2017年7月 エトルリアを巡りつつロマネスクもちょっぴり、トスカーナとラツィオの旅 その20 最終回
この度の最後に立ち寄ったのは、キウジChiusiという町。ミラノへの帰り道の途上にあること、そして、この町もまた、エトルリア起源のため、興味があったのです。

まず訪ねたのは、キウジ国立エトルリア博物館Museo Nazionale Etrusco di Chiusiです(毎日9-20)。とても小さな入れ物で、収蔵品も多くはありませんが、すっきりとコンパクトに展示されていて、好感の持てる博物館だと思います。

お棺、でしょうか。もちろん、庶民のものではなく、それなりのお金のある人のもの。庶民は、おそらく装飾なしのテラコッタ製とかで、土に帰してしまって、逆に残ってないかも。

シンプルなツボなのに、腕が…。
こういう遊び心満載の装飾が、エトルリアらしくて、そして、私が好むところです。ギリシャやローマとは、明らかに違うものがあると思うんです。
おなじみの石棺は、もううじゃうじゃ状態です、笑。

ローマは、エトルリアの街を破壊しつくしたそうですが、ネクロポリまでは手が回らなかったというか、そこまで破壊する意味はないとかそういうことで、墳墓関連は、結構残っているということかな。町の遺構は、見事に基部以外は残ってないですからねぇ。
立派な石棺は、必ず浮彫で飾られていて、それは、葬られた人の生前の職業だったり、功績を顕す内容になっているようですから、これを研究するだけでも、かなり面白いかもしれないです。

これなどは、ギリシャというか、エジプト風というか、ツボに腕を付けちゃう遊び的な装飾とは違う方向性のまじめな装飾ですよねぇ。

猫足石棺。
この地域には、実に多くのネクロポリが発見はされているものの、きちんと整備して公開されている場所は、数えるほど。勝手にアクセスして、勝手に見学できる状態で放置されている場所もあるとか聞きましたが、今はどうなのかな。いずれにしても、アクセスしにくい場所なので、正確な案内なしにたどり着くのは難しそうですし、地下など、怖くて入れるものじゃないですよね。
おそらく、いまだに発掘されていない素晴らしい墳墓もあるかもしれないというロマンも、エトルリアの魅力かも。

このキウジという町、博物館のほかにもガイドツアーでアクセスできる地下通路などがあるのですが、毎日公開ではなく、時間的な制約があり、この時は参加できず、でした。写真で見た限りでは、ずいぶん昔に訪ねた、トルコのカッパドキアの地下都市などにも通じる雰囲気もあり、いや、あれほどの規模ではないとは思いますけれど、かなり興味深く、いつか、訪ねてみたいものです。
実は、この夏は、コロナで遠方に行けそうもないので、この辺りを探索してもいいかも、とうっすらと考えてはいるのですが、トスカーナも、このところ小さな感染源があちこちで発生しているので、悩ましいところです。
尻つぼみですが、この旅、終了。
エトルリア関連は、必ず再訪しますので、古代好きな方は、お楽しみに。
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- 2020/07/19(日) 23:17:22|
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