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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

石に襲われる感触(カステルノー・ペゲイロル12)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その18

モンジョーの村の小道を、また逆に戻って村を出ようというとき、行きに二度も道を確かめたおじさんが、また道端にいたので、バカの一つ覚えのフランス語で、C'est beau!Merci'!と声をかけて、去りました。馬鹿の一つ覚えでも、何かしら発言できるのは、助かりますよ。

そして、次に向かったのは、もう驚くような石の村でした。

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カステルノー・ペゲイロルCastelnau Pegayrolsです。
上の写真は模型なんですが、石で作られていて、まさにこの村そのもの…。教会のわきに置かれていたものです。

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その村の中心地に建つ、サン・ミシェル教会Eglise Saint-Michelです。
ちょっとした斜面に建っているんだけど、それを補完するように、緩やかな坂道と階段みたいな作りになっていて、それもすべて石で、本当に村全体の石の質感というか、これでもか状態というか、とにかく石にぐいぐい迫られる、石主張の村。きっと近在で石がどかどかとれちゃうとかそういうことなんだと思います。この色の石、絶対地元産。ちょっと暗い系の色なんで、村は重々しくどっしりしています。

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それでも、中はやっぱり白いんです。フランスですよね。
パッと見、ほとんと無装飾っぽいんですけど、よく見ていくと、ところどころに、ちょっとしたものがあるんです。ここは宝さがし系ですね。

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奥ゆかしい様子の浅浮彫が、さらりとあるんです。
単純な植物モチーフのフリーズなのに、よく見ると、両脇しっかりかわいいやつがもぐもぐだったりね、さりげない。

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シナモンロール系も充実で、素朴浮彫フリーズ特集としては、なかなか全集感があります。地味だけどね、本当に、笑。
これだけを目的に行く、というのはないですが、でも、ちょっといいよねって思います。

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それに、村のたたずまい同様、この教会の中も、石がぐいぐい来ます。

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こういう写真って、おそらく、すっごく限定的な一部の人にしか訴えないと思うんだけど、床石好きには、ぐっとくるたたずまいじゃないでしょうか。私にはぐっと来ます。

この、内陣との境にある階段の、何とも稚拙な様子のカーブも、かなりぐっと、つかまれる感じです…。こういうのは、病気のなせる業ですね。

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階段があるということは、そうです。クリプタありです。

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おお、何ともプリミティブな石段!
これは、と石の急襲に備えましたが、クリプタは、とっても規則正しい切り石の積み石で、クリプタというよりも、氷室とかそういった用途の場所のようでした。

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でも、現地で見た簡単な説明によれば、このクリプタはカロリング時代のもので、今ある教会の中で最も古い建設。何室かに分かれているし、礼拝所というよりは、墓所だったのかもしれません。今は、何も置かれていませんけれど、作りがなんとなく墓っぽいですよね。

外に出ます。
後陣の方は、すっかり後付風。

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面白さはほとんどないですが、回り込むと、ヒミツの花園みたいな公園になっていて、ベンチなども置いてあったので、ホテルでぱちったスナックをいただいて、簡易ランチにしたんだったと思います。

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そちら側に、司教館なのか、とにかく教会とくっついた建物があったり、古い部分が見え隠れしたりするので、必ず秘密の花園経由で、回ることをお勧めします。

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地味な割に、たくさん写真をアップしてしまったのは、地味だけど、村のたたずまいも含めて、行く価値があるように思うからなんです。でも地味であればあるほど、良さを伝えるのは難しいもので、数しかないかなっという感じになってしまいました。

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この村の一番の魅力は、やはり襲われるくらいの石の自己主張ですかね。

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私のつたない写真では、絶対に伝わらない確信がありますけれど…。

ちなみにこの村では、周囲の路肩に車が停め放題状態だったので、絶対こすりたくないな、という村の中には入ることなく、無事、楽しく徒歩で教会にアクセスしました。
村の中心部に、一軒だけ、カフェもありましたので、ありがたくトイレ休憩をさせていただきました。カフェがあるだけでもありがたいとは、こういう修行旅ではよくあることですから、地獄に仏状態でした。

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