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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

長い歴史を背負っていても(ジャルディーニ 5)


ヴェネチア・ビエンナーレ2019 13

ジャルディーニ、運河の向こう側、会場としては、入り口から最も遠い地域の続きです。

ポーランド館。

2019 biennale 182

見たまんま飛行機です。墜落した飛行機?なんかやだなぁ、と思ったんですが、このRoman Stanczakというアーティストは、普段当たり前のように使用しているものの裏表をひっくり返す、という手法で、色々ひっくり返しているらしいです。
で、今回は、プライベートジェットをひっくり返してみました、ということらしい。ちょっとわかりやすい人だよね。
プライベートジェットが、富裕層のものである点も、テーマになってるらしい。そういうポリティカルな話は、あまり持ち込まないでほしいと思ってしまうけれど、所詮アートは金なしにはあり得ないのも確かなので、現代アートがそうなってしまうのも、どうしようもないことなんだろうな。

ここのパヴィリオンは、横長の建物なんですが、ポーランド館と次のパヴィリオンの入り口の間の壁に、こんなものが。

2019 biennale 183

わかりにくいと思いますが、花瓶に生けられているのは真紅の薔薇です。キャプションに、祈りを込めて花びらを壁の穴にさしてください、と書いてあります。きっと、花びらが途切れないように、適度に花を足して、そして、訪れた人も、律義に作業しちゃっている結果なんでしょうね。祈っているのかどうかはわからないけれど、結構花びら、刺さっていました。雨でなければ、私も参加してたけど。
白い壁に人工物じゃない赤いバラのイメージは、何かを喚起しますね。

ルーマニア館。

2019 biennale 184

コインとか入っていて、民間信仰のある泉をイメージした作品らしいです。
しかし、三人のアーティストをフューチャーしていて、メイン・スペースはこの泉で、全体の雰囲気はあるんだけど、入り口のホワイエ的なスペースがこれって…。

2019 biennale 185

洗濯機三連発の上にベッド…。
その向かいに、多分もう一人のアーティストの作品。

2019 biennale 186

なんかさぁ、それなりに根底に共通するものがあるのかどうか知りませんけれど、全然感じられないし、説明を読んでみようか、と好奇心を喚起させる何かもなく、なんだろう、つまらないなぁ、と思いながら、足早に出てしまいました。
アーティストの力が第一なんだけど、キュレーターの存在も大きいよね、結果を出すには。

ギリシャ館。

2019 biennale 187

床に敷き詰められているプチプチに見えなくもないもの、実は、こんなの。

2019 biennale 188

さっぱりわからない展示でしたが、先日駆け足で訪ねたギリシャがとても面白かったし、ギリシャという国や国民性というものに、今、結構興味があります。
歴史が長い国だけど、例えば、前回紹介したエジプトでは、歴史にどうしても根差しちゃう、みたいなアート比率が高いように思うのですが、同じように長い歴史を背負いながら、ギリシャのアートは、今まで見てきた中で、そういう傾向のものはないんです。
そういう見方ってしたことなかったけど、うん、今、そう思いました、笑。
ギリシャ、っていうと、古代ギリシャのイメージで、連綿と続いてきた割りには、ダメな国になっちゃってるじゃん、という感じなんですが、今回弾丸で訪ねたテッサロニキは、マケドニアだったんですよね。そして、ギリシャを形作る多くの島々は、かつては、別々だったんだろうし、寄せ集めの国であり文化なのではないか、ということなどにも気づいたり。
あけっぴろげな感じとか、外からの影響も淡々と受け入れる感じとか、なんかラテンの明るさとは違うものがあって、意外と好みな人たちかもしれない、と感じたりね。
やっぱり、旅はするもんですよねぇ。

さて、ジャルディーニの見学は、これで終了です。そして、ビエンナーレも。
この辺りから、雨が本格的に降ってきて、逡巡しましたが、せっかくなので当初の予定通り、この際見学する!と決めていた場所に移動します。

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  1. 2019/11/17(日) 21:03:51|
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