2020.08 コロナ禍中、炊飯器持参の夏休み(エトルリアとロマネスク)8
さて、次に紹介しておこうと思うのは、実は、今回、写真を失ったことが最も悔やまれる教会です。
チヴィタ・カステッラーナCivita' Castellanaの、クラリッセ・アル・カルミネ修道院Monastero delle Clarisse al Carmineのサンタ・マリア・デル・カルミネ教会Chiesa di Santa Maria del Carmineです。
上は、2013年のイースターに旅をした時の写真です。
ここは、現役の女子修道院のようなんですよ。入り口に、こんな日課が掲げられています。
このチヴィタは、わざわざ行ったというよりは、通り道として通過したので、それならせっかくだから、ロマネスクを再訪するか、と思い、ここではなくて、確か素敵なフレスコ画があると記憶している、町の中心部にあるドゥオモに立ちよるつもりだったんです。
ただ、前回もそうだったんですが、この修道院は、町をほぼ貫通する幹線道路に沿ってあり、その道は路肩に駐車できるもんですから、この近くに駐車したこともあり、それで、立ち寄ってみたんですよ。
そうしたら、なんと、絶対に開きそうもない教会の扉が、ほんのわずか開いているじゃないですか!この鐘楼の左側にある扉です(これも、以前の写真です)。
半信半疑で押してみると、ちゃんと開いています。小躍りする気持ちでするりと本堂へ。
かなり薄暗くて、陽光さんさんの外から入ってきた目では、ほとんど暗闇でしたが、うら若き修道女さんが一人、驚いてたたずんでいるのが目に入りました。教会に修道女さんがいるのは、当たり前のことではありますから、こちらは何とも思わず、小声であいさつをしながらも、カメラのスイッチをオン!本堂中をなめまわすように見回しながら、撮影開始です。
薄闇に浮かび上がるような、素朴な柱頭、そして、実際の年代はわからないながらも、面白い浮彫の施された祭壇が、すぐに目を引きます。その状態の端で、修道女さんが、逃げるように本堂を去っていったのが見えました。
その慌てぶりに違和感もあり、これは、追い出されるのではないか、と悪い予感もあり、慌てて数枚の撮影をしたところ、修道女さんがすぐ戻ってきて、蚊の鳴くような声で、「あの、教会は閉まっているんです。開放していないので、恐れ入りますが、お帰りください…。」と、予感的中です。
別に扉をこじ開けて入ったわけでもないのですが、まるで、そうやって不法侵入でもしたような気にさせられるような、何とも居心地の悪い修道女さんの案内でした。すっごく若い娘さんだったし、こっちはわけのわからない東洋のおばさん二人で、実際に怖かったのかも知れませんねぇ。だとしたら、申し訳なかったですけど、まぁ、扉が開いていたのは、彼らの不行き届きだし、仕方ないですね。
ここ、修道院なので、ロマネスクの回廊もあるようなんですが、あまり写真とかも出てこないし、どういう状態なのか不明。そもそも、ほとんど開いていないと思うので、本堂は、ミサの時に入れるかもしれないけれど、回廊などは無理そうですね、現役だとしたら、それも女子修道院だしね。
そんなわけで、他のどの教会よりも、貴重な写真だったかもしれないと思うと、ちくしょー、と思ってしまいます。
ちなみに、私が勝手に、心模様も含めてそういうドラマをやっていた最中、同行者は写真の一枚も撮らずに何をやっていたかというと…。
なんかね、ずっとごそごそ探しているな、というのは気付いていたんです。教会の椅子にバッグを置いて、なんかガサゴソ音を立てていて、何をしているんだろう、とは疑問に思いつつ、それどころじゃなかったんで、追い出されてから聞いたところ、「あんまり暑いから、センスを探してたけど、とうとう見つからないうちに追い出された。教会の中は、ほとんど何一つ見ていない」と。追い打ちをかけるように、「センスを探しながら、せっかく訪問者(=私たち)が来たというのに、明りもつけてくれない気の利かない修道女だな、とイラっとしていた」と。
私は私で、自分の心模様を説明して、同じ空間で同じ時間を過ごしたというのに、そのあまりの落差に、大爆笑しました。
この人とは、良く一緒に旅行をしているんですが、たぶんこういう人だから、気楽に長時間過ごせるんだと実感しました。お互いが好き勝手にできるとか、干渉しすぎないとか、そういう距離感って、大事ですよね。あ、あと、経済感覚も、すごく大事。
写真撮ってくれないけど、多くの旅で、良い相棒です。
本来目指していた、ドゥオモ、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂Cattedrale di Santa Maria Maggioreです。
フレスコ画があると思い込んでいたドゥオモは、大きな勘違いで、こちらも、2013年の旅では入れなかったらしいことを、今、昔の写真を見て思い出しました。訪問した時に、確かミサの最中だったのではないかと、うっすらと記憶が。
終わるまで待っている時間の余裕がなく、外だけ見て、引き揚げたんです、たぶん。
今回は、こちらは中に入ることができたので、これまたリベンジ成功だったわけですが、それも、大いに遅ればせで今気づいたわけですが、笑、いずれにしても、写真は一枚もないので、成功といえないことも、また気付いたわけで。
内部はかなりキラキラなんですが、古いクリプタがあります。ラツィオには、本当にクリプタが多いです。ただここのは、起原は古いけれど、全体にすっきりきれいになり過ぎていた感じがあって、あまり印象に残りませんでした。もちろん、写真がないことも一因です。
こういう感じです。これはネットからお借りしました。
いろいろ悔しいから、この町もまた、再訪しないといけないリストに並びました。まぁ、2013年の旅などは、イースターの3泊4日の旅で、かなり回れているので、そう考えれば、週末にちょっとくっつければ行けるかな、と気楽に考えています。
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2020/09/10(木) 05:08:16 |
ラツィオ・ロマネスク
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