久しぶりのカタルーニャ。今回はバルセロナ2泊、カルドナ1泊という短い旅なので、ロマネスク探求は置いといて、ただの旅人。カルドナも、ロマネスク目当てというよりは、パラドールに泊まる、ということが目的でした。
サン・ビセンス、4年ぶりです。
城砦、塔、そしてサン・ビセンスと、カルドナの町外れから眺められるコンプレックス。美しい眺めです。
後陣。堂々としていて、すばらしい荘厳ぶり。この周辺は、この数年で、かなり整備されていると見受けられました。
そして教会内部。
石好きの人にはたまらない重厚さです。とにかく石、って言う潔さ。装飾排除のストイックさ。すばらしいです。
クリプタもまた、石で押してきます。柱頭も装飾のないもので、それに続く重量感どっしりのアーチがまたよい感じです。それを支える華奢といってもいいような小さな円柱が、重厚感を優雅に受け止めている姿がたまりません。
4年前に来たときは、まだロマネスクに特別はまっていたわけではないので、細かい部分までは見ていないし、受け止め方も随分と違っていたと思います。今ではディーテールが気になるわたくし。
この鋳鉄の柵も、以前は目にも留めなかった作品。これまた12世紀のものなんですねぇ。身廊と内陣を分けている柵です。
装飾が全くないに等しい、このようなストイックな空間というのもよいものですねぇ。ベバーニャのサン・シルベストロがこんな感じに近かったでしょうか。柱頭装飾が好きなわたしですが、このようなタイプというのは、これはこれでぐっと来ます。
それにしても、このカルドナのパラドールは、価値があります。お値段もお安いし。パラドールのレストランは今ひとつ、とよく言われますが、ここのレストランは、空間的な美しさに加えて、料理もなかなかよいです。城砦を巡るだけでも楽しいし、ホテル・ライフを堪能できるパラドールです。バールなんかも安くて、うれしくなってしまいます。
これも古い塔。カルドナの町を見下ろす場所にあります。
せっかくなので、次回、カルドナの町も紹介しましょう。
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2009/11/01(日) 07:12:55 |
スペイン・ロマネスク
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| コメント:11
教会内部の、どっしり感がいいですね。主身廊がやけに狭い感じがしますね。
2009/11/01(日) 10:13:00 |
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ゆきーな #79D/WHSg
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ゆきーなさん
ここ、古いわりには、背がすごく高いんですよ。柱が異常に太いし。だから、プロポーション的に、身廊が狭く見えるかも。実際は、ふつーです。多分。
とてもすばらしいところなので、機会があれば是非行ってみてください。
2009/11/01(日) 22:24:00 |
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corsa #79D/WHSg
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いい写真ですね~。この堂内の空間構成は素晴らしい。
3枚目の写真に反応するかどうかが、ロマネスク病を判定する基準になりますなハハ( ̄ー ̄)/~~
高さへの願望はこの時分からゴシックに向うに従ってより強くなっていきますが、半円アーチのロマネスクでは幅を広げるとともに高さを求めるのは難しかったのですね。高いわりに狭く感じるのはそのためです。
そこに尖頭アーチ、ヴォールトが入るゴシックとの違いがありますね。
鉄柵に目がいくのはかなりの重症です。
2009/11/02(月) 01:30:00 |
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クリス #79D/WHSg
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懐かしい情景を見せていただきました。
初期ロマネスク教会は、量塊(マッス)、横圧力による壁の分厚さ、高さ22m(スペイン第三番目)など厳粛で、確かに簡素さがいいですね。写真の地下祭室の瞑想を誘う暗さと、むき出しの切石積みの柱群など、臨場感があります。
側廊は、身廊より低かったですか、それとも同じ高さでしたか。
ご教示ください。
2009/11/02(月) 01:38:00 |
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勝峰 昭 #79D/WHSg
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高さ22mは間違いかもしれません。18mだった気がします、すみません。22mはサンティアゴ大聖堂だったと思います。
2009/11/02(月) 01:42:00 |
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勝峰 昭 #79D/WHSg
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へへ懐かしい。朝起きして、まず前日に見つけておいたスケッチポイントへ行き、次は町側の高台まで行って描くか描かないか悩んだけどスケッチによい場所がなくギブアップ。その後はひたすらマドリまで走ったのでした。そんな訳で教会見学にはあまり時間が取れなかったのでした。
パラドールはよかった、だけどロマネスク行脚をさんざんしてきて辿り着いたカルドナの城砦はわたしには悪趣味に映りました。ロマネスクの素朴さに軍配!でした。
2009/11/02(月) 14:48:00 |
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otebox #79D/WHSg
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クリスさん
鉄柵とか、扉の鉄の鍵とか、かなり好きなんですよ。鉄好き。それにしてもこの装飾的鉄柵、たいしたもんだと思いませんか。意匠もしゃれているし、また保存も完璧。これが12世紀のものなんて、ちょっと信じがたいですよ。
2009/11/02(月) 19:28:00 |
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corsa #79D/WHSg
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elromanicoesさん
訪問ありがとうございます。この記事をアップした際に、貴方のブログがヒットしたんですが、カルドナの記事に行き当たらず、コメントも残さずにお暇してしまいました…。
ところで、側廊ですが、高さは同じだったような。側廊の一部に、オリジナルの床がむき出しになっていて、どうも足元ばかり注目して天井の方はうろ覚えです。
側廊は、主身廊よりも当然幅が狭いので、すごく不安定な感じの写真になっています。
2009/11/02(月) 19:32:00 |
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corsa #79D/WHSg
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oteboxさん、そうだ、わりと最近行かれてましたよね。あの塔のスケッチもなさってましたよね。わたしもしました。寒風吹きすさぶ中、冷え切りました。教会の後陣もいい感じで、朝一で描いていて、これまた冷え切りました。9月だというのに、寒かったですね~。
2009/11/02(月) 19:35:00 |
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corsa #79D/WHSg
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側廊の高さの件、有難うございました。身廊と高低差があれば、聖域への上昇志向とともに、イスラムの影響といえるのですが、どうもそうではないようですね。Sant Pere de Rodesでは高低差があるので、同じ初期ロマネスクなので、ひょっとしたらと思った次第です。
貴女のイタリア・ロマネスク美術の記述もまたどうかご教示ください。日本はこの頃心の乾いた事件が頻発し、困ったことです。
「観なくとも、信ずる」ことのできる世の中に一歩でも近づけたらと、願っています。
2009/11/03(火) 08:15:00 |
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勝峰 昭 #79D/WHSg
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elromanicoesさん
あれこれ、知れば知っただけ、見るべきところが増えて、そして根がいい加減なわたしは、いつも多くの見所をチェックし忘れて、あ、また行かないと、ということばかりです。
天井の高さなんて、明らかに違えば気付きますが、特に注目したこと、なかったですよ。ご教示ありがとうございます。
Rodesは、是非行ってみたい教会。あの辺は何度もいってるのに、あそこだけは未訪。いつ行けるでしょうねぇ。
見なくとも信じる。Tommasoですね。Tommaso主題のレリーフ、結構好きなんですけど。
2009/11/03(火) 22:29:00 |
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corsa #79D/WHSg
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