ブレーシャ周辺、続きです。
Pontenoveという、Bedizzoleという町の郊外にある村で、かなり細かいところまで出ている1:200000のツーリング・クラブの道路地図にも、実は出ていない小さな村、そこにあるサンタ・マリア教会が目的。
グーグル地図で見る限りでは、ベディッツォラを通り過ぎて、川のほとりで、と、かなり簡単そうだったのですが、ここがまた、迷いに迷いました。ここら辺だろう、と車を停めたら全然違っていて、その後もぐるぐる走り回り、いい加減走ったところで、もういいや、別に特にすごく見たいわけじゃなかったし!と得意のすっぱい葡萄状態で、最後の目的地ブレーシャを目指すことにした途端に、それまで影も形もなかったPontenove、Pieveという標識がいきなり道端に出てくるんですから、全く始末に悪い土地ですよ~。
こうなったら、改めて方針転換、初心に帰ってPontenoveを目指しました。
やっと村について、すぐPieveという表示のある脇道に入り、車を停めます。
あれ?あれですか?でもちょっと違うような気が。
なんだか、?ですよね。それも思いっきりクローズだし。
???と思いながら、裏に回ると、後陣はしっかりロマネスク。
装飾も何もないけど、確かにこれだろう、と思わざるを得ないわけです。でもなぁ、これだけ苦労して、これかよ、と逆切れ状態のわたくし。
車を停めたところに戻ると、並びの家の前に地元の人がいたので、「あれってサンタ・マリアですよね?古い教会ですよね?」と一抹の不安を確認したところ、「サンタ・マリア?うーん、名前は知らないけど、古い教会なのは確かよ。あれを見に来たの?今しまっているけど、鍵は、斜め前の家が預かっているよ」と親切なお言葉。
それなら、一応中を見ていきましょ、と思い、その指示されたお家に行ってみました。
いわゆる一軒家で、ミラノ住まいのわたしには珍しい~(田舎には結構多いけど)。恐る恐るインターフォンをならすと、勝手に門の鍵を開けてくれるので、玄関に近づくと、オバサンが不審そうな顔をしていました。そこの教会の鍵を預かってられると聞いたのですけども~、といいながら近づくと、ちょっと安心した感じで、「鍵はあるけど、わたし今、昼食の支度で手が離せないので、一人で見てくれるならいいけど~」と結局は親切です。こういうこと、何度か経験もありますが、寛容ですよね。すごいですよ。外人もほとんどいない田舎で、あからさまに外人のわたしが、教会の鍵を、って言っても、差別とかそういう感情に出会ったことはないんですよ。
で、鍵をお借りして、ちょっと入ってみました。
外観もそうですが、中も、嫌味なくきれいに修復、改築がされていて、でも、ロマネスク的には、ほとんど注目するところもないかな、という教会でした。でも、大事に大事に使われているな、というのが、いかにも伝わってくる佇まいはいいですよね。
これが、ロマネスク当時の説教壇の一部だったレリーフらしいんです。ただ、このほんの一部残っている部分から、どうして、古い部分全体が分かったのかが、よく分からないので、解説をよく読まないと。この辺は、サイトに譲りますね(また一年後か…)。
それなりにじっくり見たあとで、ランチの準備に余念のないオバサンに鍵を返しに行って、一応確認、「これ、サンタ・マリア教会ですよね?」「サンタ・マリア?う~ん。…。古い教会ということで、Pieveと呼ばれてるし、名前はないわよ。」でした。
地元では、PieveでOKらしいです。入り口の標識にも、確かにPieveとしか記されていない。でも、ずーっと千年から愛されて現役で。それはそれですごいですよ。
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- 2009/11/25(水) 06:13:22|
- ロンバルディア・ロマネスク
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お久しぶりです。来月2日に大阪近鉄で講演に招かれて、その準備に追われています。80人ぐらいの出席が確定しているとのことで、この頃どこへ行っても盛況で、ロマネスク美術への関心が高まってきているのを実感しています。
さて、corsaさんこの記述は臨場感があって、いいですね。僕はどうしてもこういう風にうまく書けないのです。
外の割には中の方がいいですね。アーチの内輪(スペイン語で
Intradósといいますが、イタリア語ではどういうのですか)の絵は、新しいのですか。右奥のものはゴート風にもみえますが。
こういった訪れる人もない田舎のロマネスク礼拝堂は、本当に魅力がありますね。それにしてもよく辿り着きましたね。
- 2009/11/25(水) 08:48:00 |
- URL |
- 勝峰 昭 #79D/WHSg
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elromanicoesさん
講演ですか、聴きたいなぁ。年始に東京なんですが、都合よく講演会なんてないですよね。
ここ、本当によくたどりついたと思います。多分二度といけない(という場所多数)。内部の装飾は、全部新しいんですよ。一度全部やり直しちゃったんでしょうね。外も相当きれいに直してますしね。お金持ちの檀家がしっかりいるんでしょうねぇ。
田舎のロマネスクは本当に魅力的です。特に、鍵をお借りして一人で入ると切って、とてもわくわくします。ときどき、鍵が、いかにもの鋳鉄の昔風の鍵だったりしてね。ここは、普通の今風の鍵でしたけど。
- 2009/11/25(水) 21:42:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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このレリーフは再現された物なんですね。どこかに元の構図でも残されてたのですかね?
ツーリング・クラブに掲載されてない所にいけたのは感心ですね!
- 2009/11/27(金) 15:52:00 |
- URL |
- クリス #79D/WHSg
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クリスさん
お褒めの言葉(?)、ありがとうございます。本当に、良くぞたどりついたぞ、と。しかしこういう感じでたどりつくと、地図って、本当に意味があるのか、と思ったり。
このレリーフ、不思議なんですよねぇ。再現部分は、思いっきり創造力の産物だったりするかも知れませんねぇ。
- 2009/11/28(土) 22:34:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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