2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その99
シャンポリオンに会えなかったフィジャック、次に訪ねたのは、本来の目的だった教会です。坂道や階段の連続、本当にアップダウンの激しい町です。真夏の昼下がりに来るべき町ではなかったです。

やっとたどり着いても、こんな様子ですから、達成感なし。

サン・ソヴェール修道院教会Abbatiale Saint Sauveur。
上に行きたくてたまらなかったフランスでは、土台は古いものの、上に積み上げたんですよね、できる限り。そのために、なんか全体のプロポーションが変なものになったり、支え構造が全体の様子をかえちゃったり。
この教会も、創建は、クリュニー派修道院たちによる者らしく、それなりの古さがあるようですが、外からのぱっと見では、ロマネスクとは思いにくい様子になっています。
いずれにしても、修道院の教会であったことから、規模はそれなりのものを持っていたようです。土台部分は、当時のまま。

天井が低かったら、それなりにこじんまり感もあるだろうとは感じられます。それに、ステンドグラスがはまっている窓がなかったとしたら、相当薄暗いわけですから、なるほど、ロマネスクになりますよね。
入ってすぐ、事前にチェックしていたものに遭遇しました。

柱頭がひっくり返されて、聖水盤の台になっています。こういうのって、ある意味すごい使いまわしです。他から円柱を持ってくるのも、工事規模として感心しますが、なんかこういう無茶苦茶な感じも、感心するというかあきれるというか。この柱頭、文字も入っているので、なんかあまりに柱頭ぶりが明らかなため、ますます困惑します。
その上、これ、お対になっているんですよ。

左側のはこんな感じ。
オーブンに入れる前のパンみたいですね。焼きあがったら、どんな形になっているかな、なんて想像してしまいました。

シンプルな洗礼盤もありました。地味にかわいいですね。

では、ステンドグラスが美しく反射している側廊を行きながら、柱頭を見ていきます。ステンドグラスは、私の興味の対象外ではありますが、ちょうどよい時間やお天気の具合では、実に美しい光の遊びに遭遇することがあり、確かに教会の装飾として、これ以上ピッタリくるものはないとも思います。荘厳なイメージに浸りやすいというような。

前回紹介した、ノートルダム教会と、同時代のものと、それよりも古い時代のものとが混じっているような印象です。実際のところはわかりませんけれど。

植物文様を、手の込んだ編み込みみたいに彫ったものは、まるでビザンチンの影響でもあるかのような様子ですけれど、ここにビザンチンはないですよねぇ。

かと思うと、オーブン前のパン種もありますしね。
この下のなども、全体の様子が、かなりプリミティブですよね。緻密な植物文様のやつとは、絶対に手も時代も違うです。

それぞれの柱頭の置かれた場所が分かるような撮影をしていないため、定かではないのですが、もしかすると、これら、ちょっと時代が古そうなやつは、後陣にあったものかなと思います。身廊の方は、スタイリッシュなタイプで、時代がちょっと下るやつ。こっちは、創建当時の古いやつとかそういう感じかな。
必ずしも、古くはないのかというきもしますけれど。


本堂内部なのに、あちこち軒持ち送り状の装飾もありました。

でも、全体に結構傷んでいるようでしたし、モチーフ的にあ、あまり惹かれるものはなかったです。

今回は、記事を分けるほどの内容ではないと思い、一気にまとめましたが、それぞれのアイテムを追っかけると、結構な数、ありましたね。長くなってしまいましたが、全体は、やはり地味で、ここは行くか行かないか、と迷う場合は、無理に行かなくてもいい場所の一つかな、とは思います。
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- 2021/05/30(日) 13:05:51|
- ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
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