2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その16
ラペイルで、いやな汗をさんざんかいた後に向かったのは、こちらです。

最初は調子よく走っていたんですけれど、目的地モンジョーの南に、サン・ロームって見えるでしょうか。そのあたりから、くねくねのすっごく下り坂が始まって、どこまでもどこまでも下りていくんですよ。今、紙の地図を見直して、道はそれほど細くないけれど、急坂のしるしである二本矢印が付いていて、納得です。くだりだから怖さはのぼりよりは少ないとはいえ、本当に谷に転がり落ちていく感じです。
そして、村にこういう感じでアクセスするんですが…。

見ての通り、村は斜面を下に下に、という様子で成り立っているじゃないですか。さらに降りるんですよ、これが。
で、いっちばんどん詰まり的な場所に、ちょっとした塔が見えると思いますが、それが目的の教会なんですよねぇ。
事前に地図を印刷していたと思うので、教会の位置はなんとなくわかっていて、とにかく進むしかないという認識はしていたものの、村の細い道を、そろそろと下りながら、不安マックス。村人にたずねると、「大丈夫、この道を進み、さらにカーブを二つ過ごせば、教会だよ」、と何でもないように教えてくれます。
そりゃ地元の人にとっては何でもないんでしょうが、車一台通れるのがやっとの道に急坂、私には、足を踏み入れることもはばかられるような土地なんです。
尋ねたのは、カーブの突端に建っている家の人で、最初に尋ねた場所からその家を回るようにカーブをやり過ごした時点で、その先の道がさらに細いことに気付いて、またいやな汗が…、笑。
で、車を停めて、先ほどの家を見上げると、同じ人がバルコニーにいたので、本当に、ここで、いいの?車で行けるの?と疑心暗鬼目いっぱいで尋ねると、本当に大丈夫だから、その次のカーブを曲がればそこだから!とにやにやと返されました。
怖かったですけれど、勇気を奮って進みました。というより、駐車できる場所もないので、もう進むしかなかったんですけどね。
その時、後方からでかいバイクが追うようにやってきたので、やり過ごすこともできず、つい焦ってカーブを曲がった勢いで、本来の道を外れて、誰かの家の庭に入り込むというおまけまでついてきました。

これは、教会前から、降りてきた道を眺めたところ。どん詰まりが、最後のカーブです。ここはいきなり広くなって、本当にほっとしました。
しかし、これほど苦労してたどり着いた教会ですが、いざファサードを見たら、気が抜けました。

モンジョーMontjauxのサン・キリヌス教会Eglise Saint-Quirinusです。
このファサードだけ見たら、かなり失望しますよね?
でも実は実は、なんですよ~。
でもでも、まずは外側から行きましょう。

ここ、墓地の教会なんですね。
後陣側が、村のお墓となっています。
アクセスが、町の下にあると、教会は高い場所に建っていることがほとんどだと思いますが、アクセスが上の方だと、下に行けば行くほど、上座、ということになって、教会がこんな場所になるのかな、笑。
行き止まりというわけではなかったですが、この墓地の先は、こんな様子。まさにどん詰まり感、半端ないです。

さて、後陣側も、建築的には、あまりそそられない様子です。でも、脇に古いスタイルの扉口が。

地味ではありますが、ファサード側の扉がこれだったら、結構うれしかったと思います。

地味なアーチに軒持ち送り。全体傷んでいますけれど、多く改修されてしまった中で、よく残してくれました。
溶けています。雨風にさらされて千年以上だから、当たり前のところもありますが、やはり石の材質にもよりますよね。これは風化しやすいタイプの石なのでしょう。

軒持ち送りは、二つだけフィギュア系でした。
こちらも傷んでいますので、よくはわからないのですが、もしかして、エロティック系だったりしますかね?

頭が逆立っているのは、雷神か、?、サルか?

こっちはもっとわからない。なんにでも見えるし、なんにも見えないし。
足組んでるんですかね。それとも足じゃないのかな。まるで、よくピエトロさんが持たされている巨大な天国のカギみたいのを持っていますが、軒持ち送りにペトロンはあり得ないし、笑。
また勝手な想像を楽しんでおります。次回、中に入りますよ。ファサードからは予想もつかない楽しさです。
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- 2020/11/13(金) 06:25:45|
- ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
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