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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

「見ざる聞かざる言わざる」バリエ?(シャリア03)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その71

長旅も、そろそろ佳境です。友人宅を辞して、あとは、最後のひと頑張りしながら、空港に向かう、という段取りになりました。
まずは、過去に、何らかの理由で、訪ねることがかなわなかった教会のいくつかを、再訪することとしました。
まずは、悔しかった記憶も新しい、こちらです。

2018 france centre 901


シャリアChauriatの、サン・ジュリアン修道院付属教会Prieure Saint-Julien。
2016年の夏に訪ねましたが、市庁舎にカギを借りる必要がありそうだとわかっていたのに昼休みに到着して、案の定、扉が閉ざされていたという結末だったのです。その上大雨で、夏とは思えない寒さで、かなり情けない気持ちでした。その記事は、以下となります。

シャリアの過去記事

この村、いわゆる旧市街はおにぎりのように小さいもので、今ではその周囲に新市街が広がっているのですが、以前は、当たり前のように、新市街の住宅地に入り込んで、駐車場を探したものです。今回は、なぜか当たり前のように、市壁の中に入り込んで、教会から徒歩15秒、みたいな小さな駐車場を利用しました。
イタリアだと、こういった小さな村は、部外者侵入禁止となっていることがほとんどなので、自動的に入れないと思い込んだのでしょうね。フランス、車に関しては、イタリアに比べるとかなり寛容です。

さて、そんなわけで、いざ。

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あ、なんかきれい。
しかし、ここまで彩色が施されているということは、おそらくオリジナルでは、柱頭もバリバリ塗りたくられていたのではないか、と想像します。
でも、今は、柱頭部分は、石色になっています。

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ま、こういうのもありましたけど、驚きはしませんよね。

2018 france centre 904

聖書エピソードとそれ以外、いろいろなタイプの彫り物があります。複数の石工さん、それも、タイプも技術も異なる方々の作品が、入り混じっている様子で、ばらばら感が、不思議な感じ。上にある植物系モチーフは、うにゅっとした、比較的古い時代のデザインかと感じられるタイプが多かったと思います。シンプルで、大型で、確かに彩色しやすそうなタイプ。

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割と好みです、こういうデザイン的なタイプ。手が込んだ、オーソドックスで繊細な彫りのアーカンサスよりも、ずっと好き。

それから、ちゃんと聖書系。

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真面目な彫りですが、デフォルメ的なサイズ感とか、昔っぽくてかわいいやつ。
しかし、この柱頭はすごいです。改めて細部を見ると、細かくてびっくり。

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魚までしっかり彫られています。
使徒たちの顔は、他でも共通する、古いタイプのお顔の彫り方と思うんですが、キリストだけ、なんていうのかな、そこらのおっさん的な表情に感じられて、アップにすると、下世話感が…、笑。
いずれにしても、非情に時間をかけて、しっかりと四面彫りつくした立派な柱頭です。

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こちらも聖書系、ということになるのかな。

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舌を抜いているようにしか見えないんですが、舌にしては、長すぎますよね、笑。それに、引っ張ってるのは天使だし。なんだろう?戦う大天使ミカエルの悪魔退治かなぁ。
これは、下世話なキリストを彫った人とは違いますよね。

天使と言えば、他にも四角四面そうなやつがいました。

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名前かなんかが書かれた帯状のものを持っているんですが、融通聞かなそうな人ですよね。同じ天使でも、これまた石工さん、違いそうでしょ。

そいから、驚きの柱頭も。

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これを謎と言わず、何を謎と、という感じでしょ。頭抱えちゃっている図は、他でも見たことがあるように思うのですが、どういう意味かは全く記憶なし。
しかし左にある横になっている人は、完全に意味不明です。

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これは、見たことないタイプ。断言できます!
何ですかねぇ。右手で、何か包み込んで、頭の下に置いています。左手は、置く場所に困った感じで、笑、自分の身体を抱えていますね。
では、何を包み込んでいるかというと。

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あごですね?他人のあごを、ぎゅううって。すごい伸びていることになってますよね、あごというか、口?
「見ざる言わざる聞かざる」的な表現なのかもね~。それにしても、すっごいよ、このあごつかみは。

ということで、3年越しにリベンジできて、本当に嬉しかったです。外観は、かなり素敵なオーベルニュ・スタイルなので、興味のある方は、過去記事の方で、ご高覧願いますね~。
大満足して車に戻ると、かわいいやつがお出迎え。

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と思いきや、何やらガンつけられてました。よそ者が、こんなところに駐車するんじゃね~よ、的な威嚇?

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  1. 2020/02/23(日) 21:18:48|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0
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