オランダMuseumツアー(2019.12.クリスマス休暇)4
前回の記事で、特段興味のないフェルメールということで、アムステルダム国立美術館での「ミルクを注ぐ女」は、限りなくさらりと鑑賞しました。
でもね、何度も言うようですが、根がミーハーですから、せっかくだから見とかないとね、というのはあるわけでして、短い旅ではありますが、フェルメール目指して、近郊遠征もしたんです。
チョイと電車移動をすると、オランダがいかに小さな国かということがよく分かります。今回は、アムステルダムに滞在しましたが、スキポール空港からは、電車が各方面に出ているので、アムステルダムだろうが、ロッテルダムだろうが、さほど時間の違いもなくダイレクトで行けてしまうのですね。
これはちょっとびっくりしました。国土が結構小さいイタリアだって、ミラノの空港はミラノ市の最寄で、他の都市への移動もあるとはいえ、時間もかかれば接続的にも不便ですし、ほとんどの都市ではそういう状態が普通ですよね。
でも、スキポールは、アムステルダムの空港というより、オランダ国の空港、というイメージです。
で、フェルメールを見に行ったのは、デン・ハーグDen Haagです。
ホテルの最寄から、乗り換えしながら行けました。普段、車の移動が多いですが、電車の移動って、なんだか楽しい。異国で、言葉もシステムもわからない中で、乗り換えなどがある緊張感も、ちょっとワクワクしたりして。それに、車窓が、イタリアとは全然違うのも、すごく面白かったです。
デンハーグ、駅は立派でしたが、外に出ると、大開発中という様子で、閑散として、非常にど田舎的なたたずまいでした。まず、どっちに行けばよいのかわからず、しばらくうろうろと看板など見ながらウロウロしていると、こんなトラムが。

スケベニンゲン!
昔、タモリ倶楽部だったと思いますが、世界のエッチな地名特集で出てきた地名、まさかこんなところにあったとは。すごくびっくりしました。デン・ハーグを北上した海辺の町のようでした。トラムで行けるのですから、おそらくたいした距離ではないのでしょう。
やっと町の中心部への方向を見定めて、いざ。
徒歩10分ほどで、町に入る感じです。

鉄扉の閉ざされた中に、立派な建物。よく見たら、ライデン大学Univercity Leidenとありました。ライデンというのはおそらく土地の名前ですよね?分校なのかな。何で、かは分かりませんが、結構有名な気がします。
さらに進むと、美しい風景が広がります。

朝いちばんですから、とても清々しかったです。それに、こういうお城スタイルというのは、イタリアにはないので、目に新鮮。
これ、なんだと思いますか。
湖をぐるりと回りこんで、この、建物の湖と反対側に行きます。目的地もそっちなんですよ。で、入り口。

目的地は、この門の手前右手にありますが、開館時間よりも早く到着してしまったので、この立派なお城が何か見に行くことにしました。入り口は、閉ざされていないしね。
ぐるりと建物に囲まれた中庭の真ん中には、教会と司教館的な建物がありました。

散歩している人がちらほらといましたが、クリスマス時期なので、建物は閉まっているし、結局なんだかわからなかったのです。しかし、確か後から、美術館の人が教えてくれたのですが、これ、なんと国会議事堂でした。
国会議事堂って、首都にあると思いますよね?
オランダは、そうじゃないんですって。各都市に機能を分散していて、デン・ハーグは政治の中心としての機能を担っているそうなんです。アムステルダムは、もしかして観光を一心に担っているだけの都市ということですかね。
そういえば、アムステルダムって、大学もないような気がしたんですよね。
先にあったライデン大学とか、ロッテルダム大学とか聞きますが、アムステルダム大学は聞かないですよね?
こういう仕組みもまた、ちょっと独特な国なのかもしれません。
それに、そういう重要な場所であれば、たとえ祝日で機能していなくても、警備ってしてませんか?だれでもアクセスできちゃうんですよ、扉のところまで。警備員なんて、全然いなかったです。これも、独特な気がします。
そんなわけで、また本来の目的から外れたところから始まっていますが、デン・ハーグに行った目的は、ここです。

