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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

自分史上最高のシャンブルドット(ポーラック―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、番外編その2

番外編、ちょっと早いのですが、カンタル地域の一泊目のホテルがとても良かったので、ここだけで記事にしたいと思います。そのくらい、楽しい一夜を過ごすことができたのです。

この日は、コンクを出発してから、小さな教会中心に、かなりの町村を回りました。最初から最後までの距離も、結構ありますし、グーグルでは、単純に走っても3時間半とありますから、いちいち駐車して、再出発して、ということを繰り返して、見学の時間も含めて、一日に回れる限界に近い行程だったと思います。

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宿泊は、最後の見学地ロフィアックから20分程度の距離にあるポーラックという村です。

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La Freneraie
Ribeyrol, Paulhac
Michel&Jocelyne

到着した時は、驚愕しました。というのも、ポーラックの町の郊外の住宅地という場所で、およそ、食事をとれそうな店が近くになさそうだったからす。Booking.comで予約して、シャンブルドットChambre d'hoteということすら、気付いていなかったと思います。

しかし、幸いにもこの宿、お食事可能なタブルドットTabled'hoteだったんです。到着早々に、今夜のごはんのことを聞かれて、当然否やはなく、何はともあれほっとしました。だって、日中、ほとんど飲まず食わずですから。

しかし、同時に、ちょっと気が重くなったのも確かです。
というのは、この手の宿のお約束は、昔々の日本のユースホステル形式とでも言いましょうか、泊り客が皆で夕食を囲むことになっているんですよねぇ。
前にも書いたと思うのですが、このフランス文化の不思議。基本的に、コミュニケーション能力、というより、おそらく交流したいという思いが、イタリア人に比べると、表立って出てこない人たちだし、道を聞いても、お店でも、楽しい交流なんてめったに持てないお国柄だと思うのですけれど、なぜか好きなんですね、こういうシチュエーションでの交流が。
イタリアでも、民宿的な位置づけでは、アグリツーリズモという形態がありますが、食事時に、他人と相席、という習慣はありません。その代わり、何かのきっかけでおしゃべりが始まるということは、普通にありますけれど、相席会食で、否が応でも、というのはありません。

フランス語がある程度できれば、楽しいこともあるかと思いますが、イタリアにおけるイタリア語のケースよりも、フランス語で会話に参加するハードルはずーーーっと高いですから、楽しむまで行くのは大変です。

ま、そういうわけで、ちょっと気が重かったのですが、他にどうしようもありませんので、言われた時間に降りていきました。
まずは、上の写真のお庭で、アペリティフ・タイムです。
自家製の果実酒などが、種々提供されます。先客は年配のフランス人カップルで、フランス人を絵にかいたようなコミュ能力でしたので、さらに気が重くなってきました。
ミシェルさん、ジョスリンさんというオーナーご夫婦は、気を使ってゆっくりと話してくださいますが、なんせ私のフランス語の能力が低すぎて…。

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これは気まずいし困ったなぁ、と思っていたところ、どやどやと他のお客さんが来ました。若い二組のカップルでしたが、彼ら、なんとイタリア語を話していたんです。地獄に仏とはこのことです~。もしかして、涙目だったかもしれません、私…、笑。
昔のイタリア人は、学校で学ぶ第一外国語がフランス語というケースがほとんどでしたが、今は英語になっていますから、この若者四人組も、流ちょうなフランス語を話すのは、女性一人だけでした。他二人は片言の旅行者程度、一人は私同様ほぼダメ、という状況。それでも、イタリア人は、とにかく会話したいので、片言でも冗談はいうわ、大盛り上がりです。そういうノリは、慣れている分乗りやすいので、私も違和感なく溶け込めます。
いずれにしても、オーナーご夫婦もほっとした様です。

いい加減飲んで、準備万端で、テーブルに着きます。

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いい感じに、バーベキュー的な火が燃え上がっています。
最初は、遠慮がちだったので、あまり写真がないのですが、前菜があり、その後、ケバブのような焼肉だったと思います。

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野菜とタンパク質のバランスも良く量もたっぷり、供された赤ワインも、こういうところで飲んだ中では、一番おいしかったです。カラフで出されたので、おそらく大量に買っている地元ワインとかだと思うのですが。この時のメンバー全員、よく飲んだので、かなりの量を消費したと思います。
確か、夕食は、一人25ユーロくらい。ワインなしなら20ユーロだったかな。でも、みんな飲む!ということで、全員ワイン付き。

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炭火焼のお肉は、本当に美味で、ワインがさらに進みました。
しめは、もちろんチーズです。

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どかんどかん、というサイズで圧倒的。
何度もフランスを旅していると、イタリアよりも、食べられるチーズが多いのがわかってきます。特に、熟成系のものでも、癖が薄いタイプが結構あるので、私でもいただけるんですよね。この時も、二種類くらいいただき、さらにワインが…笑。

とにかく盛り上がりました。そんなに夜遅くまでではなかったと思いますが、気が重いはずの夕食が、こういうことになるなんて、びっくり。
ちなみに、イタリア人四人組は、バイクツーリングの人たちで、トリノからここまで来ているということでした。バイク旅行者は、圧倒的にドイツ人が多くて、イタリア人と会うことは稀です。

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このお宿、もちろんお部屋もとても素敵でした。

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とても広々とした部屋で、清潔感もばっちり。60ユーロくらいだったので、一人で泊る私には、田舎の宿としては決して安くはないですが、二人だったら格安ですよね。それも、あの飲み放題食べ放題状態の夕食が25ユーロとか、ありえない安さだと思います。

ただ、そうやって夜更かしするためもあるのか、朝は遅めで、普通は早くても8時半ということでした。わたしは申し訳ないけれど、8時にお願いしました。

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実は、普段の習慣から、早く起きてしまったので、近所を散歩してびっくりしました。すっごく寒かったんですよ、確か。いくら朝でも、8月半ばですから、なぜこんなに寒いんだ、と思っていたんですが、理由が分かりました。

家並みが切れた先に、見えたのが、雲海。

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一瞬目を疑いました。

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なんと、この村、標高が1000メートル以上あったんです。寒いわけだわ~。

というわけで、私のシャンブルドット史上最高の宿の紹介でした。
また来たい、けれども、その時はフランス語を話せるようになっていないと、と思ったものですが、フランス語、一年半ほどもさぼっているうちに、ほぼ忘却の彼方です。先日、ふと、再開しよう、と思って、キクタンを聞き出しましたが、忘却が激しすぎで…。

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