2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その47
なんだかこの日は、調子が悪いというか、おそらく友人宅で一息ついて、気が緩みまくって、修行行程もかなりいい加減な感じで出てしまったので、まさにその結果なんでしょうが、どうも、行けども行けども、状態が続きます。
なんで来たんだっけ?と悩みながらとりあえず教会にアクセス。

サンティニャSaint Ignatのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。
前からも後ろからも、もうどうしようもなくネオ・ゴシック的な建物で、取り付く島もなし。
実はここ、ロマネスク時代の浮彫が中にあるらしいんですね。それで、行ったわけなんですが、ここもまた引き続きクローズで、ただただ情けなくなりました。
鍵穴撮影には成功したのですが、そんなところから見えるわけもなく。

すごすごと退散するしかありません。ここには、慰めてくれるにゃんこもおらず、寂しい限りでした。クローズ、四連発。これは初めてかもね。
やけな気持ちで、次へ向かいます。次の目的地は、前回のオーベルニュ修行で、なぜか端折ってしまった教会です。縁が薄いのか、笑。
このときも確か、村へ抜ける道に工事中のため通行止め、みたいなものが置かれていて、しばし悩んだんですよね。もう昼時でもあり、そこが通れないとなると、かなり遠回りをする必要もあり、そうなると、午前中に間に合わない可能性もあり。
ただ、通行止めなのか、単に工事中と言っているだけなのか、明確じゃなかったし、たいした距離があるわけでもないので、いいや!と思って、看板に気付かなかったことに決めて、先に進んだんでした、笑。気付かないわけないんだけど。
それで、薄い縁をつなぎとめたと思います。

トゥレThuretの教会です。
何はともあれ、開いている!駆け込もうと思いながら、目が釘付けに。

南側壁にある扉口のタンパンです。
もう、これ何~!衝撃的な可愛さで、のけぞりました。

アーモンドを支える天使の腕、にょろーん。
右の方も左の方も、同様ににょろんです。

腕は、やったら長いのに、足は、縮こまっています。どういう姿勢なんだ!
この上の、前髪ぱっつんの人は、下にミカエルとありますので、大天使ミカエルでしょうか?ぱっつんで、腕にょろん?その上、翼の片方は、稲の穂にしか見えません。
アーモンドの中のキリストもまた、何とも間抜けなおちょぼ口で、前髪はほぼぱっつんですね。

ヘレニズム的な衣のひだひだ同様に、俺は、こういう細かい線なんか、バンバンに彫れちゃうんだぜ、という石工の自慢的な表現なんでしょうか。全体に稚拙な雰囲気もあり、時代がかなり古いのかとすると、自慢するだけの腕と道具があったということなのかな。
それにしても、全部かわいい。
もうこれを見られただけでも、この前の四連発、許す!という気持ちに包まれました。
すぐに本堂に入ったのですが、こちらでは、余裕がある様子で、外観のご紹介を。実際は、本当にアワアワしていました。だって、こんな素敵なタンパンがあるからには、他にも絶対に何かありそうですもんね。

この教会は、外の様子も、ロマネスクらしい姿を保っていて、とても好ましいです。つけ柱の柱頭や、軒持ち送りに、期待通り、楽しい彫り物が見られます。
おなじみの鉋屑の間に、妙に大きな球を加えた動物。唇が半魚人的。

どうやら、この石工さん、この半魚人タイプにはまっていたらしいんですよ。ほら。

こっちも。

怪物としては結構不気味なので、意図はわかりますが、これほど半魚人ぽいのが集積しているのは、初めてかもね。
怖いものを彫ろうとしているのに、なぜか愛らしくなってしまうみたいな感じ。
柱頭も、そういう系統です。

鋭い牙が並んでいますけど、おおこわ、とは思えない動物ですよねぇ。
こちらは、まぁかわいくてもよござんす。

一方、東側ファサードにも扉がありますが、そっちにもまた、のけぞるようなかわいいやつらがいました。

何ですかねぇ。謎なモチーフですが、ここでも腕がにょろりタイプですから、同じ石工さん作品ですよね、タンパンと。
このモチーフは、中にも通じるんです。
続きます。
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- 2019/11/18(月) 03:01:56|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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