マウリッツハイス美術館Museum Mauritshuis。
マウリッツハイスという人のお屋敷だったのですかね。お隣の議事堂に比べると、とてもこじんまりとした建物ですが、でも、一家族が住んでいたのだとすれば、なかなかの規模ですね。議事堂は、もともとお城だったのだとしたら、その関係者のお住まいだったのでしょうね。
さて、先にも書きましたが、開館前に到着してしまったわけですが、ウロウロとお城を見学して戻ってきたところ、なんと、日本人の団体旅行者が来ていました!
目的な同じはずなので、嫌な気持ちになったのですが、こうなったら、だれよりも早く入り、誰よりも早く目的の絵を見つけよう、ということで、友人と、スタートダッシュ、やる気満々で、鉄扉が開くのを待ちました、笑。
定刻より数分遅れて鉄扉が開いた途端に、小走りに入場。チケットを持っていない現地の人々は、チケット売り場に行きますが、我々は、持っていますので、カードをかざして入場です。超特急で、クロークにコートや荷物を預けて、脇目もふらずに、絵を目指しました。

ありました!
そう、目的はフェルメールでも、最も有名かもしれない、この真珠のイヤリングの女子に会うことでした!

すっごく感銘を受けました。
やはり本物を見ないとわからないよねぇ、とよく言いますし、本当にそういうことって多々あると思います。自分も、普通にそういう風に思いますけれども、衝撃的なレベルで、それを感じたのは、過去には、リキテンスタイン、そして、この真珠の乙女かもしれない。
今絵の横に置かれたキャプションを見て知りましたが、これ、モデルさんじゃなくて想像で描いているんですってね。そんなことも知らずに見ていたわけですが、もうなんというか、この普通に振り向いた感が、自然で、まるで一瞬を切り取った写真のような、すっごい新鮮な感覚です。ああ、なんだろう。
この時代の絵って、まだ意味を求める描きこみ満載傾向にある中で、この、シンプルな背景は、イメージで描いているから、ますますそういうことができたのかなぁ。いやはや、衝撃でした。この一枚を見たことで、このオランダ旅行は、想像以上に意味のあるものになりました。
絵の衝撃もそうですが、デンハーグまで見に来る人は、少ないというのも、驚きました。フェルメール、ブームと言っても、日本人ほど、頑張っちゃうミーハーな人は、そういないということかな、笑。
同じ部屋には、大きな風景画もあり、これも、とても好きでした。

美しいマットな風景。こういうのは、人気があっただろうなと思います。こういうのが、やっぱり売れる絵だったんでしょうね?
売れそうな絵、という意味では、こういうのも、ちゃんと描いています。

犬がかわいいな、と思うくらいで、特段の感銘はなし。そんなもんです。
しばらく独占状態でお部屋にいて、近くから遠くから真珠の女子と対面して、本当に充分すぎるほど対話して、満足したころに、他の見学者がやってきたので、退去。
他のお部屋も一通り、見学しました。

レンブラントさん。
彼の有名な絵も。こういうのって、教科書に出るレベルの絵。最近、そういう美術鑑賞してないから、妙に感動する。

由緒あるお屋敷だっただろうから、調度もそれ的で、時々そういうとこにも目が行っちゃいます。家を買った時に、すっごくほしかったこれ。

うちは小さいから、すっごく小さいダサいのしか買えなかったけど、このふさふさと、それを引っかけるフックには、本当にすごくこだわったのを思い出します。無駄金を使ったものだわ、笑。
この、超絶な静物は、オランダの作家さんなのかな(Willem Claesz Heda)。いろんな静物バリエがあって、必ず、突起の付いた変なグラスと銀器。自分の技量見せつけ絵画でしょうね。

つい細部まで見入っちゃったのが、この人のシリーズ。このときの企画展だったのかも。

見たことないけど、「家政婦は見た」とか言うテレビドラマ?
なんかその手の風刺画的なものなんです。右奥で、女中に言い寄ってる当主をこっそりと見てる女中さんらしき人。あとでゆすりとかしたてのかなぁ、と思わせる、したたかな様子ですよね。
てへっ、という様子で、盗みまで…。

面白いシリーズでした。
そんなわけで、大変充実のマウリッツハイス美術館。お勧めです。
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- 2020/04/18(土) 02:25:20|
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