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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

長年気になっていたクリプタへGO(アスティ、サンタナスタシオ)

2020.06.ロックダウン明け、ピエモンテ日帰り訪問 その1

すっかりさぼり癖がついてしまって、写真の整理ができないまま時間ばかりがたっていきます。コロナで、いつものような旅ができない状況が続いていることも、さぼり癖を後押ししている感じ…。本当は、だからこそ、過去の写真をどんどんアップして、ブログで「今」を語れるようにしよう、ともくろんでいたんですが、とんでもないことでした、笑。
というわけで、アップしたい大物はたくさんあるのですが、現在のていたらくだと、過去にさかのぼる面倒さから、さらにアップが滞りそうなので、リズムを取り戻すべく、小さな旅の記録を片付けていこうと思います。

自分が住まうロンバルディア州を出て、他の州に行けるようになったのは、6月に入ってからでしたでしょうか。イタリアは、全国20州に区分されています。日本の県よりは大きな単位ですが、国土も小さいので、イメージとしては、県と同等といってよいのかと思います。ロックダウン中は、もっと厳しい時期は、さらに小さい単位である市間の移動もできませんでした。
それが州間移動解禁となって、うれしい気持ちもありましたが、様子見の気持ちもあり、ある週末の一日、この数年気になっていたアスティのある場所を目指すこととしました。

それが、こちらです。

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サンタナスタシオのクリプタ Cripta di Sant`Anastasioです(Corso Vittorio Alfieri 365/a アスティ市内の6か所の重要施設を訪問できる共通チケットが10ユーロ。このチケットは、当日のみならず有効なので、絶対にお得。クリプタだけなら5ユーロ。チケットは、クリプタより町の中心寄りの同じ通りにある美術館となっているPalazzo Mazzettiで購入)。

クリプタって、地下教会なのに、このビルは何?と思いますよね。私も、え?と思いました。実は、この位置にあった中世の教会は、今の地形でいえば、建物の一部と、町のメイン・ストリートCorso Vittorio Alfieriにあったはずの上物は、もはや影も形もなく、地下のクリプタだけが発掘された、ということなのです。

じらさず、核心に。

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かっこいいですよね!
以前、何かでこの写真を見てから、気になっていたのですが、なかなか行くチャンスがなかったのですが、今回、近郊で手ごろな場所がないかと考えていた時に、出かけようと思った週末の数日前に、ロックダウン後、再オープンしたばかりという情報に出会って、これは呼ばれているかも、と思って、訪ねたのです。

実は、再建部分も多いのですが、修復もよい感じで実施されており、クリプタ全体の雰囲気は、よく保存されています。

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1100年ごろとされていす。古そうな構造の中にも、ちゃんと装飾があるのが、11世紀後半と納得です。
ピエモンテは、レンガが多いと思いますが、ここにも使われていますね。おそらく上物も、レンガ構造だったのではないでしょうかね。

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それにしても、アスティの、結構な街中で、それなりの規模の教会だったと考えられるのですが、きれいさっぱりとなくなっているのはすごいですねぇ。教会の起源はロンゴバルド時代の8世紀にも遡るもので、12世紀に、より大きなバジリカ構造になったそうです。その教会は、1907年に壊されたそうなんです。
1907年って、何ですかね。町の再開発とかしたかったんでしょうか。千年も生きてきた建物を壊すなど、まさに蛮行以外の何物でもなく、アスティの人たち、何を考えていたんでしょうねぇ。

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右上にある明り取りみたいになっているところが、地面の高さで、Corso Vittorio Alfieriとなります。中央左部分にあるのが、クリプタの入り口。
この階段のある部分は、明り取りのところにあるのが柱の根元のようですから、もともとの本堂の床面と、地下の中間部分にあたるわけですね。今の地面は、1メートルくらい上にあることになりますね。

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この、立派な多角体の柱を見ると、教会は相当立派な規模のものであったと想像できますよね。

地下は広いスぺースとなっており、クリプタのみならず、教会にあったであろう柱頭などが展示されていて、これもまた、見ごたえがあります。

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柱が立派だから、柱頭も立派ですよ。

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シンプルな植物系。こういうの好みです。

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ずいぶんといろいろなものが掘り出されているんです。一体どういう始末をしたんでしょうね。壊して、そこらへんに転がしといたら、いつか埋まっちゃったとか?1907年で、そういうのって何なんでしょうねぇ。

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柱頭なんだから、柱の上に乗っかっている状態でみたかったです。
いずれにしても、想像以上に見ごたえのあるクリプタでした。
ロックダウン明けで、もしかして見学者が殺到していたらどうしよう、というのは杞憂に終わり、それもよかったです。

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  1. 2020/07/20(月) 01:17:01|
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