2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その76
前回の記事に書いたように、色々な町村、はたまた教会について、記憶があいまいになっている中で、次に訪ねた町の記憶は、もうとってもとっても鮮明です。といっても、覚えている内容が、なんなんですけれど…。

リオメス・モンターニュRiom-es-Montagneのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Georgesです。
ここ、教会は、町の中心にあるので、普通だったら、問題なくアクセスできるし、駐車の問題などもまったくなさそうなところなんです。が…!!!
あんまり悔しいし、記憶も妙に鮮明なんで、何が起こったか書きますと、以下、リオメス・モンターニュの町のグーグルマップになります。

下の方の真ん中あたりに教会マークがありますが、その辺が町の中心部となります。私は、左型の方から町にアクセスしたのですが、町に入ったな、というとたんに、もう普通じゃない雰囲気満載だし、行きたいようには動けずに、一方方向に誘導されていく事態となりました。
で、オレンジの線が誘導された方向で、右上の草原が目的地となりました。
町の大きさと比べても、かなりのスペースだということがわかりますよね。そこが、文字通りの青空駐車場となっていたんです。

それなりにお行儀よく駐車された車、まさにびっしりで、相当奥まで行かないと、停める場所がないくらいでした。数年前のブルゴーニュのテゼを思い出しましたねぇ。
「え~」と思いましたが、ここは、かなり期待大の教会なので、あきらめるわけにはいかず、同時に、これはダメなんじゃないかと危惧しつつ、町の方へ。

町の中は、めっちゃお祭りで、人がごった返していました…。
猛獣を連れたサーカスまで出ている盛況ぶり。

それでも、人が集中しているお祭り広場を外れれば、まぁまぁ落ち着いた空気もあり、普段だったらおそらく、カンタルらしい静かでしっとりした町なんだろうなぁ、と思わされました。

で、トップにあげた教会にたどり着くんですが、扉は固く閉ざされていました。事前に得た情報では、昼休み12時から14時を除く9時から19時、オープンとあったので、余裕のよっちゃん(おそらく死語…)だったはずなんですけどね。
そこで、すぐ近くにあった観光案内所に行ってみたのですが、運悪く、ここの教会は彼らの管理下にはないと。今日開いてないとは聞いてないけれど、だからと言って、我々は何もできません、というにべもない対応でしたわ。
仕方ないですね。
ということで、やっと教会の見学開始となります。長い。

のっぺりとした正面のたたずまい。
旗がひらひらして、屋台が出て、お祭り感満載です。考えたらこの町は、近隣では随一の規模ですから、昔から何かにつけて祝祭といえばリオメス、ということだったかもしれないなぁ、なんて思わされます。今は車が主ですけれど、昔は、徒歩や馬や荷車で、人々が集まってきていたんでは、なんか思うと、ちょっと楽しくはなりますね。
いや、これ、酸っぱい葡萄理論ですけどね、笑。
右の方から後陣に向かって回り込むと、もう一つ小さな扉があります。

正面のも、こちらのも、かなりの力を込めて開けようとしましたが、無理でした。
どの面から見ても、かなり後代の手が入っていることが明らかですね。
この、通用門みたいな扉も、上の、どうやらステンドグラスになっている窓も、跡付けて作られていますよね。
そして、多くの軒持ち送りがのっぺらぼうなのは、おそらくオリジナルではないということでしょう。
ありがたいことに、主後陣だけ、装飾的にオリジナルの様子が見られます。

おそらく、内部も、こういう時代の彫り物がたくさんあるのでは、と想像します。さらに悔しさ増しますけど、仕方ないですね、お祭りでは。次回再訪のチャンスがあれば、お祭りスケジュール、要確認です。
気になる柱頭、ズームアップ!

寓話的なテーマなのかな。大変気になりますね。
右側の方は、こういう感じになっています。

右にいる人は、角度によると長髪でサムソン風ですが、正面から見たら、つるっぱげのケンタウロス。お顔の様子が、お隣にいる人と同じです。足短い!調子に乗って、上半身彫り過ぎちゃった、みたいな感じもあります。
ちょっと面白そうだし、とネット検索したところ、内部の柱頭の説明は結構見つけたのですが、そして、やはり内部の柱頭、相当面白そうだと分かったのですが、この後陣のは見つからないし、中が見られなかった立場としては、なんか悔しさばかり募ってきて、検索打ち切り。
というわけで、また私の妄想及びこじつけ全開となります。
ケンタウロスって、中世的には、半人半獣ということで、異端の象徴とか、善と悪の具現とか、そういう意味を持つそうですが、すると、単純に、左に普通の人の猟師、右にケンタウロス、という図式なのかな。いや、左の人も、なんか怪しいし、蛇みたいなのも見えるし、全体として、もっとなんか意味があるようにも思えます。
さてね~。
さて、その隣には、また変な人がいます。

ホースを加える男、笑。
でかい葉っぱぎっしりな中で、小人的なサイズ感。身体は、スペースに合わせて変な形になっていて、無理無理跪いている様子の右脚、ロマネスク的でよきかな。
すごくズームしてみると、もちろん持っているものはホースではなく、口の近くは蛇の頭に見えますね。

舌を出していて、それを蛇に噛まれているように見えます。どうでしょうか。

右の方に、こそっという感じで、サルっぽいやつがいるんですよ。ということは、誘惑的な、淫乱駄目よ的な、そういうやつ?ふふふ、超こじつけ。
それにしても、この人の握り方、指まで、すっごくしっかり彫られていて、見所多いと、あまり一つ一つの写真を拡大しなおして見直すとかしないんで、たまには、少ない写真もいいじゃん、とまた、酸っぱい葡萄理論、礼賛。

オリジナルらしい軒持ち送りは、おなじみの鉋屑オンパレードっぽかったですが、全体がこんな風だったら、外側だけでも見所満載でしたでしょう。
どうやら、こんな状態になってしまっていたから、大規模修復せざるを得なかったのかな。

これは、右側の小後陣部分です。
というわけで、今回写真を見直して、現場での入れなかった失望を挽回したきもちです。
ここね、しかし、抜け出るのも大変でした。人出が激しくなる一方で、交通規制で、行きたい方に行けず、どこまでもたたられたお祭りでした。
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- 2021/04/03(土) 19:01:54|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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