2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その33
ロット川沿いにある町村にたたずむ、決して華やかではないけれど味のあるタイプの教会を多数堪能した後、実は、まだ時間的には多少早めではあったのですが、前日からの宿泊地に戻ることにしました。
というのも、宿泊している町というのは、意外と見学しづらいんですよね。大抵到着は遅くて夕食の時間ギリ、となってしまいますし、翌朝は、移動時間を考慮して、早めの出立ということが多くて、宿泊しているのにその地の教会を訪ねる適当な時間がない、となってしまいます。もちろん、重要な教会のある場合は、逆に、ゆったりとした日程を組むわけですが、ここの教会は、時間が合わなければパスしてもいいかな、という印象だったんです。
でもね、早く戻って大正解でした。やっぱりなんか予感があったのかなぁ、笑。
宿泊したのは、ボズールBozoulsという町です。

グーグルの地図ですけれど、今の町は、右側の大半で、平地にあるいたって普通の町です。私が宿泊したホテルも、そちらの方の住宅街みたいな道沿いにありました。
でも、もともとは、左の方の、道がグネグネした方が町だったはずで、平地にある今の町は、新しいのだと思います。
ホテルは普通の町の中にありますから、この日教会のある旧市街の方に行って、仰天しました。

これもグーグルですけれど、左の方のグネグネの部分、分かりますでしょうか。小さくてわかりにくいですけれど、その真っただ中に教会の名前も見えると思います。
地図でも航空写真でも、高低差はわからない、という話を、少し前の記事に書いたと思いますけれど、ここも、高低差がポイントなんです。地図で、お店とかいろいろグーグル的なシンボルが並んでいる道、それが、平地の末端の道で、くらい色になっているのは緑なんです。その末端の道から、ぐっと渓谷になっていて、その中の中州みたいな土地に、教会があるんですよ。
あ、この地図の方がわかりやすそうです。

あ、これはもっとドラマチックで、かつ分かりやすいですね。

ね、渓谷がぐるっとなっていて、中州状になっている突端に教会があって、教会までの道も、町の延長になっていて。今の町は、渓谷の向こう、上の写真だと奥の方に平地で広がっているのですよ。
これはもう本当にたまげました。あまりにすごい予想できない風景だったので。教会を見に来て、町の方に惹かれる、というのは、あまりないのですが、というか、大抵の場合、教会を目指してそこだけ見て、町などほとんど歩くこともなく次に移動する、ということが多いので、町に感銘を受けることは本当に少ないんです。
それに、これだけ長く欧州に暮らしていると、普通の中世の雰囲気くらいでは、ふーん、程度の印象だったりする、もはやかわいくない旅人状態なんですよね。
それが、このボズールは、もうわくわくしちゃいました。
町側から見る教会。

渓谷の下に、道が見えます。緑の中、美しい公園ですよね。でも、あそこまで、どうやって行くんだろう。

この谷底の道は、ずっと続いています。緑がうっそうとしているけれど、川も隠されているのかな、とじっと見ていると、見える場所がありました!

なんだかうっとりするような土地です。
それにしても、あのへんてこな場所にある教会までは、どうしたらいいんだろう、と思ったら、ちゃんと車で行けるんです。確か事前に教会の住所をメモしておいたので、それをナビに入れたら、ちゃんと行けました。
あの道を通ったのかな、とか、見学の後、上から確認。

一旦、かなり低いところまで降りて、それからまた緩やかに上る、というような道になります。でも、教会の近くまで、かなりびっしりと住宅街で、それはそれでまたびっくりしました。

この町は、この町の散策だけで半日くらい時間をとっても良かったと残念に思いました。渓谷の下の方まで歩いてみたかったです。
肝心の教会は次回。

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- 2020/12/19(土) 02:50:02|
- ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
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