2021フオリサローネ その9
期間中に、市の広報メールで写真を見て、おぉ、こんなの絶対行きたいに決まっている!と、メールに従って予約をして、最終日の午後、仕事を早めに切り上げて、駆け付けました。
市営プールコッツィPiscina Comunale Coperta Roberto Cozzi
なんかいきなり地味な…。
まずびっくりしたんですよね、会場の住所見て、グーグルマップで確認して。というのも、この道は、ミラノに暮らして30年、最近でこそ少なくなりましたが、一時は職場が近かったこともあるし、本当によく通ったところなんです。だから、この建物は知っていたんですけれど、まさか中がプールである、ということは想像もしてなかったんです。
よく見たら、上の方にちゃんと市営プールって書いてあるよ。
でもさ、この面構えで、プールだと分かる人がいるでしょうか?その上、場所が、かなり繁華街なんですよ。中央駅から地下鉄で一駅だし、5分もしないところに、ミラノ庶民のお買い物ゾーンであるブエノスアイレス通りがあるし。
というわけで、30年暮らして、今回初めてこれがプールだった、ということを知った驚き、分かっていただけるでしょうか。フオリサローネのおかげです。
例によって、ちょっと検索してみたら、なんと1934年に、イタリア初の屋内プールとしてオープンして、多くの国際大会の会場としても使われたそうです。
そして、今もちゃんと現役です。
そういえば、ミラノには市営プールが多い。大体各地域に一つはあるんじゃないだろうか。前に住んでいた家の時も徒歩5分に屋内プールあったし、今住んでるところも、5分強のところにあります。海好きが多いから、水泳も好き、ということになっているのかなぁ。
おっと、プールの紹介記事ではありませんでした。
Be Water projected by Toiletpaper
なんだかわけがわかりませんが、かっけー!と思いませんか?思わないですか?私は思っちゃいました、笑。
トイレットペーパーは、著名なアート・マガジンで、主催しているのは、イタリア出身の超有名現代アーティスト、マウリツィオ・カッテランMaurizio Cattelan(日本語だとカテランとなっているようですが、正確な発音不明です)。
勝手欄に関しては、検索いただくと、「なんとなく知ってるぽい」的なやばい作品が、出てくると思います。実は、現在、ミラノでこの方の展覧会が開催中なんで、本日行ってきたところです。というわけで、カッテランについては後日、もうちょっと書いてみたいと思います。
これはまぁ別に、何を語る必要もないと思うんですよ。
60年代っぽいペンキアートっていうか、日本人的には、お風呂屋さんの壁アートにも通じる安っぽさとか、なんかレトロ感とか、そういうのが面白いんじゃないかと。
国際大会にも使われたというだけあって、プールの立派さにも感心します。
飛び込み台も、結構高いものまであって、この部分は深さも相当ありそうです。現役ですから、水も美しく管理されているし、いやはや。
そして、そういう現役プールを会場に使うっていうミラノ市やミラノのスポーツ振興団体や、なんかそういうのがすごいなっていうのもあって。
でも、待てよ。実際にプールを使っている人たちは、このペンキ絵をどう思うんだろう。
プールに無関係な人は、このフオリサローネ会期中しかアクセスできませんが、プール使用者は、当然いつでもアクセス可能で、確かこの作品、しばらくはここに置いたまま、ということだったと思います。
クローズアップしたら、絵の真ん中を横断するものに気付きました。
なんかきらきらして、水族館とかにありそうな装飾。レシンとかで作っているんでしょうかね。レトロ感満載ですし、やっぱりおしゃれな年代のおしゃれな装飾って気がします。
それにしても、カッテランにお風呂屋さん見てほしいなぁ、と思いました、笑。
さて、この日は最終日で、もう回る気はなかったのですが、時間もあるしせっかくだし、とこのサローネを前にオープンしたらしい中央駅の新しい施設を視察してから帰ることにしました。視察っていうのも変だけど、まぁそういう気持ちです。中央駅も、もう長らく行っておりませんでした。
有名なミラノ中央駅Stazione Centrale di Milanoです。
わたしがミラノに暮らしだしたころは、この駅前、草ぼうぼうの広場で、麻薬中毒者の巣窟でした。おどろな雰囲気で、かなり怖かったですよ。
今でも、置き引きやすり、かっぱらいみたいな人はうろうろしているはずで、危険には変わりがないはずですが、少なくとも麻薬中毒者とか、すでにオーバードーズで倒れちゃってる系の人はいなくなって、たまに泥酔して倒れている路上生活者がいるくらいですかね。軍隊の車が常駐していたり、警官もしょっちゅう見回りをしているので、昔に比べれば、本当にすごくよくなりました。
その中央駅舎の、上の写真で見る向かって左側に、今般オープンしたのが、メルカートMercatoという飲食店街です。
これは、反対側から撮影したものですが、駅舎に張り付いているデオールというんですが、テラスみたいな場所と、駅舎の一階と中二階みたいな部分が、その施設となります。ウナギの寝床みたいに、すっごく長いです。
とにかく駅は大きいです。そして執着的構造のため、すごく長いんですよね。その長さを余さず使ったような形で、ひたすら長いです。
第一印象は、デパ地下。細い通路にずらりと様々な飲食店が並び、どこまでもどこまでもって、イメージとしてはそっくりです。
販売と同時に、イートインがついていますので、その場で食べられるものも多いようですし、もちろんレストラン形式の場所もありました。旅行者にとっては、飲み物だけでも気軽に座れる場所、便利だと思います。とはいえ、長すぎるから、ホームからアクセスすると、相当の距離を歩くことになって荷物持ってたら、無理じゃん?というのはあります。通路が狭いので、場所によっては渋滞しそうだし。
ま、でも新しい感じは間違いなくあって、駅はどうしたって人が集まる場所ではあるから、それなりに成功はするのかもね。
なんにせよ、公共のスペースがきれいにあっていくのは良いことだと思いました。結構な雇用創出につながったと思うしね。
頑張ってほしい。
というながら、手ぶらで、本当に視察だけで帰ってきたオレ…。申し訳ない…。
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2021/09/18(土) 16:39:06 |
ミラノ・フオリサローネ
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