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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

クリヴェッリのクール・ビューティに釘付け(アムステルダム国立美術館)

オランダMuseumツアー(2019.12.クリスマス休暇)3

前の記事で、美術館カードの件は、詳しく書きましたが、市内交通関連については、触れませんでした。オランダ、特に大都市であるアムステルダムには、乗り放題チケットとか、美術館チケットとセットになったものとか、市内交通をお得に乗りこなすためのチケットも各種あるんです。
この旅で利用したホテルは、旧市街から南の方向に離れたロケーションで、主要な美術館が集中する地域からは、3キロくらいでしたか。旧市街内部は徒歩で行けそうだけど、少なくとも旧市街との往復は、トラムかバスに乗ることになるのかなぁ、と事前には同行者と話していたのですが、お互い、ウォーキングが健康法の基本になっているタイプなので、お互い暗黙の裡に「多分、歩いちゃうんだろうなぁ」と考えていたために、市内交通関係は無視したMuseum Cardを購入することに決めたわけです。

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ホテルがあったのが、上の地図の印が付いている場所から100メートルくらい南に下がったあたりで、ほぼ真北に進むと、旧市街となります。ゴッホ美術館のあるあたりまでが、3キロ強で、アンネ・フランクの家などは、さらに北なので、5キロくらいもあったでしょうか。
結局、市内交通のお世話には一度足りとならずに、毎日、行きも帰りもてくてくと歩きました。連日、20キロくらい歩いて4日間ですから、これまでもよく歩いてきたものの、これは新記録だと思います。

市内交通は、お得チケットがあっても、ミラノのように安くはないですから、経済的にも健康的にも、ウォーキングは、お勧めです。旧市街の中や近くであれば、すべて歩きで行けます。それも、紙の地図でもオウケイ、笑。スマホは、地図だとすぐに電池がなくなるし、充電器とか持ち歩かないタイプなので、大抵紙で歩いていました。

さて、そういうことで、毎日美術館にたどり着くまでに、すでにかなり運動していることとなりまして、その後美術館内をまた歩く、歩く、歩く…。そりゃ、20キロにもなります。

アムステルダムと言えば、まずこちらに行かねば、という国立博物館は、到着した日に行きました。

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Rijksmuseum Amsterdam

歩き回っていたため、あちこちから、その巨大な建物を目にしました。改めて巨大ですよね。
実際、近づくとなんだかすごくて、正式な入り口がどこなのかもよくわからない有様。最後の方では、そういうのもオランダ的なのか、と理解したのですが、秩序だっているようで、かなり無秩序なんですよね、この人たち。
ここも、建物のエントランスは立派なのに、屋内に入る部分は、すごく分かりにくい。
ホワイエというのか、チケット売り場などのあるスペースは、広い割には、整然とした秩序がなくて、クロークには人だかり、チケット売り場は、なぜもっと広々とスペースを活用しないのか?というような、不思議な状態で行列が出来ています。
それでも、窓口の人たちは、大抵笑顔でめちゃくちゃ感じよくて、サービスはいいのが、イタリアとの違いかな。

特別展は、予約していましたが、常設展は、予約なしで入れます。
それにしても、すごい人混み。クリスマス当日ですが、お休みの場所が多いだけに、人が集中していることもあるかもですが、おそらくここは、いつもこんな感じなのでは、と思います。

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すごく人がたかっているのは、勿論、フェルメールです。

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小さい絵です。人の目線の高さだから、人がたかると、ほとんど見えない。まぁ、みんな長くいるわけではないので、待っていれば、見られますが。
でも、絵というのは、おしくらまんじゅうしてみるものではないですよね。しみじみ思いました。まぁ、私はフェルメールについては、特段興味があるわけではないので、この程度で十分でした。昔来た頃は、今ほどのフェルメール・ブームなどなかったので、この絵の前には、誰一人いなかったと記憶しています。と言って、これを見たかどうかは記憶にないですが、笑。

一方、こちらは、よく覚えています。

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レンブラント様ですね。これはその巨大さにたまげた記憶があります。
今は修復中で、ガラス板で囲ってありました。こういう修復って、斬新ですね。昔、ミラノにあるレオナルドの最後の晩餐が修復中のとき、こういう状態で、見せていましたが、あのころから、こういうのが流行りなんですかね。修復の人は、やりにくいのではないかと思いますけれど。

