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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

サレール赤牛に舌なめずり(ラロクヴィエイユとジルゴル―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その61

なんかもう、びっくりするくらい地味で、なんでこんなとこまで行ったんだろう、というような教会の連続です。本当に、オレ、こんなとこまで行ったんだっけ?と自分でもほとんど記憶が飛んでおりますが…。

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山間とはいえ、幹線道路はきれいですけれど、こんな脇道、それも、見るからに上り。果敢に攻めたものよのぉ、と、他人事状態で、今更感心しています。ここは、旅日記にも、「結構な山で大変だった」、と記してあります。

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ラロクヴィエイユLaroquevieilleのサン・パルドゥ教会Eglise Saint-Pardouxです。
やっとこさたどりついて、それでも、おおお、これはなかなか、と思えればよいのですが、「うむ、例によってのカンタル的な、石のやつだな…」程度の印象だと、やはり気力が萎えるといいますか、なんでこんなに頑張っちゃったのかと内省してしまうというか、ちょっとね、そういうものがあります。
ま、そういうとても地味な教会だったわけで、記憶が飛ぶのも、当たり前といえば当たり前ではあるんですが、これは、覚えていた!

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石造りの建物の内部が、思いっきり木製というミスマッチ。それも、結構新しそうで、びっくりしますよね。木で、無理やりアーチ作るっていうのは、なんかすごい。船底的な技術が、こんな山奥に。

目を皿にして、お宝を探しましたが、ロマネスク的なものは、発見できず、でした。
一つご紹介するとすれば、これかな。

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フランスでは、古い教会に、現代ステンドグラスって、とてもおなじみですが、そういえばこの辺りでは、あまり見なかったかもしれません。ちょっとレトロな雰囲気のあるガラスの色遣いが、おしゃれですよね。この、古いものの中に現代的なテイストをはめ込む感覚は、結構好きなんですよ。ステンドグラスは、特にイタリアでは、現代ものはほとんど見ないと思うので。

前回の教会同様、古いものは、扉周辺だけという様子です。

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でも、それもかなり傷みが激しくて、もともと地味ですし、消えそうになっている浮彫だけです。

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今回は、もう一つ、一緒に紹介してしまいます。なんせ、さすがの私も、撮影枚数がすごく少ないんで、笑。

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ジルゴルGirgolsのノートルダム・ド・ラ・ナティヴィト教会Eglise Notre-Dame-de-la-Nativiteです。

ここは、やけに記憶があって、あの場所かな、とグーグルで確認しようとしたら、田舎過ぎで、村のストリートビューは、一切ありませんでした、笑。でも、確実にあれだあれ!と覚えてます。
確か村全体が山道みたいな小さなところで、この教会は、ちょっとした高台になっていて、鐘楼のある側から、見晴らしがよかったように思います。

そして、この教会も、他の例にもれず、扉口以外は、ほとんど何も残ってない感じ。ただ、作りはそのままですし、石の様子も、地元産を使っている分、しっくりした感じはあります。先の教会ほど、大胆な変更もされておりません。

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地味な地味な、それでも、何らか飾りたい、という気持ちが感じられる、質実剛健カンタルの装飾ですね。

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市松が好きなので、これだけでも結構嬉しかったですけどね。
内部は、雰囲気はあるものの、山奥の田舎の教会という風情に過ぎず…。

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構造は、そのままに、ずいぶんと手が入っています。ここも、外は四角で、中は円形になっている後陣なんですね。でも、全部新しくなってしまっています。
不満的な記述になっていますが、そんなこともなくて、小さな村には必需品みたいな教会として、大切にされている様子が明らかなので、それは建物にとって、そして多分信仰的にも、最も重要なことだと思いますので、好感度は高いんです。
でも私は、ロマネスクハンティングに行っているわけですから、そこはちょいと寂しいわけですけどね。

ここ、覚えているのは、一つには、先客の年配フランス人カップルがいらっしゃったのですが、究極の愛想のなさで、いやはや、フランス人、愛想のなさでは上には上がいる、ということで、本当に驚いたという経験があったのと、もう一つは、こちらです。

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高台で、眼下には牧場が広がっていたんです。
このあたり、Salersという種類の牛で、これが大変美味な牛肉になるという説明をどこかで受けました。それが、これか!ということで、ちょっとよだれが出てしまう状態の私。すっごい肉食、というわけでもないですが、牛を見て、あれがおいしいというやつか、と思えてしまう私は、絶対に菜食主義にはなれないタイプですね。

しかし、教会を見ているとき、背後にどっどっという足音、というか走る音がしたときには、ひるみました。

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一等の巨大なやつが、牧草地の端っこにある水飲み場に、小走りに行く音だったのですが、かなり巨大ですから、地響きというような音でしたよ。

角のある赤牛。これがこのあたりの名物牛。
行こうと思えば、あと一つ二つは訪ねることができたと思うのですが、ここで空腹感を覚えたこともあり、この日は早じまいとして、もちろん、夕食にステーキ、いただきました!

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  1. 2021/02/22(月) 01:22:18|
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