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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

最後の最後まで、よく歩きましたの旅でした(サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会、サント・ステファノ・ロトンド教会、サン・クレメンテ教会)

2017年12月の週末旅行、ローマの古代から現代まで、その26(最終回)

この時の旅の最後は、最近定番の散歩道を、急ぎ足でたどるというせわしないことになってしまいました。
前回記事の後の行程は、まず、サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会。

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教会のある一帯が、大の付く絶賛工事中で、その上に教会はクローズでした。

どうやら、ローマ三本目の地下鉄であるC線というのを作っているようですね。あれから丸四年たちますが、どうなっていることでしょう。
ミラノですら、地下鉄の工事は超難航します。日本は、東京などの大都市でも、工事始めたら結構あっという間の感じで完成してしまうので、一時帰国中、めったに都心に出向かない身としては、例えば大江戸線とか、いまだに未知の領域となっています。そもそも、こっちがほとんど気付かないうちに、東京の地下をぐるりと回るような地下鉄ができてしまうって、すごすぎます。
ミラノでも、例えば我が家は、ミラノで最も新しい地下鉄5番線が最寄で、家を買うときには、いや、その数年前からこの一帯あちこちで大規模な工事をしていたわけですが、稼働したのは、住みだして数年が過ぎてからで、それも、一気に全線開通ではなかったはずです。実際の工事だけで、10年じゃ聞かないくらいの時間がかかっていたのではないでしょうか。
ローマの場合は、その上に、どこを掘っても、何か遺跡関係が出てきてしまいますから、その困難は想像以上と思われます。

また脱線しました、笑。
工事中のため、教会は18時からのみオープン、とありました。2020年12月までは、そういうことになっていたので、今は普通に戻っていると思います。
この教会、後陣や勝利のアーチに、とっても素敵なモザイクがあるんですが、まぁ以前しっかり見ていますので、残念ですが、仕方ないですね。

そこからすぐ近く、本当に散歩道的な感覚に、好きな教会があります。

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サント・ステファノ・ロトンド教会Basilia di Santo Stefano Rotondoです。
全然教会っぽくもないし、名前についているロトンドは円形を表す言葉ですが、こうしてみると、全然円形の様子も分からないですよね。

せっかくなので、グーグルさんからお借りして、鳥観図を。

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丸いですよね。

創建は5世紀と、ローマの教会の中でも最も古いものの一つ。
で、円形ですけれど、バジリカというだけあって、でかいです。円が三連になっている感じです。

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なんの因果か、訪ねたとき、この内部も工事中で、半分以上アクセスできなかったんですよね。工事資材とか積んであって、残念なことでした。
ただ、内部はもともと、かなり新しい感じになっていて、5世紀の姿は構造に残るものの、という印象ではあるんです。この時も床面とか引っ剥がしていたと思うんですが、さらにピカピカになっちゃうんだとしたら、なんだかなぁ。
それにしても、円形の構造物は、写真に収めるのが、とても難しいです。

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幸い、私が再会したかった方々には、工事にかかわらず、お会いすることができました。

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向かって左にプリモさん、右にフェリチアーノさんがおられます。どちらももちろん聖人で、642年から649年の期間に、ローマ郊外の墓地に葬られていたこのお二方の遺骸が、持ち込まれたて祭られたそうです。その際に、この場所に、チャペルが作られて、ビザンチン風のモザイクが施されたそうなんです。

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天上の楽園に咲き乱れる赤い花、そして、宝石がちりばめられた十字架、どれをとってもビザンチン・テイスト満載で、黄金の背景も含めて、好みのモザイクです。最もビザンチン風なのは、両聖人のお顔かもしれません。

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濃いですよね、フェリチアーノさん。
そしてプリモさんもまた、なんかある程度お年を召して、さらに色気プンプンのショーン・コネリータイプっていうか、または若ハゲが意外な色気になっているというか、笑。

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これらのモザイクは、確かにレリックを持ってきたからの記念に作られたのでしょうけれど、これだけのモザイク職人さんがいたのだから、そして、これだけ広い教会なんだし、もしかしたら、これ以外にもモザイクがあったのではないかなぁ、とも思えるんですが、今は他には痕跡すらなさそうで、壁装飾は、新しい時代の絵画とかにとってかわられてしまっています。

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毎回、必ずしも完全な形で見学できるわけではないので、やはりローマは、いつ行っても、何かしら発見があるのだと思います。この時の短い旅だけでも、修復中とかが複数あったわけで、漏れなく次回のお楽しみになるわけですから。

最後に、まぁ、わざわざではなく、ほぼ通り道なので、立ち寄ったのは、こちら。

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サン・クレメンテ教会Basilica di San Clementeです。

以前訪ねたとき、クリプタの一部のフレスコ画が修復中で、それが一番見たかったやつだったんで、もうさすがに終わっているだろうし、と期待して訪ねました。でもここって、上も下も、撮影厳禁なんですよねぇ。実は、こっそり、もう解禁になったのでは、という期待もあったんですよね。
しかし相変わらず厳禁。それも、見学者がかなり多くて、いつもにぎわっているので、隠し撮りも無理なんですよね。写真が撮れないと、結構悔しいので、一瞬ためらいましたが、というのも、クリプトは有料は、なんと10ユーロもするんです。

せこいですね。客観的に判断して、10ユーロは決して高いとは言えないんです。クリプタといっても、ここは、地下遺跡の体をなしているスペースで、ちょっと探検的な面白さも楽しめるし、フレスコ画もなかなかのものですし。でも、常に見学者が多くて、すごくアトラクション的な位置付けっていうんですかね。言ってみたら、人気のカタコンベに近いような、そういう施設になっている感じ。
だから、人の少ない場所に慣れている中世ファンにとっては、居心地が悪いし、やっぱり高いだろう、となってしまうんですね、多分。自分の心理を探ってみました、笑。

ちなみに、上物本堂の後陣、素敵な黄金モザイクがあるんですが、ここもまた修復中で、そのモザイクは、布で覆われていましたとさ。この年は、予算があっちでもこっちでも潤沢に降りてきたんですかね、バチカンから?

旅はここでおしまいです。
この後も、バスか何かに乗ろうと思いつつ、結局歩いてホテルに戻り、荷物を引き取って、列車に乗り込みました。
とにかくよく歩きました。当時は、今ほど日常的には歩いていませんでしたが、運動代わりのウォーキングを始めたころかもしれず、ミラノで、公園を目指すより、ローマの教会巡りは、ずっとずっと楽しくて、一石二鳥だな、という気持ちで歩いていたと思います。疲れはするのですが、多くの場合、バスなどに乗るよりは効率がよかったりするのも確かで。

というわけで、ローマ終了。お付き合いありがとうございました。
さて、次回はどちらにいきましょうかね?

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