予約の時間に、特別展に移動。

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昔のお屋敷を再利用している建物なわけですが、モダンに改装している部分と、往時のまま利用している部分が混在しています。欧州ではよくあるタイプの入れ物。

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あ、この絵知ってるな、見たことあるな、という絵がたくさん出てくるんですが、基本、この辺りの時代の絵画はあまり興味がないため、さらさらと見ていきます。

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そしたら、あれ、これは好きだな、という一枚があり。

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フェルメールでした。こういうマットな様子の風景画、よいですね。

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とにかく何でもかんでもあり、すごい量なので、だんだんどうでもよくなってきたりするタイプの美術館です。最近は、読みもしないフライヤーの類を安直にもらって帰らないようにしていますが、写真も、不必要にたくさん撮影するのは控えております。それでも、見ていると、ついつい、というのがあります。

中世もののスペースまであるんですから、ほんと、きりがない感じ。

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Carlo Crivelliの美女。
クリヴェッリお好きな方多いようですが、私は、このマグダラのマリアに初めて感銘を受けました。美しいですよね~。すぐ近くから見られますので、ちょっと、磁力が半端ない代物でした。こんな絵が身近にあったら、人生狂わされちゃうんじゃないか、というような。

こんな聖遺物入れの展示まで。

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この辺りに来たときは、すでにヘロヘロ疲れていたのですが、気力を振り絞って撮影した感じです、笑。
これは、ちょっと驚きです。

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勿論あって不思議じゃないんですが、オランダのロマネスクって聞かないですよね。これ、オランダのなんですよ。12世紀前半、オランダ北部「Egmont修道院教会のタンパン」とありました。カギを持ったピエトロさんの左右に、寄進者の母子が彫られているそうです。
オランダは、現代にいたるまで、何度も激しい洪水被害を繰り返していますから、教会なども、そういう理由で残っていないとか、あるのでしょうか。考えたこともなかったな。

最後に、いただいたパンフをざっとチェックして、一応有名どころは抑えたかどうかを確認。いやいや、これ見てないし、ということで、またうろうろ。

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ゴッホなども、きっちりと見逃すところでした、笑。
でもね、全部全部余さず見るなんて、無理。
この日は、閉館が17時と、おそらく若干早めだったんじゃないでしょうか。見学を終えて出た時には、とっぷりと夕暮れでした。

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おそらく3時間くらいは見学していたと思います。それでも、見切れない。大きすぎる入れ物は、困ります、本当に。

ちなみに、ショップ、かなり充実しています。つかれていたにも関わらず、結構じっくりと見てしまいました。なんといっても、お手頃なお値段が嬉しく、さすが美術館観光をフューチャーしている国だな、という感じです。お土産にはミュージアム・ショップが一押しですね。

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  1. 2020/04/17(金) 02:40:29|
  2. 海外旅行
  3. | コメント:2
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コメント

ツアーでいったので、Rembrandt(夜警の大きいのには驚きました)や Vermeerはしっかり案内されたのですが、フリータイムになって、このクリベッリ探し回りました。もう時間切れかと思って階段をおりかけて横の部屋をのぞいたらそこがイタリア絵画の部屋でした。この絵、本当に魅惑されますよね。2001年のことです。ベネルックス三国の旅、ゲントで祭壇画を観たのも感動でした。 私はイタリアルネサンスよりむしろ北方絵画の方が宗教的ですきです。corsaさんは矢張りイタリアですか?
  1. 2020/04/17(金) 15:51:08 |
  2. URL |
  3. yk #C8Q1CD3g
  4. [ 編集 ]

クリヴェッリ

YKさん
ご対面できてよかったですね!
これを見なかったら、ちょっと後悔半端ないですよね。
わたしは、初期キリスト教や中世もの以降は、一気に近代現代ものが好きなので、その間は、あまり興味ないんですよ、笑。
ルネッサンスに連なるあたりで、部分的に好きなのは、リッピとか、ボッシュとか、フラ・アンジェリコとかジョットとか。14世紀からは、しばらく苦手になります。あ、デッサンは好きです。ミケランジェロのデッサンとか、すっごく好きです。
  1. 2020/04/17(金) 18:33:32 |
  2. URL |
  3. Notaromanica #-
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