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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

おちゃめっぽいのに無機質な(アリー―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その79

ここから、新しい一日となります。
この日の行程は、こんな感じ。

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宿泊していたフォンタンジュという村から、行ったり来たりして、最後はカンタルにさようなら、という一日。

想定走行距離だけ見ると、大したことないし、移動距離も、全体で100キロ程度なんですが、まぁ、連日こんな感じなわけですが、移動に加えて、駐車場を探し、教会を探し、見学し、なんてやっていると、結局出発してから大抵は、10時間コースとなります。厳しいときは12時間となることもあり、それも、お昼は手持ちのビスケットにカフェオレだけ、なんて日も多いわけですから、やはり修行ですよねぇ。
とはいえ、基本が運転ですから、トリップするわけにもいかず、これはやってる人には同意いただけると思いますが、体力に加えて、メンタルの鍛錬にもなります、笑。それからね、最近とみに思うんですけど、ボケ防止にもいいんじゃないかと。
とっさの気持ちの切り替え、プランBの採用、瞬時の行程変更みたいなことが、随時必要になるので、くよくよしている暇もないし、同時に常に考えてないといけない、ということで、結構緊張感にまみれて、脳を使っているような気はするんですけどね。それも、日常的に使っているのとは違う部分だと思うんです。というわけで、祈るような気持ちで、ボケ防止説、笑。

さて、地図にあるように最初に向かったのは、アリーという村。
この時は、基本的に重要な教会を優先的に見る、と決めていたので、その範疇からは漏れる教会でしたが、どうせ目的地への通り道だったため、立ち寄った次第です。

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アリーAllyのサン・ヴァンサン教会Eglise Saint-Vincentです。
特に見所も調べていなかったのですが、これね、見た目よりもずっと楽しい教会でした。

なんといっても、遠目には、ほとんど愛想なしな様子の後陣です。シンプルな作りで、装飾性も低いのですが、軒持ち送り、とってもチャーミング。

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お団子数珠繋ぎとか、シンプルだけど、個人的には好きなんですよ。古っぽくていい感じ。開口部の上の一連市松の帯も、好きなアイテムです。

で、いきなり変な人がいます。お団子とコラボみたいに玉が口中にありますね。何だろう。

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この牛だって、舌をべろりんちょと出していて、バカにしてんのか、こいつ。でも、悪気はない感じっていうか、表情が変に無機質で、怖いです。

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一方で、無機質どころか、の半魚人コンビ。

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この手のフィギュア、久しぶりに見た気がします。ぬめり感が懐かしい感じ、笑。

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お顔がやけに近所のお兄さん風なバンザイ系。シンプルだけど、かわいいです。
なんか、全体に丸っこくて、お団子とマッチ感がすごい。そして、こういうどこに信仰があるのか寓意があるのか、わからないけど、楽しいしかわいいタイプの軒持ち送りって、深く考えようとも思わないので、潔く楽しいってだけで済ませられるのも、好き。

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開いていたので、もちろん中も見学していきます。

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想像通り、かなり変わっちゃっている様子。ここは、石むき出しじゃなくて、漆喰ぬりぬりです。保存のためには、この方がよいのでしょうから、大切にされていて、怠りなくケアされている清潔感、満載ですね。ロマネスク目的の見学者には、ちょっと残念感ありますけれど。

実際、こんな様子で、一番奥の内陣一部だけが、12世紀当時のものとなるようです。

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往時の遺構の一つが、この植物系の立派な柱頭です。

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漆喰のため、オリジナルとはかなり雰囲気が違うと思うのですが、白いおかげで、明るいというのは間違いないかも。

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この、後陣に開けられた窓、それから、各円柱のお足元に、それぞれ装飾があるのが、特徴的と言えるようです。
この窓、確かにちょっと違う感じですよね。開口部の一番手前に、細い円柱があって、それぞれ小さい柱頭、お足元の彫り物もセットであります。
現地にあった、シンプルな説明によれば、これは、ドルドーニュ地方の両端であるモーリアック地域とリムーザン地域に挟まれた、この地域にだけ見られる建築手法だということです。
正確にはわからないのですが、柱頭の上に、副柱頭的なものがないのも特徴らしいです。

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確かに、そのために、はみ出し感というか、フリーダムな表現状態というか、なんかありますね。

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お足元の装飾というのは、あまり繊細な彫り物がされることはないと思うのですが、でも、ただ石だけよりは、格段に装飾的になって、個人的には結構好きです。

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この他、フレスコ画とか、下の、聖水盤的なアイテムがありました。

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でも、何の記述も見当たらなかったので、時代も何も不明。この聖水盤は、何かの転用かなぁ。ちょっとかわいいですよね。
フレスコ画は、いずれにしても好みではなかったので、カットです。

以上、ついでに寄った割には、結構気に入った教会でした。

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  1. 2021/04/11(日) 20:02:01|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0
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