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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

縁あって、訪問完遂(イド・ブール、その3―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その67

しつこくなってしまいすみませんが、イド・ブールYdes Bourgのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-George、続きです。

実は、先にも書いたように、そして現在チェックしたところでも、この教会、夏季のオープン時間は、午後だけとなっています。それなのに、行程の都合上、午前中に訪ねてしまったわけなんですが、最大の見どころは扉付近の彫り物だったわけで、入れなくても別にいいや、という気持ちで、一度は後にしたんです。

ところが、縁があるときって、そういうところが、意図しなくても、うまくいくんですね。志ん生さんの落語の枕にもありましたけど、縁があれば、いやでもなんでも邂逅してしまうんですね。
縁って考え方、不思議だけど腑に落ちるとこもあって、面白いです。

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この日の行程は上のようになってます。出発したのは、宿泊地フォンタンジュで、印ついているのがイド・ブールとなります。
まずモーリアック、イド・ブールと見学した後、右回りのような進み方で、シェラドまで行き、トリザックという町を最後に、宿に戻る予定でしたが、なんと、トリザックから宿のあるフォンタンジュまで行けるはずの道は、通行止めになっていたんです。
で、地元の人に聞いてみると、細い道をくねくね行くよりは、無駄なようだけどイド・ブールに行って、地図上でD922となっている大きめの道路を行った方がいい、と勧められたのです。
というわけで、強く望んだわけでもないのに、結局一日のしめに、またイド・ブールに戻り、内部の見学がかなったというわけです。

結果的には、内部にも装飾があったし、なかなか味わいの深い雰囲気もあり、入れてよかったかな。でも、前の記事に張り付けた、町の観光案内的なサイトでも、内部は、外側に比べると地味です、と明記されてありました、笑。大変正直です。

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小さな切り石積みは、どこら辺までオリジナルなのかわかりませんが、地味な山の教会、という様子が、なかなか良いです。情報によれば、17世紀半ばに崩れた天井は、その後同じような手法で再建されたとあります。
後陣側がそういう形で再建されて、それ以外は、かなりシンプルに漆喰塗になっているということかな。

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地味ながら、ちょっとチャーミングな彫り物もありました。

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狐だか何だかわかりませんが、どんぐり眼がとってもかわいいです。
とてもロマネスクらしいエニグマティックなものもあります。

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こういうのって、やはりゴチック期以降には出てこなくなるんですよね。化け物系も、どんどんわかりやすい表現になってきて。

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後は、デザイン化が激しい植物モチーフの柱頭で、これはこれで楽しいですが、地味ですね。それにしても、カンタルの黒っぽい石、これは、たとえ今積まれているものがオリジナルじゃないとしても、やはりこういう色合いのこういう様子だったんだろうな、と想像できます。

時代が違うと思うんですけど、この教会ですごいと思ったのは木工関係です。

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すごい細かい仕事の祭壇。これはすごい技術ですよね、多分。どうやら19世紀のネオロマネスクの作品と思われるんですが、どこもかしこも。山の教会ならではのものなのかも。

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組紐モチーフとか、そういうのがなかなか素敵で。

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どうせ通過する道沿いだったので、時間の無駄もなく、最後に結構な満足感、達成感を与えてくれた見学となりました。
こういう縁があったせいもあるのでしょうが、教会のたたずまいもよく記憶に残っています。

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