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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

たまにはフラッシュ(ティエール63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その73

またまた2016年の旅のリベンジ編です。
と言っても、ここは、クローズしていたわけではなくて、苦労して訪ねた教会が、目的の教会ではなかった、という大変間抜けな話なんですけどね。

ティエールThiersという町なんですが、かなり急斜面の丘に張り付いている町で、以前は、その急斜面に入り込んでしまって、引き返すこともままならずに、何とか途中で駐車して、そのまま天辺にある旧市街の教会を訪ねる羽目になったのでした。でも、どう見ても違うよなぁ、とキツネにつままれた気分でいっぱい。
結局、その後訪ねた友人宅で、事情を説明して初めて、やはり違った、ということがわかった次第。

今回は、住所も調べてあったし、友人にも、とにかく山に登るな!と釘を刺されていたんですが、住所があだになったようで…。いきなり、上り坂ではないものの、これは山道だよね?というような田舎道に入り込んでしまったんです。
困ったなぁ、と泣きそうになりながら、何とか開けた方に向かうと、村のふもと的な、広い道に出ることができました。うっすらと記憶している場所です。

路肩が駐車場となっていたので、とりあえず停車。やはり停車していた人に尋ねると、あ、あれよあれ、と言うじゃないですか。なんと、旧市街に向かう坂道が始まる手前の、まったくの平地にある建物が、目的の教会だったのですね。

2018 france centre 927

上の写真の右が目的の教会。
写真の左側の方に、山登りとなる道があったはず。2016年の苦しい登り坂は、まったく意味がなかったということで、泣けてくるような瞬間でした、笑。

2018 france centre 928

ティエールThiersのサン・シンフォリアン修道院教会Abbaye Saint-Symphorienで、左側にあるお城的な建物が、修道院の居住部分Le logis abbatialだったらしいです。クリュニー系列の修道院ということです。地味なのも仕方ないですね。

2018 france centre 929

中は、他でも見られた、こんなツートンカラーになっていましたが、クリュニー派で、これはないと思いますので、この彩色は後代のものなんでしょう。地域の外教会に倣った、ということなのかな。
しかし、実はこの教会、すっごく暗くて、この本来なら派手な彩色も、ほとんどわからないような状態でした。真昼間だというのに、ですよ。

一見、面白みが感じられないのですが、目が暗闇に慣れてきたら、浮かび上がってきたものが。

2018 france centre 930

なんせ暗いので、ピント合わせるの大変でした。かなりぼけています。
何だろう、なぜかちょっとピエモンテの柱頭などを髣髴としました。

2018 france centre 931

思いっきり彩色跡のあるやつらも。
ということは、ツートンカラーもありなのか?クリュニーというと、シトーまで行かなくても、なんとなくストイックなイメージがあるんですが、それって宗教改革とかと勝手に結び付けているだけかしらん。

同じスタイルの別柱頭。

2018 france centre 932

あまりに暗くて、普通に撮影すると真っ黒になっちゃうので、禁断のフラッシュです。この暗さは、ヴォルヴィックでしたか?あそこに匹敵する。ここは、訪問者が誰もいなかったので、フラッシュできたんです。高さが、比較的低めだったせいもありますね。高いと、フラッシュ届きませんから、無駄になりますし。
でも、世間には、そういうこと考えずに、ひたすらフラッシュたく人っていますよね?あれ、絶対無駄ですよね。それとも、今のフラッシュって、相当距離があっても機能するのかしら。
フラッシュ使うと、イメージが相当変わってしまうので、そのテイストが嫌いで、なるべく使わないんですけれど、ここまで暗いとねぇ。

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空間恐怖的に、細部まで彫りこんだ大作が多いだけに、残念。修道院として、成功して、お金をかけられた教会なんだと思われますね。それなりに腕のある、金をとれる石工さんですよね、これは。

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建物は、全体に手が入っているし、面白みは少ないのですが、柱頭などのディテールは楽しめる教会です。
裏の方に回ってみたら、おそらくかつての修道院の一部みたいな構造物が残っていました。

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確か駐車したあたりだと思うんですが、小川が流れていて、立派な水車がありました。

2018 france centre 936

かつては何か工場みたいなものがあったような説明版がありましたが、読めません、笑。

なんでそんな方に行ったかというと、例によってトイレを求めて、なんです。店でもないか、と。昼時だったので、レストランがあればナイスだったのですが、水車しか見当たらず、あきらめて車に乗り込みました。
で、町のコンテクストを出たすぐのところに、ちょっとした公園があり、小さな駐車場があり、どうやらトイレらしいものがあったのですよ。
ジプシーっぽい一家がうろうろしていたんですが、停車して、駆け込んだところ、カギは壊れているし、およそ清潔とも言いかねる状態ではあったのですが、もはや背に腹は代えられない状態だったので、大急ぎで用を足して、飛び出して、急発進で離れました。

私には珍しく、走りながら積極的にレストランを探して、幸い、ティエールからさほど離れていない道沿いにちょっとした店を見つけたので、わざわざUターンして、行ってみました。この話は、番外編で。

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