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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

こんな小さな博物館に、はるばるカベスタニー。(サン・カシアーノ・イン・バル・ディ・ペザ)

2020.08 コロナ禍中、炊飯器持参の夏休み(エトルリアとロマネスク)3

移動日でもあった初日の最後に訪ねたのは、こちらです。写真がほとんどないので、こんなものまでアップしちゃいます、笑。

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サン・ジュリアーノ・ゲッリ博物館 Museo San Giuliano Ghelli
Via Lucardesi 6 and/or Via Roma 37(普段は、どちらからでもアクセスできるようですが、Covidの今は、Via Lucardesiからだけのようでした。旧市街にあり、表示もあるので、迷いようはありません。)
サン・カシアーノ・イン・バル・ディ・ペザSan Casciano in Val di Pesa
木曜/日曜10-13 16-19 入場料3ユーロ
駐車は、旧市街すぐ外の、Piazza Repubblica、Via Giuseppe Garibaldiに止め放題です。

ずいぶん以前に、ロマネスク修行仲間に教えてもらったお宝があり、長い間、行きたいと思っていた場所です。
それが、これ。

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ロマネスク修行者なら、一目でわかりますよね。そう、カベスタニーなんです!トスカーナの、こんな田舎の小さな博物館に、なぜかカベスタニーがあるんですよ。

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写真を撮らない同行者が、珍しくこのカベスタニーは、3枚も撮影していて、感涙です(私は、おそらく30枚くらい撮影したと思いますが、笑)。

この博物館、意外と新しくて、2009年に開館したばかりだそうです。まさに地元の博物館という位置づけで、地域で見つかった先史時代の遺構から、地域出身の現代美術作品に至るまで、さまざまなものを少しずつ展示しています。
私は、このカベスタニーを目指して突進したのですが、一応全部目を通しました。小さいけれど、頑張ってやっているな、という意気込みは感じられる入れ物でしたよ。現代美術が好きな人がいるんじゃないか、という印象を受けました。というのは、つい最近、ミラノで見た展覧会の展示作品があったんですよ。それは、地元の作家の作品ではなく、外国人だったと思うんですけれど。

カベスタニーの彫りが入った円柱状のものは、この博物館に展示された教会美術の中では最も古く、キリストの誕生の場面を四つのシーンで表したものです。言わずもがなですが、12世紀後半、スペイン北部、フランス南部地域中心に活躍した石工さんがカベスタニーのマエストロと呼ばれています。トスカーナにも、なぜか散見されるのですよね。有名なのは、トスカーナ中部のサンタンティモ教会Basilica di Sant'Antimoにある柱頭です。
ここに展示されたカベスタニーは、Suganaにあるサン・ジョバンニ教会Pieve vecchia di San Giovanni in Suganaで、1800年代に、聖水盤として使われていたものだそうです。形から、聖水盤の支えだったのでしょうね。ただ、実際の出自については、まさに、柱頭のあるサンタンティモにあったものではないか、と考えられているそうです。

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実際に見るまで、サイズ感がわからなかったのですが、かなり小さいんです。確かに聖水盤とか、支えるとしてもその程度のものに向けたサイズです。でも、どういう風に置かれていたのか、ちょっとわかりにくいです。前面に彫りがありますから、壁付けではないですしね。直径が15/20センチくらい、高さは50センチ程度でしょうか。

サンタンティモにも驚きますが、これも驚きです。
地中海の港は近いですから、いわゆるカタラン地域と、船での交流があったのではないか、と考えられますけれど、それにしても、サンタンティモだけ、これだけ、というのも、不思議なんですよね。

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アンジェにあるノートルダム寺院のタンパンの彫り物も、飾られていました。オリジナルから型取りしたもののようです。
ずいぶん前に、一度訪ねたリョー・ミネルヴォアの柱頭もありました。

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本当に特徴的で、間違えようのない表現力ですよねぇ。目と手がね、すっごく印象的で。

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なんか、あんまり強いから、好悪が分かれるとか、あったかもしれないですねえ。なんでもありのロマネスクだから、大いにありではありますが、全部これだったら、疲れちゃう、くらいの濃さがあります。
私は、カベスタニーのことよく知らないし、すっごくファンというわけでもないですが、現存している数が少ないこともあり、また、こうしてすごくわずか、トスカーナで発見されていることで、興味はあるんです。寡作だけど、時代を超えて熱狂的なファンもいて、多くが散逸したとかそういう可能性もゼロじゃないしねぇ。

それにしても、こういう、地方の小さな博物館に、これを見たいがために、極東の国の人たちが、時々訪ねてきているんだと思うと、なんだか、すごいなって思ってしまいました。私は、ミラノに住んでいるから、割と当たり前のことをしていると思うんですが、この博物館を目指して、日本からくる人たち、すごいわ。自分も、相当激しい修行をしたりはしますが、いやはや、そういう方たちの情熱には太刀打ちできないとしみじみ。

いずれにしても、行けてよかったです。

しかし、代償が大きかったです、涙。
なんと、この町に到着した時、車の前輪に大きな釘のようなものが刺さっているのを発見。博物館見学の後、ホテルまでは行けましたけれど、翌朝、ぺしゃんこになっていました。
自分の盗難の項でも触れましたが、この時期、毎日夏休みでクローズになる店が増えているときですから、町の修理屋は全部クローズ。保険や車の販売店に電話してもらちが明かず、最後はホテルの人がネットで探しまくって見つけてくれた店まで20キロほどのドライブをして、タイヤ交換に成功した次第です。
半日潰れてしまいましたが、それだけで、旅を続けることができたのは、文字通り、不幸中の幸いでした。

自分の盗難の前に、こういう不幸があったので、自分の車のパンクも、自然のことかと反射的に思ってしまった不幸もあるんですけどね。
ちなみに、本日、無事、タイヤ交換できました。免責があるのでわずかですが、保険から返金もありそうで、ちょっとだけ救われた気持ちです。

最後に、とってもかわいらしかったので、博物館に併設されている図書館の看板を張っておきます(Via Romaには、この看板です)。写真、ないものですから…、何でもかんでも、笑。

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  1. 2020/08/27(木) 05:24:15|
  2. トスカーナ・ロマネスク
  3. | コメント:0
<<柱だけが目的というのも、いかにも地味で…(サンタッピアーノ-バルベリーノ・ヴァル・デルザ) | ホーム | リベンジできたのに…涙(キアンニ)>>

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