2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その49
早朝から始まった長い一日の、最後を締めたのは、こちらです。

ロフィアックRoffiacのサン・ガル教会Eglise Saint-Galです。
実は、そろそろこの日の宿泊地に向かった方がよさそうな時間ではあったのですが、もう一つくらいなら、と無理無理訪ねたのですが、ブルドンからは迷いようのない一本道で、教会は、村に入ってすぐの街道沿いという願ってもないロケーションで、時間のロスが全くなく、到着することができました。
人の運転だとダメですが、自分で運転とナビをやっていると、そういう記憶は結構残るものですね。ここの教会の記憶は、街道の右側にあったことなど、よく覚えています。
外観は見ての通り、いかにものフランス的な感じで、修復改築もされており、一見、さして魅力は感じないですが、何はともあれ、入ってみることにします。

ちなみに、ファサード側が広場になっており、駐車もし放題というありがたさです、笑。私のように、走っていて突然目的を発見するとどうしてよいやらわからずに、とりあえず通過する、ということになってしまうような、運転技術に欠ける人間でも、広場になっていると、楽々停車できます。
さて、内部もまた、フランス的に、ちょっと小ぎれいな様子で、塗りたくってあるタイプです。

でも、こじんまりとしたサイズなので、全体にかわいらしいという印象で、決してやり過ぎとは思いませんでした。それは、おそらくこういうやつらがいたからだと思うんですけれど…。

つけ柱の下についている顔なんですけど、人形劇的に言えば、これは盗賊の頭ですよねぇ。
そうなんです。ここは、久しぶりに、全彩色それも定期的に塗ってます系の柱頭教会だったんですよ。
え~( ゚Д゚)って、効果音的に言ってくれてます、下の人、笑。

ここでも、二股人魚が横に並んで、しっぽを交差させている図像となっています。

それにしても、このバタ臭い人魚。ジョンボンジョヴィに似ていると思います。古いか。尾っぽの細さが、とてもデザイン的ですねぇ。先っちょには、植物系の何かがくっついているし、人魚がテーマなのか、こういう繰り返し図像のフリーズの開発なのか。

激しい彩色です。
ただね、この教会、実に暗かったんです。お天気はあまりよくなかったと思うけれど、夏の夕刻なので、昼間状態なんですが、それでも本当に暗くて、普段は決して炊かないフラッシュ撮影をしたのが、上の写真なんです。フラッシュしないと、下のような状況でした。

これはこれで味があるのですが、実際に見ているのとは違う様子になるので、フラッシュ撮影もしたのです。幸い、他に誰もいなかったですし。
これだけ暗いと、もし彩色がなければ、ほとんど彫りの形も浮いてこないと思いますから、実は彩色の意味がすごくあるんですよね。彩色は、暗い中でも、彫りの内容がわかりやすくなる、という利点があると思います。
昔は、教会の中が、常にこんなような暗さだったと思うので、彩色は芸術性よりも必要性かも、と思ったりもするんですが、どうなんでしょうね。
これだけでも、まぁまぁ来てよかったなと思いつつ、外側を見ます。

後陣のブラインドアーチに並ぶ小さいサイズの柱頭に注目です。
で、いきなりガツン!ですよ。

これ、戦う大天使ミカちゃんですよね?
坊主頭なのが、私的にはいまいちなんですが、でも、なんとかわいらしい💛
変にこだわった感じで、細かく彫られたあんよとおててがツボです。

翼の彫り方も、独特で面白いですよね。

ライオンに食われながらも微笑んで体をくねらしているこの方も、大変良い味です。食われているから、ダニエルさんではないですよね?

ライオンの横の方では、乳房を蛇に噛まれているお方が。
とすると、怖い場面で戒め的な柱頭ということかな。
それにしても、小さなサイズによくぞびっしりと。中の柱頭とは、ちょっと違いますよね。イメージだけですが、イタリア南部のプーリアあたりの、細かい彫りを髣髴としてしまいました。
こんな小さな教会なのに、立派な石工さんが働いた様子で、不思議な気もします。
小さな教会ですが、ミカちゃんに会えただけで、幸せ。訪ねた甲斐が、大いにありました。
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- 2021/01/23(土) 20:53:31|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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