2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その36
皆様におかれましては、楽しいクリスマスをお過ごしになれましたでしょうか。
わたくし、ロックダウンのミラノで、一人寂しく酒を飲む覚悟でおりましたが、幸い、家族に加えて友人間でも、自宅での食事会を催すことが特例的に認められたため、友人宅にて焼肉ランチを楽しむことができました。
それにしても、クリスマス・イブからずっと、町中がしーーーんとしている、まさにサイレント・ナイトで、異次元に来てしまったような違和感満載です。

コンクConques、サント・フォワ修道院教会Ancienne Abbaye Sainte-Foy続きです。
この教会の攻略については、事前に在フランスの友人から色々と情報を得ておりました。各種ツアーがあるから、まずは観光局に行き、すぐにツアーの申し込みをせよ、という指令も受け取っておりました、笑。
で、何はともあれ、という感じで、教会近くにある観光局に立ち寄り、ガイドツアーの申し込みをしたのです。二階部分(トリビューン)に登れるガイドツアーが日中と夜間、どちらもあり、そのどちらも申し込みました。
驚いたことに、観光局の受付の方、片言の日本語を使われました。たまに団体が来るかもしれませんが、日本人の総数はさほどとは思えないので、単に語学好き、または日本好きなんだと思います。いずれにせよ、大変感じのよい方で、それなりの観光地といっても、やはり商業一辺倒の観光地とはちがうのかも、と思いました。
ちなみに、情報として、すでに3年ほどたっていますけれど、以下が、夏の最盛期のツアー時間となります。

タンパン、トリビューン、現代作家によるステンドグラス、町をめぐるそれぞれのツアーがあります。各45分で、4ユーロまたは4.5ユーロ。かなり良心的な設定です。そして、5月から9月は、夜のトリビューンツアーがあり、21時半からで6ユーロでした。これは、本堂でコンサートが行われている間、トリビューンにいられるため、時間設定はかなり曖昧なようです。
ツアーの前に、まずは、ざっと教会の中を見学しました。

外から見てもかなり背が高いので、予想通りですが、天井が遠いです。そして、身廊は、かなり狭いです。典型的なフランスっぽい大聖堂スタイルと思います。

側廊の上部が、回廊となっており、ガイド・ツアーでは、そこに登れるという嬉しさ。多くの教会で、このスタイルはあっても、ほとんどはアクセス不可ですし、実際、傷みなどで不可のケースも多いことと思いますから、この教会が、如何に長年、よく保存されてきたかということが、そういう点からも分かると思います。やはりこういった山間というロケーションが大きかったのでしょうねぇ。
側廊、やはり狭いですよね。

上に伸びたい気持ちが、横に伸びたい気持ちに、完全に買っているようです。

周歩廊は、もちろんマストです。
かつては、ここに、黄金のサンタ・フォアのお像が置かれていたのでしょう。今は、教会脇にある博物館に物々しく飾られていて、写真撮影すら禁止となっていました。
この隠れ里のような村を目指して、苦労して山道を歩いてきた巡礼が、この教会を遠目に見るときは、なんとなく桃源郷にたどり着いたような気持ちになったかもしれない、と感じるような、そういうロケーションです。そして、そこで黄金の聖女にまみえたら、天にも昇る気持ちになったかもしれないと想像できるような気がします。

今は、こんな舗装された道が、主に車のためにできちゃっていますが、中世当時は、村に通じるほとんどの道は、獣道程度のものではなかったかと思います。

脱線しました。
さて、外観は、建築的にはずいぶんと手が入っており、修復もかなり激しく、若干古びの美しさを損なってしまっているようにも思ったのですが、内部は、時間の経過を感じさせる部分もあります。

周歩廊の外縁部分だと思いますが、こんなところにも装飾的彫り物の帯が置かれているのは驚きです。オリジナルなのか、またはあとからどこかの帯を持ってきているのか。
古いから何でもいいとは思いませんが、千年たっている様子が好きなものとしては、やはりこういう当時そのまま、古びている、というたたずまいが、何よりも引き付けられます。

お足元も忘れずに、というのは、フランスでは結構多いので、やはり装飾性が高いのですね。柱の足元に、クッションみたいな三重敷きとか、いいですねぇ。
上の方、こんなで、つい足元に目が行ってしまったわけです。

上の方にもところどころ、彫り物フリーズ、各種、はめ込まれていました。コンクの紹介とは思えない地味さですが…、笑。

ちなみに、窓は、Soulagesという現代作家のステンドグラス作品。ロデズで訪ねた博物館で、共通チケットがあったし、カルダーの特別展開催中だったので、行きたい気持ちもあったし、行こうと思えば行けたのに行かなかったMusee Soulagesというのがあるくらいの巨匠の方。この人がどうというより、行けたのに行かなかったことが、なんだかいつまでも悔やまれるようで、やるせなかったです。
個人の好み的には、現代作家の手掛けるステンドグラス、さすがステンドグラスの国フランスでは、実に多くの教会で見られるのですが、この方のはちょっとミニマリスト過ぎるというか、教会がこれだけ盛沢山だからありなんでしょうけど、それでもちょっと鋭角すぎないか?みたいな感じで、確かに邪魔にならないけど、もうちょっと正面切って戦ってもよかったんじゃん?という印象でした。
この調子だと、コンクだけで、10個くらいの記事になっちゃいそうですが、一旦切ります。
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- 2020/12/26(土) 21:27:18|
- ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
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