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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

まずは、観光案内です(モワサック その1-タルン・エ・ガロンヌ82)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その102

予告通り、っていうほどのもんでもないですが、いよいよこの旅の最後、フィナーレ、あれ?フィナーレって、日本語でも言いますよね?でもこれって、イタリア語ですね?
イタリア語、音楽用語にはよく使われますけど、日常的にはそんなに入ってないように思います。30年イタリア暮らしでも、日本語はちゃんとしていると思うのですが、こういうのはちょっと戸惑います。一応、辞書で調べたところ、やはり音楽用語から一般化した単語として、ちゃんと載っていました。

もとい、フィナーレ。

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モワサックMoissacのサン・ピエール修道院教会Ancienne Abbaye Saint-Pierreです(7時-19時、回廊は9時-19時。火曜に回廊のナイト・ツアー。夏な毎日21時半から、ファサードのライティングショー)。

この町に来たのは火曜日。まさにドンピシャ、ナイトツアーのある日でした。でも、ツアー参加は断念しました。なぜかというと、ツアー開始は20時なんだけど、19時までに入っていなければならないというんです。そうすると、夕食をくいっぱぐれるリスクもあるので、各自夕食持参で、中で食べられますよ、という非常に変則的なものでした。なぜかというと、教会は、一旦19時に、閉門し、外からのアクセスができなくなるから、というある意味非常にお役所的な理由だそうです。
これが旅の始まりや途中なら、それもいいかな、と思ったかもしれませんが、なんせ、旅の最終日。サンドイッチの夕食は寂しすぎるので、移動中にランチをスキップすることはできても、これは譲れない、と断念した次第。それに、19時には行ったら、ツアーの始まる20時には、もう飽きちゃって、出たくなるに決まっていますしね、フランス語の解説聞くのも辛いし。
ナイトツアーなら、いずれにしても、もう少し日が落ちてから、薄暮の中、いや、むしろ、暗闇の回廊に憧れます。

この修道院教会、実に立派ですし、ロマネスク的な見所も数多くあり、現場でもアワアワしてしまうタイプであり、今、写真を見返していても、うわ~、どっから始める?と戸惑う有様です。
大きなポイントは、メインの扉周辺、そして、回廊となります。

自分がこの町に到着したのは、夕食前の時間です。まだ教会は開いており、併設のインフォメーション及びブックショップも開いていたので、情報収集から開始。そこで、先述の、ナイトツアーの情報などを得て、見学方針を決めたのです。
細かい見学は、翌日、たっぷり時間がありますので、この日は、夜間のライトアップショーが、自分にとってのメインでした。

というわけで、いきなり観光的なスタートです。

前回の記事で、夕食のことを書きましたが、夕食は、教会が正面に見えるような位置にあるレストランのテラス席でいただきました。教会を見ながらの、至福のカモ肉と赤ワイン、というわけです。
で、ゆっくり目にいただき、ショーの頃に、教会近くに移動する、という戦略を立てました。見事、予定通りな時間配分で、お会計あたりで、音響調整が始まり、ファサード近くのベンチに移動できました。

お食事を始めたころは、まだ昼日中状態の太陽光でしたが、ショーの時間には、このくらいの暮れ方。

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濃紺、美しい空の色です。
で、このようにファサードの彫り物に、オリジナルはこんなだったはずです、という彩色の様子が、ライトアップで表現されるってやつです。

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これ、チヴィダーレのロンゴバルドの祭壇でも、同じような感じの仕掛けになっていましたけど、こちらは数倍の大規模。でも内容は一緒です。

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毎度驚かされますねぇ。
祭壇レベルなら、実際にフレスコ画が残っているものもありますし、スペースが限られている分、想像もつきやすいのですが、タンパンのように、構造に組み込まれているその一部だけが、このように激しく彩色されていて、周囲は、石色、というのが、非常に想像を難しくする感じです。

中国や日本の寺院のように、外壁含む全体を漆喰塗して、とにかく木を塗りこめるという発想の方が、バランス的には分かりやすいっていうか。

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それも、色がかなり激しいです。
キリストは黄色の衣で、福音書家本体が赤って、ちょっとすごいんですけど。

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ただ暗闇の中では、彩色があると、彫りの内容が見えやすい、というのは経験しているので、彩色の意図はよくわかりますし、より激しい色の方が、より暗闇で浮かび上がるのだろうな、と想像はできます。
松明やランプをもって見上げたら、これほどはっきりではなくとも、キリストだなぁ、福音書家だなぁ、ということが分かるくらいには、見えたのではないかと思います。

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他の部分も見ながら、夕食後のお散歩。
ヘンリー・ムーア的な人影もライトアップになってて、なんだかかわいらしい。

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ということで、次回から本格的に、ガイド本を読んでみましょうかね(←面倒な様子がにじみ出ていますけど)。

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  1. 2021/06/06(日) 11:42:32|
  2. ミディ・ピレネー・ロマネスク 31-81-82-46-12-48
  3. | コメント:2
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コメント

モワサック

「薔薇の名前」にでてくる教会入口の解説はモワサックの教会についてだっと、ということで なんとしても観に行きたかった教会でしたから、感動もひとしおでした。 
私のロマネスク彫刻の一押しはここの エレミア です。タンパンの神の姿も威厳があってよかったのに。
それがこの彩色。 みたくなかった!
  1. 2021/06/09(水) 04:06:54 |
  2. URL |
  3. yk #C8Q1CD3g
  4. [ 編集 ]

Re: モワサック

YKさん、確かに派手な色でしたね、ライトアップショー。でも、私は結構楽しみました。最後の夜だったし。
バラの名前、そうなんですか。ちょっと見直したくなりました。
この時の旅で、ドルドーニュも含めての壮大タンパンは、ちょっと付け足し的なものだったのですが、まとめて見られたのは、とてもよかったと思います。
  1. 2021/06/11(金) 11:59:38 |
  2. URL |
  3. Notaromanica #-
  4. [ 編集 ]

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