2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その75
さて、前回のパレ・ル・モニアルに向かっている頃から、雲行きが怪しくなってきており、同地を出るころには、遠方に、明らかに相当の雨が落ちていそうな黒雲が広がりつつありました。
何とか違う方向でありますように、と祈るような気持ちで、ブリオネ地域に分け入りましたが、残念ながら、雨が落ちてきました。
本来なら、ここから宿に直行すべきスケジュールでもありましたが、どうしても欲があり、
せめて一つなりと、と向かったのはこちら。宿からも近い村です。

ヴァレンヌ・ラルコンスVarenne-l'Arconceのサン・ピエール教会Eglise Saint-Pierreです。
雨は小降り、そして、教会は村の中心の広場にあってわかりやすく、また駐車し放題、というのは幸いでした。
全体のたたずまい、私が好きなサイズで、落ち着いていて、広がったスペースに一人佇む、というロケーションも、とてもいいです。

こういう、古い風情が残されている教会は、雨も合う気がします。負け惜しみですが、でも、晴れている時とは違う風情がありますよね。
ここ、ファサード側はほとんど何もないんですが、南側の扉に、ちょっと面白いものがあります。

すっごいシンプルだけど、すっごくかわいいですよね。なんかハンコのモチーフになりそうな、いや、シンプルすぎて、面白くないかも、くらいの超無駄を排したキメの線が、逆にすごいなって思います。
内部は、例によっての真っ白感強くて、ちょっとひるみますが、大丈夫です。

白い中に、いろんなやつらが隠れていますよ。

なんだか、にやにやしてますよね、この方。

この方たちも、絶対、にやにやです。キメラですかね?二人仲良く、玉をつかんで、「うしし…」みたいな様子にしか見えません。
かと思えば、流し目が妙に色っぽいグリフィン。

あれ、キメラとグリフィン、逆だったかな?いつも迷ってしまう(海馬、機能せず、笑)。

颯爽と駆け抜けるケンタウロス。長髪をなびかせたお姿、一瞬サムソンかと思っちゃいますよね。しかし、後方にいる鬼瓦みたいな顔は、なんなんでしょうか。
ちょっと楽しい柱頭が多いですよね。
一方で、こんなシリアスなアイテムもあるんです。

教会なんだから、不思議でもなんでもないはずなんですが、実際に、あまりにもお茶目な様子の柱頭と同時にあると、とても不思議な気がいたします。そうだ、そうだった、キリスト教の教会なんだよね、いばらの冠だよ、磔だよ、と、遠くから掘り起こさないと結びつかないような感じ。
現代の我々にとっては、ロマネスクの不思議彫り物って、そういう感じになっちゃいますよね。でも、当時の人々にとっては、これもあり、同時にこれもあり、というはずなわけで、そこがまたロマネスクの面白さではないか、と思います。
ちなみに、この十字架は、12世紀のものと書いてありました。
それにしても、曇り空の夕方にしては、とても明るい教会でしたね。内部が白いせいもあるのかもしれませんが、採光がよいのですね。後付けで開けられた窓もあるのだと思いますけれど。

白いのは、使われている石も白っぽい上に、漆喰が塗られていたりするからみたいですね。
いずれにしても、ブリオネらしいよい教会で、無理して訪ねた甲斐がありました。
最後にもう一枚。

ファサード側扉周りの装飾なんですが、このお顔、どう見ても、ワンパンマンですよね?あ、きっとワンパンマン、知らない人の方が多そうですけど、検索してみてください。瓜二つ…、笑。
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- 2020/03/01(日) 02:04:29|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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