fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

稲垣足穂を連想するとは(ボーリュー・シュル・ドルドーニュ その2-ロット46)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その95

ボーリュー・シュル・ドルドーニュBeaulieru-sur-Dordogneのサン・ピエール修道院教会Abbaye Saint-Pierre、続きです。

midipirenee2 304

立派な扉口から、外に出ます。
で、有名な扉口は、とりあえず通過して…。

midipirenee2 305

建物は、すでにロマネスクのテイストが薄くて、さほど惹かれるものがないんですが、それでもなめるように見ると…。気付きますよね、病気のあなたなら!

midipirenee2 306

そうです!
これこれ、軒持ち送り、Modillonです!
ここ、建物が巨大なんですが、軒持ち送りびっしりで、見ごたえ十分。実は、有名な扉口よりは、私の興味はこちらでした。美術的には、扉に行かないとダメなんでしょうけれど、ここに来るまでに、スイヤック、カルンナック、とすごいのが続いているので、あ、また、こりゃすごい、とひけてしまうものもあったんですよね、おそらく。

現場の時と同様に、こちらでまとめるにあたっても、図像をどうしても見てしまって、解説を探そうとしてしまって、結構大変だったりするおそれから、まったく同様な気持ちというか、ただ楽しめる軒持ち送りに、気持ちが流れております、笑。
ま、研究者でもないし、好きなものを好きなように楽しむお気楽なロマネスク愛好家ですから、あるあるですね。

全部は載せられませんので、楽しいやつ中心に並べてみますね。

midipirenee2 307

頭がトンスラっぽくて、修道士と見受けられるんですが、明らかに変顔してます。見方によっては、にらめっこ、または赤ちゃんをあやそうとしているようにも。

midipirenee2 308

ところが、横並びにあるこれを見ると、あ、修道士ではないのか、と思わざるを得ないです。それにしても、すごい歯並び主張です。お隣のモンスター系と、歯磨きのコマーシャル系ですね。

midipirenee2 309

これは、18禁系のやばいやつかな。適度に汚れと傷みがあるので、生々しさはないですが、ポーズがちょっと…。それにしても、いくらマッチョでも、いやはや。

お、これはまともな鳥では、と思いきや。

midipirenee2 310

何ですかね、いやん、という感じで頭がないのか、後ろに向いているのか…。同じ並びに、変に写実的なヤギとかシカ系の動物の頭があるんですが、これは、全体プリミティブさも漂う可愛さがあるけれど、ポーズが変ですね。

midipirenee2 311

そしたらまたこんな。
これはマッチョとは全く異なる、怪しい人の怪しいポーズで、さらに怪しいです。目の休まる暇がありません。

この人に至っては…!

midipirenee2 312

ポーズは体育座りで、うんうん、これなら良い子にもよろしかろ、というやつなんですが、なんでしょう、この顔。ハート型なのにかわいくないって、ありえなくないですか。アフリカとかのプリミティブアートに影響を受けた現代アートのレベルですよ、これ。

midipirenee2 313

言葉を失いますよね、こうなると。何でしょう、ここを請け負った石工さんの頭はどうなっていたんでしょう。

midipirenee2 314

完全に稲垣足穂の世界っていうか、ハンプティダンプティっていうか、もはや中世じゃないです。

建物の扉がある側は、広場にも面しているし、地面もきれいだし、別に教会に来ない人も往来する繁華街的な場所になっているんですが、その反対側は、なんかじめじめとした苔なんかも生えていることになっていて、いきなり放置状態な様子で、二面性がすごかったんですが、もちろんそちら側にも、軒持ち送りはずらりです。

midipirenee2 315

ずらりと並ぶ中には、こんなありがちなかわいいやつもいて、嬉しくなっちゃったわけなんですが。

midipirenee2 316

イタリア在住30年を超える私が、やけに注目したのは、こちら。

midipirenee2 317

これ、まんまフジッリFugilliというショートパスタの姿なんですよ。メーカーによって、変わるんですが、ぐるぐる巻きというコンセプトが同じで、これはもうそのまま。
ショートパスタ型のフィギュアは、初めてであったと思いますので、非常に印象深かったです。

midipirenee2 318

とにかく、数が多いのもあって、インパクトすごいです。背が高いので、距離はかなりあるし、扉口への注目がすごすぎて、軒持ち送りに目をやる人は、自分の見学中には見かけなかったのが、大変残念です。
「独創的な軒持ち送り大会」があったら、表彰台確実だと思います。

続きます。

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログ 建築鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

インスタグラムに、これまでのロマネスク写真を徐々にアップしています。
Instagram, Notaromanica
スポンサーサイト



  1. 2021/05/22(土) 19:04:52|
  2. ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
  3. | コメント:0
<<映えポーズ(ボーリュー・シュル・ドルドーニュ その4-ロット46) | ホーム | ここは時間が進んでいるようです(ボーリュー・シュル・ドルドーニュ その3-ロット46)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する