fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

文字通り、「陸の孤島」。あまりに印象的な(チヴィタ・ディ・バーニョレジョ)

2017年7月 エトルリアを巡りつつロマネスクもちょっぴり、トスカーナとラツィオの旅 その19

週末を前倒しで取って、こちらでいうところのロング・ウィークエンドにして、山に行ってました。泊りは友人の山の家でしたが、ロックダウン以降、4か月以上ご無沙汰のレストランでの食事も体験。当たり前のことが全く当たり前じゃないという体験で、いろいろと不思議な気持ちになりました。

さて、まだ続くエトルリア起源の土地をめぐる旅。今回は、その印象的な全体像から。

2020 etruria 234

チヴィタ・ディ・バーニョレジョCivita di Bagnoregioです。
なんという印象的なお姿。ここも、近くを通過することは何度もあって、要は訪ねるチャンスは何度もあったのですが、ロマネスクに関係ないために、毎回行く時間を惜しんでしまって、これまで、アクセスすることがなかったのですが、このような姿を見たときは、もっと前に、一度は訪れる場所だったかも、と思いました。

なんだか、ありえないようなたたずまいですよねぇ。
もともとは、自然の土の道があったようなのですが、それが崩壊してしまったために、今は、こんな道が、崖に乗っかっているような状態の村とつながっています。

2020 etruria 235

この道の入り口で、入場料を徴収されます。おなかがでっぷりしたおっさんが、暇つぶしにやっているように、橋のたもとでチケットをチェックしていたと思います。ランニングシャツとか着ているのに、先のとんがったやけにおしゃれなブーツを履いていてのが、妙に印象的な親父でした。
入場料徴収なんて、イタリア的には、ちょっとそぐわないんですが、ここは仕方ないかな、という気もします。孤島度が高すぎて、住むのも無理って状態だと思うんだけど、でも村として、そのたたずまいは是非に残してほしいと思うし。

2020 etruria 236

この橋の部分だけでも、かなりの急坂です。それが、村に入ると、さらなる急こう配に。

2020 etruria 237

そして、こういう村にはつきもの、といった様子で、にゃんこが複数、出迎えてくれます。

2020 etruria 238

村の中心には、起源は古いけれど、改変著しくて、中世創建時とはほとんどかかわりない状態になってしまった教会がありますが、特段の観光施設があるわけでもありません。

2020 etruria 239

確かに、起源が古かったんだろう、と納得の遺構が適当に転がっていました。

2020 etruria 240

そんな村をぶらぶら歩いていると、入場1ユーロで、「エトルリア時代の地下洞窟、16世紀にはオリーブオイルの製造所となっていた」洞窟を見られる場所がありました。ピノキオの映画の撮影にも使われたとあった気がします。どのピノキオかわかりませんが。

2020 etruria 241

何はともあれ、1ユーロなら、惜しくもないし、おじさんがおいでおいでをしているので、入ってみることにしました。
内部は工房風ととなっていて、ここに至るまでに訪問したカルカータやピティリアーノの洞窟と共通する雰囲気があります。
でも、お金を取るだけあって、地下に行く階段が、きちんとアクセス可能になっているわけで、そこは価値がありました。

2020 etruria 242

この数段の階段が、エトルリア3000年の歴史をさかのぼるタイムマシンだと思うと、ちょっとわくわくします。
何があるというわけではありませんが、この洞窟を掘ったのは、確かにエトルリアの人たちだったのかと思うと、何かしら感慨深い。そして、数千年の時を経ても、大きくは変わっていないのではないか、と思われる風景を、この洞窟住居に暮らしていたエトルリアの人と同じ視線で眺めていると考えると、ちょっとこう、うれしいというのか、やはりタイムマシンだなぁ、と感じました。

2020 etruria 243

洞窟内に、古い時代の写真がありました。

2020 etruria 244

やはり、一度は行くべき場所でした。忘れずに、行くチャンスがあってよかったと思います。この姿を拝むだけでも、訪ねる価値はあると思います。

2020 etruria 245

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログ 建築鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

インスタグラムに、これまでのロマネスク写真を徐々にアップしています。
Instagram, Notaromanica
スポンサーサイト



  1. 2020/07/13(月) 05:42:32|
  2. 旅歩き
  3. | コメント:0
<<エトルリア、再訪を期して(キウジ) | ホーム | 古代遺跡好きな人限定で(ノルキア)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する