2017年7月 エトルリアを巡りつつロマネスクもちょっぴり、トスカーナとラツィオの旅 その1
本来だったら、春の兆しの訪れとともに、イースター四連休で修行旅、5月恒例のグラッパ合宿、6月連休の遊び旅、と企画目白押しなわけですが、今年は、こんなことになっちゃって…。夏休みさえ、どこかに行けるのかどうかすら、今のところわからないという、あまりと言えばあまりに想定外な…。
新しい土地に出会えないのは大変寂しく辛いことではありますが、一方で、ためすぎている、これまでの旅の記録を、ここで一気に整理する、というのも、ありではないか、と思ってはいるのです。これがまた、紙もの同様、本当に手が付けられないわけですが、本来なら、さらにさらに整理すべき写真や紙ものがたまっていく、その本来が失われた以上、地味に、少しずつ、お片付け、というのは、やるべきことではありますよね。
というわけで、ほぼ忘却の彼方状態の旅についても、まとめておこうということで、古い方から順番にやっていこうと思います。

なんと、あれから3年ですか!
2017年の初夏に、ミラノから車で出かけた記録です。
行き先は、トスカーナからラツィオにかけての一帯。過去に見残したロマネスク教会や、ロマネスクではないけれど、一度は訪ねてみたかった町村訪問を主目的に、修行無関係な同行者がいたために、一般的な観光地訪問も含めた、よく言えば盛りだくさん、悪く言えば散漫な、笑、そういう四泊五日の旅でした。
結果としては、エトルリアの印象が強く、ロマネスクは付け足し感が強くて、当初とは違う内容となったのですが、エトルリアについては、今後も機会があれば、また遺跡を巡ってみたいと強く思うこととなりました。結局、その後は、実現していませんけれど。

旅の最初は、懐かしい村の訪問となりました。
どうでしょう、上の写真。イタリアでロマネスク巡りをされた方なら、きっとすぐに思い出す、懐かしい風景ではないでしょうか。

グローピナGlopinaのサン・ピエトロ教会Pieve di San Pietroです(www.gropina.it 2017年7月当時のオープン時間:21/6-21/9 9時から19時、22/9-20/6 9時から17時)。
10年ぶりくらいの訪問だったでしょうか。最初の訪問は、ロマネスク修行としては初めて、自宅からマイカーで出かけ、トスカーナの主だった教会を回った時のことで、山道をドキドキしながら登り、村の入り口で車体をこすったことなど、すべてが印象的で、よく覚えています。
それにしても、この細い山道に臆することなく、よくぞ来たよな、オレ、と改めて感心いたしました。

結婚式ですかね。ミサの準備がしてありました。以前来たときは、がらんとしていたと思います。そして、外光だけでうすぼんやりとしていましたが、この日は準備中のためか、明かりが煌々と灯されて居りました。

美しいですね、このほっそりとした円柱の並び。外光と内部の明かりが合わさって、とても印象的な眺めです。
エニグマでいっぱいの説教壇も、相変わらず謎のまま。

そういえば、これも、消失してしまったHPロマネスクのおとにまとめたので、ちゃんと資料に当たりましたが、覚えているのは、下で万歳している怪しいフィギュアが、ペンテコステを表しているということくらい。万歳の上のギザギザが炎だったかと。調べても、この程度しか覚えていないんだから、嫌になりますね~。
それにしても、見れば見るほど楽しい浮彫です。

ここは、柱頭の彫り物も、面白いんですよね。でも、このおっさんは覚えてなかった。

よく見たら、乳房を蛇にかまれてるやつですね!おっさんじゃなかった、失礼。
おっさんはこっちだった、笑。

長いひげを引っ張っているモチーフは、結構見ますね。印象としては、古い時代のモチーフっていう感じなんですけど、どうでしょうか。いずれにしても、非常に細かい彫りで、でも人物フィギュアについては結構写実感があって、説教壇のフリーダムな様子とは、かなり違います。
トスカーナのこの辺り、カセンティーノとかアルノ川上流域とかでくくられる地域ですが、柱頭がデザイン的で面白いものがたくさんあります。それはどっちかというと、こういうすっきりした彫り系。

すっと、迷いない一本線で決めた、みたいなタイプっていうんでしょうか。動物だったり植物だったりするんですが、なんというのかな、やはりデザイン的で、聖書エピソードを彫りこむのとは全然違う感覚。

初めて接したときは、今より10年分見たものも少ないし、あまりのすっきりぶりに感動したものです。

すっきりしながら、ちゃんとかわいいしね。この、つかまっちゃった獣、なんですかねぇ、哀れ感というか、ぬるぬる系というか、変な可愛さでしょう。鳥のクールさとよい対比です。
可愛さと言えば、これ!

以前は、撮影に失敗して、そういえば、あの時は、カメラの設定モードが間違っていて、全般にろくな写真がとれてなかったんですが、この授乳生物がぼけていたのは、痛恨でした。今回はクッキリと撮れました!
それにしても、改めて見ると、結構不気味な。なんですか、この謎の動物は?
見れば見るほど、なんだか面白いですね。
ま、先を急ぐこともあったので、さらりと流しつつ、前回来た時、気付いたかしら、というものを発見。

すっごくかわいいですよね!本体と時代は違うのではないかと想像しますけれど、正面扉の上にはめ込まれていました。
そして、こちらは、多分、前はアクセスできなかったと思うんですが。

美しい後陣ですね。
以前は、こちら側は、結構高い塀に囲われていて、扉が閉ざされていたと記憶します。まぁ、確信はできないのですけれども。
でも、入り口に、Giardino della Pieveと新しめの看板が掲げられていたし、おそらく、近年、アクセスできるように、整備したのではないか、と想像しています。
塀が結構高かったので、後陣の上の方が、ギリギリ見えるだけだったんですよ。

門のある右側が今は鉄柵ですが、かつては、門の周りと同じように、漆喰で塗り固めらた塀だったので、上の方しか見られなかったのです。
そうだ、写真を見ながら思い出しましたが、確か、この通りに、カギの家があったんでしたよ。だから、この小路を歩いて、この辺りまで行ったので、記憶に間違いはなさそうです。

やはり、定期的に再訪する価値はあるもんですね。
後陣、白くてきれいだから、修復が入って、それと同時に、公園として整備されたのかもね。
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- 2020/05/01(金) 23:20:50|
- トスカーナ・ロマネスク
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