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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

こういう風に好物に会うって、至福(アレッツォ)

2020.08 コロナ禍中、炊飯器持参の夏休み(エトルリアとロマネスク)11

行ったり来たりになってしまいますが、ロマネスク編として、重大な場所について記すのをうっかり忘れていたので、ちょっとロマネスクに戻ります。
重大なのに忘れていたのは、同行者の写真が、一枚もなかったからなんです…。つまり、一般的には、そそられない場所、ということになりますねぇ。

etruria romanica 058

アレッツォArezzoの、サンタ・マリア教会Chiesa di Santa Maria della Pieveです。

アレッツォという町は、なんだか縁がなくて、トスカーナはシエナに一年以上暮らして、当時は貧乏ながらやたら旅をしたというのに、なぜかこの町に行くことはなかったし、ミラノに暮らすようになってからも、トスカーナへ行くことは多数あったのに、なぜか縁がなかったんですよねぇ。
ピエロ・デッラ・フランチェスカというポイントもあったのに、特段興味がなかったり、そうこうするうちに、「La Vita e' Bella」という映画がオスカーを撮ったりして、その撮影現場の一つとなったことで変に有名になってしまったのが嫌気になったりとか、色々理由はあるんですけれど、たぶん、一番の理由は、ロマネスクとしてみるべきではあるけれど、画像的にはそこばかり出てくる、この後陣の写真が、自分にとっては、さほど魅力的とも感じられなかったのが、どうしても行こう、という気持ちにならずに、ま、次回でいいか、とほったらかしていた理由だと思います。

今回、半分そういう気持ちで、でもせっかく時間あるし、ではちょっとだけ寄り道してもよかろうか、という半端な感じで行ったわけなんですが、もう本当に、オレ、反省しろよ!と、真剣に自らを呪いました…。

もうね、素晴らしいんですもん、ファサードが。
(画像は、すべてネットからお借りしていますので、解像度的には、あまりよくないと思います…。)

etruria romanica 059

トップに置いた、広場に向いている後陣の画像が有名すぎて、ファサード側って、あまり出てこないし、正直知らなかったんです、まったく。だから、町はずれに車を止めて、徒歩で教会に向かって、まずアクセスしたこのファサードの様子がちらりと見えたとき、驚愕しました。

そもそも、道が狭くて、全貌は見えないんですよ、なかなか。そのうえ、町を訪ねることが初めてですから、あれが目的かどうかは不明な中、でも、どう考えても、ロマネスク時代ってあれしかありえないわけで、興奮のるつぼでしたわ、まじ。

etruria romanica 060

これまで何度も言及しているように、私、ピサ様式、大好きなんです。
でも、アレッツォにピサ様式って、想像もしてなかったんで、これは衝撃でしたよ。

後陣もね、なかなか良いのですけれど、いや、このファサード見ちゃったら、正直、もうどうでもいいって感じになりました。La Vita e' Bellaは、完全に忘却の彼方です、笑。

ここのファサードが良いのは、石色もありますし、ピサやルッカのような過剰装飾じゃなくて、素朴な石装飾にとどまっているところで、まさに私が最も好きなピサ様式のバリエなんです。以前の記事で紹介したキアンニなんかに通じるやつ。装飾的なんだけど、朽ちてる感が勝っているのが、もうたまらなくそそるんですよねぇ。

ずっと見てて飽きないファサードでした。

確か、ファサード側に回って、入ろうとしたら、お葬式のセレモニーの最中で、しばらく、ファサードを見上げながら終了を待っていたんですが、もう全くいやじゃなかったです。

etruria romanica 062

地味な扉口周りにも、結構彫り物があり、それも、詳細を見るのが楽しかったですし、とにかく全体の雰囲気が、もうもう、大好きでした。

etruria romanica 063

そのインパクトのせいか、実は、結構待った挙句に、やっと中に入れたんですが、内部の記憶は、ほとんとなしなんです。

etruria romanica 061

長年気になっていたとはいえ、まさかこういう形で自分の好きなものだったとは、という驚きも含めて、ここは、ぜひ再訪したい教会の一つです。

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  1. 2020/09/19(土) 05:16:49|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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