2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その56
地味な教会を追いかけながら、どんどん山に分け入っていく様子になっています。といっても、別に急峻な山道というわけではなく、とにかく何もない田舎道が、延々と続くといった、山間部の印象が強まってくる感じ。

サン・サトゥルナンSaint-Saturninの教会です。
ここも、見た感じは、あまりそそられない様子です。そのうえ、一体何が起こっているのか、それとも、この村では日常的なことなのか、大音量で、南米系のダンス音楽がガンガンと流されているんでした。

上の写真の、左側の方の、お花の上に突き出ているような、照明器具のような黒い物、これがスピーカーで、教会のある広場の片隅で、爆音出していました。そして、広場には、人っ子一人いないんですから、なんかホラーのような雰囲気、笑。
ランチまたは食後の時間ですが、この村の人々は、みんなが一斉にこういう音楽を楽しむ習慣でもあるのか、または、実は村中死に絶えていて、なぜか音楽だけが…、というSF的な状況なのか。
幸い、教会は開いていましたから、理由に興味はありましたが、さらりと無視して、内部の見学へ。

中は、外の様子とはかなりの落差があり、予想外に雰囲気があるものでした。それは、暗さのためもあったかもしれません。こう見ると、分かりにくいかもしれませんが、薄闇状態でした。
その中で目を凝らすと、面白い柱頭が目に付くのですが、なんせ暗い。仕方なく何枚かフラッシュ撮影をした後で、有料の明かりに気付きました。1ユーロで、結構な時間、明りを楽しめたと記憶します。
こういう状態だったのが。

これです!

一人快哉を叫ぶ女。
雰囲気は、薄闇の方が断然ありますけれど、明りは見学にも撮影にも、大変助かります。有料でも、明りは大歓迎ですね。フランスでは、明りも無料のケースが多いので、有料は、そういえば珍しいのかも。
イタリアでは、逆に有料のケースがほとんどです。ですから、50セントや1ユーロの小銭は必携です。旅が近づくと、なるべく小銭をためておくようにしています。
ちょっと脇道にそれてもよいでしょうか。小銭、で思いついたので。
今、どの国も経済の立て直しに必死になって、いろんな政策を実施していますよね。当地イタリアでも色々ありますが、在宅勤務で通常の仕事をこなしている私には、あまり関連することがないのですが、一つだけ、試しにトライしていることがあるんです。
それは、現金ではなく、クレジットカードやデビットカードで、一定の期間に規定回数以上の買い物をすると、買い物した額の10%が還付されるというキャッシュバックという政策です。昨年12月に、トライアルとしてまず一か月に10回以上、という規定で始まり、現在は、今年前半6か月の期間に50回以上、という規定になっています。
実は、イタリアは、いまだに現金大国のところがあって、近隣諸国に比べると、カードの利用が遅れているのです。それもあって、脱税も盛んなので、これは経済を回すとともに、脱税抑止や防止の政策でもあるのですね、おそらく。
資金源は、おそらくEUから出ている復興資金だと思います。
還付される金額の上限はありますし、一回の使用はいくらでもよく、ただ、回数を使えばよいので、誰でも工夫次第で達成できるシステムだと思います。わたしも回数を稼ぐために、わざわざ二か所のスーパーで食料品を買ってみたり、少額でも使ってみたり、そもそもさほど買い物をするわけじゃないから無理、と思っていたのですが、そんな工夫で、半年で50回は、意外と簡単に達成できそうな勢いです。でも、少額ばかりなので、還付金は大した金額にはならないと思いますけれども、笑。
スタート時は、専用アプリがうまく稼働しないなどの問題が、若干あったようですが、すぐに解決して、今ではすさまじい数の消費者が、競ってカードでお買い物、ということになっているようです。ただ、カード使用だと、お店は手数料を支払う必要があるので、そちら側の文句は出ているようですが…。
資源の問題もあるので、長く続ける政策ではないと思いますが、少額でもカードを使うことが習慣化し、お店にしても受け入れざるを得ないとなると思うので、とすれば、国としての目的は見事に達成されるわけで、なかなかうまいことを考え付いたもんだ、と感心しています。
そして、そういうシステムを、すぐに立ち上げられる様子を見ていると、なぜ、日本は何一つやるでも、もたもたして、穴だらけのシステムしか作れないのか、と不思議に思ったりしています。
そういうわけで、すっかり現金を使わなくなって、小銭に不自由する今日この頃なので、ふと、書いてみたくなりました。
すっごく現実的なお金の話から、中世の薄闇に戻ります、笑。
ここ、柱頭がいいんです。

これ、粘土で作ったフィギュアを張り付けたみたいな様子で、すっごく面白い。
竹串でぽつっと穴をあけたような目とか、両手でパン生地を伸ばすみたいにしてにょろにょろ伸ばしたような、つるなのか蛇なのか、そういうやつとか、なんか好きです。

これはまた謎のものが、角っこにいます。

人の顔は、謎ではないですが、グリーンマンとも言えないようなものを履いています。この手の、松ぼっくりかパイナップルか、というようなものは、この時代では、大抵ブドウだと理解しているんですが、ブドウを吐いている人って、何でしょう。それもさ、お隣はわしらしいのが、堂々としているんですよねぇ。

これも、分からないなぁ。
頭は聖職者のような様子もあるし、でも背中に背負っているように見えるのは、翼のすじすじ?それとも巡礼の衣装のような、意図なんだろうか。
一つ確かなのは、やったら鼻の穴でかい、ということだな、笑。
植物バリエも、なかなか素敵です。

かなりデザイン性が高くて、およそ、粘土細工と同じ石工さんとは思えません。

あ、でも、植物自慢の人が、人的フィギュアはダメなんだってこともあるかもしれないしね。ないか。

それにしても、よくぞ明りを設置してくださいましたよ。そして、気付いてよかった。明りがあるとないでは、見た感じもまったく違うし、気付けないものもたくさんありました。
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- 2021/02/08(月) 01:47:34|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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