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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ展覧会-Edward Hopper

今日は日曜日。いつものアートの日ではないんですが、展覧会に行ってきました。長年気になっていたホッパーです。


多分何かで見て、好きだなって思って、気にはなっていたけれども、だからといって特に追求したわけでもない、っていう絵や画家は、わたしの中に結構あると思うんですけど、そういうカテゴリーの一人が、このホッパーなんです。
アメリカの、どこにでも転がっていそうな風景や場面を切り取った一枚の絵。でも、そのどこにでもありそうな、というのが実は曲者で、本当はどこにもないんじゃないかっていう風景だったりします。

展示を見ていて、ほとんどの作品がニューヨークのホイットニー美術館からの出展で、それで思い出したのが、15年ほど前に行ったニューヨーク。わたしの人生で、初めてのアメリカ。Momaとかグッゲンハイムとか、あれもこれも、と思った中で、かなり地味なホイットニー美術館も、どうしても行きたい美術館で、そんなに時間もないのに、行ったんです。で、記憶に残っていたのは、ホッパーじゃなかったんですけど、どうやら、意外とホッパーも、記憶のそこに刻まれていたんでしょうね。だって、考えたら、そのあと彼の作品をどこかでちゃんと見た記憶はないんですから。

今回の展覧会は、いかにもホッパーらしい、油の大作が少ないわりに、若いときの秀作や、エッチング作品、スケッチなどの小品が多く集められ、ホッパーの全体を確認するにはよい企画だったような気がします。スケッチが、すごくうまいんですよねぇ(こーゆー言い方っておこがましいですけど、うまい!としか言いようがないですよ、実際)。


これは、パリ滞在時代の油彩。(おそらく)実際にはありえないあけっぴろげの空の広がるパリの街角のビストロ。これ、絵はそんなに大きくはないんですが、本当に開放感に満ち満ちて、吸い込まれるような空間が展開されているんです。この写真だとわかんないですけどね。

パリ時代に、同時代のアーチストの交流とか、多くの作品を見て模写したりとか、そういう経験が、きっとすごく彼に広がりを与えただろうな、と思わせる小品多数。
いやいや、よかったな。思ったよりもよかったです。こういうときは幸せな気持ちになりますね。
結構並んで入ったので、ますます。

今回変則アートの日になったのは、わざわざこれを見るためにボローニャから友人が来ていたからなんです。アートに造詣の深い方で、いつもいろいろな情報をいただいて、本当に助かっています。そして、アート以外にも、いろんな趣味嗜好に共通点があり、そういうおしゃべりをしているだけで毎度、時の忘れる思い。そういうのって本当に幸せ(Fちゃん、ありがと~。Vinoも!)。

いい物を見ると、気合がますます入ります。いつどこに行こうか、とあれこれ選ぶのも楽しみ。やはり都会にいてよかったよぉ。今週のアートの日はどうするか、今から気もそぞろです。
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  1. 2009/11/23(月) 05:57:23|
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