaux-en-Preのノートル・ダム・エ・サン・ロシュ教会Eglise Paroissiale Notre-Dame-et-Saint Rochです。
石垣があって門扉があって、いかにも開いてなさそうなんですが、しっかり開いていました。

第一関門の門扉を無事通過して、教会にアクセスしますけれど、このたたずまい。いかにも閉まってます、という顔つきですよね。

でも、ちゃんと開いていました。
ファサードのロンバルディア・ブラインド・アーチの様子、いかにも古びているアンバランス感、大好物です。もう嬉しくなっちゃってます。ファサード前の後付けナルテックス、すっごく邪魔ですよね。実際は、こういう構造物って、雨降りのときなどに、威力を発揮して、大変便利でありがたい構造物ですが、でも、やはり美学的には間違っていますね。
「便利さより美しいものを追求」って、なんだかイタリアのデザイン的です、笑。イタリア人て、結局美の本質を分かっている人たちなのかも。でも、インダストリアルデザインは、やはり便利さを第一に追求してほしいと思うけど…。
内部、大変古い様子が好ましいです。

ヴォルト天井もよいですが、古い時代と髣髴とさせる木組みの天井は、なんだかほっとするものがあります。
後陣を中心にして、フレスコ画が残っています。比較的最近に全面的に修復されたような説明版がありました。

でも、時代は、ロマネスクまでは遡らず、13世紀後半以降、説明版では15世紀とありましたので、そのあたりのものなのかな、という感じでした。
一部は、漆喰を載せるためのひっかき傷で覆われていたので、他の漆喰ぬりに隠されていたものでしょうね。

どうもこの漆喰のひっかき傷は痛々しくて、見てるとじわじわ、本当に痛くなってくる気がしてしまいます。

受胎告知みたいですね、これ。色あせていて、絵のテイストもよくわからないために、かえって好ましいものになっているような気もします、笑。
いずれにしても、描かれた当時は、かなり派手できらびやかなものだったと想像します。こんな小さな田舎の教会にしては、すごいものですね。この時代に、職人を動員できる金持ちがいたということでしょう。
でも、ちょっと落書き的な幻獣を見ると、画力はどうだったのか?と疑惑も、笑。

これなんか、やばいです。ただの落書きだったらいいけど、本チャンの絵だったら、どうよ?

ちょっと遊びで描いちゃって、やばいやばいって漆喰で覆ったのが、何世紀もたってから出てきちゃった、とかそういうんだったら、それはそれで面白いですけどね~。
というわけで、どこでも何かしら面白いものがあるもんです。

この写真でも、現場では全く気付きませんでしたが、鐘楼のてっぺんにキラキラの風見鶏があって、ちょっとびっくりしました。十字架じゃなくて、風見鶏。珍しいですよね。
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- 2019/10/27(日) 00:49:22|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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