2020.08 コロナ禍中、炊飯器持参の夏休み(エトルリアとロマネスク)5
前回紹介した洗礼堂の遺構のあるサンタッピアーノのあたりには、他にもいくつか訪ねたい教会があったのですが、この日は、タイヤ交換で午前中を無駄に使ってしまっており、洗礼堂も、一般的にはインパクトの少ない場所であったことから、開いてもいない教会を訪ねるのはちょっと遠慮して、同行者が希望していた町に行くことにしました。
最も興味があったのは、これまで未訪のチェッダCeddaという村にある教会です。
上の地図で、印のついたのがチェッダです。上の方に、サンタッピアーノがあります。このチェッダとか、そのすぐ下にあるタルチョーナTalcionaに行きたかったのですが、チェッダは、事前に教区に尋ねたところ、「いつもはカギが近所の家にあるから頼めばよいが、今はCovidのため、クローズとしている」ということでした。
もしカギがあるなら、そうはいっても、行けば開けてもらえるのではないか、という希望的な推測もしたのですが、しかし、チェッダにしても、タルチョーナにしても、基点から一本道で、通り抜けできず、行ったら引き返してくるしかない、といったロケーションなので、距離は大したことなさそうではあるのですが、それぞれに時間がかかりそうです。
同行者の希望もあるので、これらの理由から、まずはあきらめ、帰り道に時間が余ったら、タルチョーナだけでも行きたい、ということで、先に進みました。
行先は、ヴォルテッラVolterraです。
丘の上の中世の町です。それなりに観光地として有名で、私も昔から知っているのですが、そういえば、訪ねるのは、今回が初めて。昔の私にとっては、それなりに興味のある町だったはずですが、それっきりになってしまって。今回は、エトルリアが目的ではあったのですが、この日は、タイヤのこともあり、同行者ともども、遺跡を歩くような気分ではなく、「今日はヴォルテッラを観光できたし、良かったね」と思いたいくらいの気持ちで向かいました。なんというんですかね、無駄な午前中を過ごした分、それなりに充実させたい、みたいな気持ちです。
強い興味はなかったですけれど、私の場合、行くなら見るべきものは、まず必ずといいほどあるので、一応見るべきものについては、メモしていました。
便利なもので、今はスマホで、駐車場なども事前に検索できますから、助かりますよね。
この町、結果的には観光的には大したことないじゃん、と思ったんですが、笑、観光政策が結構しっかりしていて、旧市街を取り巻くように、有料駐車場が、たくさんありました。その分、無料の駐車は、見つけにくいようです。丘の上だから、そうやりやすいし、有料といっても1時間とか1時間半で2ユーロ程度の話なので、それでよいのですけれど、かなりしっかりしていたので、びっくりしたのと、また駐車場がかなり混雑していたのもびっくりでした。ちなみに、駐車場はP1で、中心部がすぐで、便利でした。
町の中心の広場、たぶんプリオーリ広場(Piazza dei Priori)は、かなりの人込みで、マスクを着けていない人も多数で、辟易としました。まずは、おにぎりランチの場所を探していたのですが、人込みを避けていたら、自然とカテドラルのある広場に出ました。ここには洗礼堂も建っていますが、びっくりするくらい、人は少なかったです。
カテドラルの鐘楼のふもとに突き出したベンチ上の石段で、すっかり遅くなってしまった、おにぎりランチとしました。風が通って、かなり気持ちの良いスペース。あれほどの観光客は、一体どこに行ってしまったのか、不思議な気持ちで、まずは、花より団子。
サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂Cattedrale di Santa Maria Assunta(画像、またお借りしています)。
実は、ほとんど期待していなかったんですが、かわいかったんです!なんと、私の好きなピサ様式でした。ひし形の開口部や、はめ込み装飾、うっとりです。そして、横の方にも、また垂涎物が…。
ニコラ・ピサーノによるものとされているようです。まさにピサ!
これまた大好きなつけ柱が…。
このファサード右手、つまり南側ということになるのでしょうが、ここの壁だけ古い部分が残されていたのですが、それはうっとりするような古びたつけ柱でした。
こんなマイナーな部分、同行者がよくぞ撮影してくれた、とびっくりしたんですが、たぶん、私がすっごく興奮していたから、そんないいものか、とか思って、撮影してくれたのではないか、と想像します、笑。これに興奮する人って、あまりいないはずだし…。
よく見るとね、上の方にも、浅浮彫があるんです。陽光が強烈で、肉眼では見えにくかった分、かなりの枚数の写真を撮ったと思います…。
写真が少ないので、愛するつけ柱も、ちょっとズームして。
中には、12世紀の説教壇があるということで、入りましたが、それ以外はピカピカのキラキラです。
これ自体も、全体は、結構時代下っている印象だし、あまり好みではありませんでした。緻密な浮彫、というより彫刻も、すでにロマネスク出ちゃってる感が強くて。
ファサードと向き合う形で洗礼堂がありますが、こちらは、カテドラルより後の13世紀の建造物。オリジナルは、10世紀とからしかったです。
サン・ジョバンニ洗礼堂Battistero di San Giovanni。
面白味は、ありませんでした。一応、全面、確認したけれど、特に楽しい発見はなかったと思います。
もともとは、異教の教会があった場所に建てられたものだそうです。相当古いってことですけど、今は、13世紀のものしか残ってなさそう。中もキラキラです。
カテドラルにも洗礼堂にも、大理石が使われているのは、さすがカッラーラ近くということでしょうかね。
地味ですが、訪ねることができてよかった。
この町にすっごく興味があった同行者、マスクなしの観光客にひるんだのと、意外と大したことのない街並みに、あっという間に満足して、たぶん、1時間程度でサヨナラとなったと思います。おにぎりを食べるために行ったみたいな感じでしたが、それもよし!
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2020/08/31(月) 01:25:35 |
トスカーナ・ロマネスク
| コメント:2
この軒下彫刻、いいですねえ。渦巻き(ワラビみたい) それにお花の連続(唐草のなか?)
軒下にこういう彫刻、初めて見ました。
日本では街中ではマスク無しはいないと思います(殆ど出かけていませんが)
矢張りイタリア人はアバウト?それとも、もうかかる人はかかってしまったから、大丈夫と思っているのでしょうか。
ともかくcorsa 様、おきをつけになって!
インスタの写真、おおきく、石のデコボコ感もしっかり写っていて、楽しませていただいています。
2020/08/31(月) 00:08:18 |
URL |
yk #C8Q1CD3g
[ 編集 ]
ykさん
ありがとうございます。
軒下の彫刻って、たまに見るんですけど、こんなにびっしり、というのは珍しいように思います。地味ですが、ちょっと気になる教会でした。返す返すも、自分の写真がなくて残念な毎日。でも、一人だったら、まったくなかったし、メモ帳が戻ってきたから、行程も詳細に終えますし、よしとしなければいけませんね。
バカンスが終わって、欧州では、感染者がまた増えています。スペインやフランスに比べると、さすが怖がりのイタリア人の国では、ずいぶんと抑えられていますが、それでも、この数日は千人越え。どうなることやらです。
日本も、まだどうなるかわからない状態だと思いますので、どうぞお気を付けて。
インスタ、さぼり気味でしたが、おかげさまで再開しました。楽しんでいただければ幸いです。バルテッリーナ、もう少し続けますね。
2020/09/03(木) 21:46:13 |
URL |
Notaromanica #-
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