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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

水の上を歩ける体験、ベネチア館(ジャルディーニ 4)

ヴェネチア・ビエンナーレ2019 12

さっさとまとめてしまえ、と思っていたのに、なんと1か月も開いてしまっていました。まだ当分先だと思っていた会期終了も、すぐそこ…。その上、ベネチアは、異常なアクアアルタ(高潮による洪水被害)でひどいことになっていて、ビエンナーレも、かなり尻つぼみという状態だと思います。
日本だと、イベントでも何でも、千秋楽が盛り上がるようなトレンドがありますが、イタリアでは、常に初日が重要です。最初にバーンと打ち上げで、あとは知らないうちに終わる、みたいな、そういうところあります。ビエンナーレも会期が長い分、やはり最初の方に関連イベントも集中するし、VIPの訪問も多いし、ということで、もともと最後の方はひっそり、だと思いますが、今年は、天候不順で、本当にひっそりだろうと想像しています。
でも、記憶をとどめおくために、やはり最後まで記事にしていきますね。よろしくおつきありください。

デンマーク館。

2019 biennale 165

普段はクローズしている庭の方に、なんだか水が満タンになっている袋が下がっていて、実際に水がちろちろと流れています。雨の日だっただけに、満タンの様子が生々しくて、本来もそうなのかどうか不明な感じで。
これ、見た時、フーン、地味だけど、ちょっと面白いじゃん、と思ったのは覚えているんですが、何に対して、面白いと思ったのか、記憶なし、笑。だから、すぐ書かないとダメなんですよねぇ。かなり情けない気持ちでいます。

ベルギー館。

2019 biennale 166

これは、なんだか不気味で面白かったです。何か賞を取ったんだったと思います。Mondo Caneというタイトルで、特別賞を取っているようです。
変に無表情で不気味な等身大の人形が、伝統的な仕事をしている様子が、いくつかのシーンで表現されているんですが、からくり人形になっていて、動いています。静寂の中で、揺り椅子が揺れていたり、肉屋さんが肉を切っていたり、オバサンが編み物をしていたり、そういうこと。

2019 biennale 167

説明では、我々の過去へのこだわりや変化への恐れを表すもんだということですが、さてね。見た目は、インパクトあって、引き込まれるところがあるんですが、テーマは意外と陳腐な感じですね。っていうか、そういう風に簡単に説明されたくないっていうかなぁ。

オランダ館。

2019 biennale 168

色々釣り下がっていたりするんだけど、すっきり感とは別のもの。

2019 biennale 169

釘が刺さって、ささくれていたりして、こういうところがきっとポイントで、何か言いたいんだろうけど、全然わかりません!

ここは、なんだろう。Web Pavillionとあったのですが…。

2019 biennale 170

で、中にあったのは、蜘蛛の巣でした!

2019 biennale 171

これ、ミラノのフオリサローネで、確かヴィトンの展示であったのと同じだけど、同じ人かなぁ。今回、フオリサローネの面白さをずいぶん感じました。結局フオリサローネは商業がベースにあるから、自分のブランドの説明やイメージを売るために、人を引き付ける作品作りをしているわけで、結局わかりやすいということになるんだと思います。ビエンナーレは、ある意味純粋アートだから、勿論そこまでコンセプトが万人受けする必要はないのですが、それにしても、難解というよりは、面白さがないというのは、どうなんだろうと思うことしきり。面白さって、勿論Interestingの意味での面白さで、あ、これは何だろう、と好奇心を喚起したり、考えさせられたり、それが、アーティストの意図とは違うものであっても、何らか込められていれば、やはり感じさせられるものがあるように思うんです。が、それが、少ない。

フィンランド館。

2019 biennale 172

スカスカした展示に、ビデオモニター。歩くのに疲れた人が座っている様子、笑。
こういう状態のビデオは、つまらないに決まっています。
実際、30秒くらい見ましたが、つまらなかったです。30秒じゃ見た内に入らないかもしれませんが、それでも、他で見たビデオのように、一目見て、思わずじっくり鑑賞してしまうものもあるわけで…。

2019 biennale 173

ジャルディーニは、小さな運河で、二つに分断されていますが、その運河の向こう側へ行きます。

オーストリア館。

2019 biennale 174

セルビア館。といっても、パヴィリオンの名札は、いまだにユーゴスラビア館のまま。

2019 biennale 175

そういえば、チェコスロバキアもそのままです。名前も、建物と一体化して記されているので、物理的に変えにくい、というのはあるのでしょうけれど、そのあたりは、現代アートの会場としての主張とも思えますね。まぁ、もともと国別のパヴィリオンという考えが、ちょっと違和感あるともいえるのですが、そういう時代から綿々とやってきて、でも、今はもう政治とは一線を画す、みたいな?

エジプト館。

2019 biennale 176

スフィンクスの顔がモニター。これは、結構ありそうなイメージっていうか、作りこみが面白かったです。茶室に入るような狭い入り口を入ったりするピラミッド感もよかったです。

2019 biennale 177

ベネチア館。

2019 biennale 178

雨が結構激しくなってきて、人も少ないのに、ここは珍しく行列が出来ています。ということは体験型なのかなぁ、と思い、辛かったけど、並んでみました。結局、前の人があきらめたりしたので、一回分待つだけで、入れました。それでも20分くらいは待ったですかねぇ。

入ったら、変なトンネルがあって、靴を脱いで入るということでした。

2019 biennale 179

これは、俺の足!
面白かったですよ、これ。要は、ビニールのトンネルが、水槽に浮いている、という様子の構造物なんですけどね。水の上を歩くかのような感触、いや、それは変ですけれど、うにょうにょしていて、すごく面白い感触なんです。

2019 biennale 180

多分、ゲル状の液体だと思うんです。
割と沈み込んで、おっとっと、という感じになります。包まれるような、それでいて水だなっていうのもあって、うわーうわーとつぶやきながら、歩きました。やはり体験型は面白いです。
最後にビデオのスペースもあって、他の作品もあって。

2019 biennale 181

ベネチアは売るものがたくさんあるから、イメージも作りやすいですね。ここは、ベネチアのプロモーションのスペースだから、やはり面白くないとっていうことかな。

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  1. 2019/11/17(日) 02:37:34|
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