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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

プランCのランチ付き県庁所在地(ヌベール58)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その59

次に訪ねたのは、ニエーブル県の県庁所在地であるヌベールです。この界隈では比較的大きな町なので、ランチに丁度いいだろうという同行者の心遣いで、お昼の時間にこの町を組んでくださいました。まさに、至れり尽くせりの大名旅行です。

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想像よりも、ずっと都会です、Neversヌベールの町。
商店街を行き、ひょいっと横道から裏に入ったところに、目的の教会があります。

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サンテティエンヌ教会Eglise Saint-Etienneです。イタリアだったら、サント・ステファノ教会となるものですね。

こう見えても、笑、11世紀創建という、大変古い教会なんです。その分、長い間に、いろいろな手が入って、ファサードなどは、時代によって、ずいぶんと違う姿になっていたようです。

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扉口のタンパンにも、どうやら浮彫があったようですが、今は、何もなくなっていて、全体にすっきりしています。しすぎですよね、すっきり。
17世紀初頭の絵のようですが、この時代には、ファサードに二本の鐘楼が立つ、ドイツ的なそういう壮大なスタイルだったようです。

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タンパンに何かありますよね。現在のファサードの絵も掲げられていたのですが、それでもタンパンの彫り物が見えました。ちょっとピンボケなので、載せられませんが、笑。
なんで、今はないのかなぁ、博物館入りですかね?

後陣側は、再建も入っているとはいえ、往時の姿が遺されています。

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壮大な建築です。フランスらしい、周歩廊構造がわかる後陣です。
軒持ち送り、古び感もよく、いくつかチャーミングな奴らがいましたよ。

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おなじみの鉋屑バリエも、古びがあるタイプは、好みですね~。

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それにしても、このずらずらぶりはすごい!

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軒持ち送りというアイテム、本当に好きだったんですね。それも、全体に同じような形でそろえることにこだわった感じが、独特っていうか。フランスの教会が、なだれ込むようにしてゴシックに突入したのは、整然とシュッとした構造がまさにツボ、だったのかもねぇ、などと思ってしまいます。

入場する前に、横っちょの姿も一枚。

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ファサードよりも、中世の名残が濃厚な様子です。
載せておこうと思ったのは、ブラインドアーチのスタイルのためです。上の方の、柱で支えられた部分ですが、半円アーチととんがりアーチが交互になっているスタイルって、フランスでは多く見るように思うんです。同時に、イタリアではないスタイルと思うんです。
系統的にみているわけではないので、どこがどうだったか、というのがわからないのですが、結構見ます。
いつごろ出てきたスタイルなのか、地域限定なのか、そのあたりがさっぱりわからないけれど、見るたびに、あ、またあったな、と思って、気になるんですが、どうもそういうことを追求していくほどの探求心というか研究心がなくて…。所詮お勉強嫌いなものですから、ダメだなぁ、と反省するのですけれども。
年取って、現場を回れなくなったら、その時こそ、研究だ!とか思っておりますが、そのころまで頭が元気でいられるかどうか、笑。

入場します。

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壮大な高さです。そしてお約束の周歩廊が見えます。でも、地味な感じですね、全体に。

壮大なんだけれど、すごく大切にいとおしむようにして作られた感が強いです。

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やはり漆喰じゃなくて石が出ている方が、圧倒的に好みです。

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周歩廊の部分も、大変地味です。すっきりしています。
アーチの高さが、ビザンチン建築みたいですね。細長い半円。

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柱頭も、構造に呼応するように、とてもすっきり地味なものばかりで、植物バリエ、なんでしょうかね。
すっきりしている中にもちょっとした遊びがあったりするのも、魅力的。

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葉っぱが並んでいるんですが、大きい葉っぱの根元の方にクルリン、と。肉眼ではもちろん気付いてないですが、かなり大きい画像でもよくわからないんですが、ヤモリ的な動物のしっぽクルリンにも見えるんですよ。
葉脈も、一本一本交差しているように彫っていて、仕事、細かいです。

したのも、副柱頭ににょろりんしているのは、蛇っぽいですよね。何をつついているやら。

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地味ながら、よく見れば細部のお宝満載。
ここもまた、一度は訪れるべき教会ですね。

ちなみに、同行の友人が、町のレストランのチェックもしてくれていたんですが、なんと、想定していた二軒ともクローズでした。夏休み真っ盛りの時期だから、仕方ありません。何とか開いている店に飛び込んで、こんなものを食しました。プランCのレストランでしたけど、しっかり、おいしゅうございました。

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  1. 2019/12/22(日) 00:41:54|
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