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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

段差といえばタモリさんですが…(エスパリオン12-アヴェイロン、その3)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その31

エスパリオンEspalionのサンティラリアン・ド・ペルス教会Eglise Saint'Hilarian de Perse、続きです。

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外側をうろうろしてましたけど、やっと中をご案内。
中に入った時も、ウォーって思いましたけど、正直、それを伝えられるような写真は撮れていませんでした。

言い訳じゃないんですけど、修行旅の時って、どうしても資料的な気持ちで、あれもこれも、と数を撮影する傾向が強くて、そこを表現するような一枚を撮る余裕も気合もないっていうところがあります。日帰り旅の時の方が、そういう意味では、気合の一枚を探そうとする気持ちがあって、まぁそれでも、ほとんど失敗しますけれども、笑。

撮影という意味では、フィルムカメラの時代の方が、無駄に撮れなかったんで、良い一枚が撮れる確率が、格段に高かったと思います。今やデジタルしか知らない人口の方が多そうですから、そういう気合みたいなもの、分かってもらえなさそうですが…。

そういえば、最初に買ったデジカメは単三電池を四本を入れなければならないタイプでした。それでも、フィルムみたいな限界がないというだけで、本当にうれしかったですよねぇ。いやはや、電池四本って…。

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後陣の方です。外はかくかくしていますが、中はちゃんと円形カーブです。
この開口部とかそういう構造も、コンクのマネとあったように思います。

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正確にはわからないのですが、上の図で、一番左の方は、後付で付け足されたとか、そういうことなのじゃないかと思います。いずれにしても、この教会のつくりは、これまたコンクもそうらしいんですけれど、建物全体の半分くらいが、聖職者用のスペースで、比率がちょっと他には無いようなものだとありました。上の図で行くと、多分後陣と翼廊部分が全部聖職者用ということだったんだと思います。

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手前にあるのが信者用の立派な入り口で、奥の方にある小さなのが、聖職者用の入り口みたいでした。でも、図にはないので、後付の扉なのかも。
その扉から入った天井は、こんなきらびやかな。

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この場合、私の好物は、素朴な柱頭の方ですけどね、笑。
ほら、鳩サブレレベルで素朴な…。かわいいです。上にあるチェッカー帯も好物ですし。

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技術はいまいちな人たちだったんだと思いますが、努力は感じられます。

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いっそシンプルな植物モチーフで統一してもよかったんじゃないか、と感じたりもしますけれど、何かこういうドラマみたいな柱頭を置かねば、置きたい、という流れがあったんでしょうかね。

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でも、どっちかというと、シンプルな柱頭の方が、インパクトあるし、雰囲気にもあってると思っちゃいます。

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ってか、謎めいていて、圧倒的にいいよね。
まぁ、千年後の人の好みを考えて彫ってたわけでもなかろうし、千年後に、コンクのマネっ子だ!なんていわれちゃうとは思わなかっただろうし。残ってしまう文化の怖さっていうか、黒歴史的な、笑。

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後陣の方から、信者スペースを見た図です。
今一瞬パニック。階段が見えますが、あれはメインの扉口なんですよね。この激しい段差って、どうなっていたんだっけ?

聖職者用の扉口の方は、同じ高さで、階段などなかったと思います。つまり、外から見ても、そうはわかりませんが、ここ、後陣側が、相当低くなっているということなんですね?

4枚目の写真を見ると、そうかもね、と思わされます。
それにしてもかなりの段差。そこまでして、後陣を崖ぎりぎりに持ってきたかったのかな。
今は墓地スペースになっていて、広い平地なので、当時の雰囲気とは違っていて、全体もっとアップダウンしていて、この場所以外はあり得ないくらい、平らなところが少なかった可能性もあります。特に、この部分は、ちょっと後付みたいだから、最初は、想定していないことだったのかな。

こういったことは、現地では、まったく気が付いていませんでした。写真を見ながら振り返る、特にこうやって書きながら振り返る作業で、気付きがたくさんあるのです。
私の場合は、記憶保持のために、くだらないことばかり書いていますが、実はこういう効果があるのです。
多くを訪ねて、写真も多くお持ちの方には、ぜひ、形にしながら振り返る、特に書く作業はお勧めだと思います。絶対に、色々気付くことがあるし、再訪したくなりますよ。大体気付くことっていうのは、なぜここだけ、ちゃんと撮影してないんだよ~!というところだったりしますので。ふふ、悔しがる仲間を増やそうとしています。

とは言いながら、実際に再訪しても、きっとまた同じところに感動して、同じ見方をして、また忘れた!となったりするのが落ちなんですけどね、私の場合。

脱線ばかりでしたが、ここは、本当に再訪したい教会の筆頭です。

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  1. 2020/12/12(土) 20:19:20|
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